「子どもの自分」と「自分がない」状態 【精神疾患を説明する②】
こんにちは。えめです。
精神科疾患の原因について
あなたは、
「自分の感情の本音がすごく幼くて、
感情コントロールに苦戦する」
あるいは
「自分には価値がない、自分がない。」
と感じたことはありますか?
若い時には思っていた、
頭の端っこで思うことがある、
いつも感じていて恐怖でたまらない…
いろんな方がいると思いますが、
この感情って、割とポピュラーな感情ではないでしょうか?
しかも、この2つの感情って、
「自分がある」と「自分がない」で
正反対のように思えますが、
割と共存することもあります。
なぜなら、どちらにも共通点があるから。
「自分に自信がない」
「他人の目を気にしてしまう」
心が「子ども」か「無」になっているので、
社会生活をするのに自分の心が頼りなくて、
自分は今大丈夫だろうか、ちゃんとできているだろうかと周りを確認してしまうんですね。
前回のお話では、
精神疾患を引き起こす原因として、
精神的な要素では以下の原因があるとお話しました。
①頭と心と身体がバラバラ
②自分と他人との境界線が曖昧
③自分の使い方を知らない
今回は①頭と心と身体がバラバラの続きで、
(前回を見ていなくてもお話は読めます)
統合失調症や人格障害にも関連する、
「自分の心が頼りなくなってしまった原因」
についてお話します。
※精神科における疾患名は、
便宜上ついているものがほとんどで、
本来、
「〇〇病」=「〇〇が原因」
って簡単に分類できるものではありません。
なので、
根本的なお話をするために、
疾患名から説明するのではなく、
原因から疾患名や状態を説明していきたいと思います。
本記事と別の原因もたくさんあるので、
あくまで原因のうちの一つとしてご参照ください。
※ご自身の病気の核心に触れ、
精神的な衝撃を受ける可能性があります。
見るのが怖いなと感じた方は画面をそっと閉じて下さい。
周囲の支援を望める状態で、比較的安定している方で、今知りたいという感情がある方は少し覚悟した上で続きをご覧ください。
なぜ心が頼りなくなってしまったのか
諸説あると思いますが、
昔あった出来事をきっかけに、
そこから上手く成長出来なかった
と、まとめることが出来ると考えています。
人生には、
あまり知られていませんが、
年齢によって人生を安定させる、
成長目標みたいなものが存在します。
それが発達課題です。
発達課題は、大人はせいぜい10年に一つくらいなものです。
しかし、
発達心理学のエリクソンさんによると、
0歳~2歳(乳児期):基本的信頼感 vs 不信感
2歳~4歳(幼児前期) :自律性 vs 恥、疑惑
4歳~5歳(幼児期後期):積極性 vs 罪悪感
5歳~12歳(児童期):勤勉性 vs 劣等感
13歳~19歳(青年期):同一性 vs 同一性の拡散
子どもの頃は、
こんなにもたくさんの人生の課題があります。
この間に大きなショックな出来事
(離婚・虐待・事故・死・病気、兄弟が出来た、本人にとってすごく辛い出来事があった)
などがあると、
成長が遅れることがあります。
心が子どものまま止まってしまう原因
エリクソンさんの課題の中でも
0歳~2歳(乳児期):基本的信頼感 vs 不信感
お母さんや周囲環境に対して、
・私は守られていると感じる(基本的信頼)
・私は愛されていると感じる(愛着形成)
と感じる事は人生最初の課題です。
ですが、この課題がうまくいっていない家庭は意外と多く、4割にものぼるとのこと。
(ネットの情報ですみません、参考こちら)
ここでつまづくと、
社会人と子どもの大きな節目の
13歳~19歳(青年期):同一性 vs 同一性の拡散
=アイデンティティの確立
=自分軸の基本
これがクリア困難になります。
つまり、上手く大人になれず、
精神疾患を発症するリスクが上がります。
特に、基本的信頼や愛着形成が出来ていないことに強いこだわりを持った場合、
人格障害に関連する病名がつくことが多いようです。
かなり幼い頃の課題が達成されていない
=治すの難しい
=「障害」
という名前の由来なんでしょうね…。
人格障害系の診断名を持つ知人がおり、
お話をいろいろ伺いましたが、
本人の気持ちの印象としては、
サバンナに1人取り残されたような心地
という感覚がしました。
基本的信頼という安全基地がないので、
ちょっと傷ついたことが、
大ピンチに感じます。
ポケモンセンターがないポケモンの旅
をイメージしたら伝わりやすいでしょうか…?
つまり、
ちょっと傷ついた事でも生命の危機なので、
ちょっと傷つける人は殺人未遂同様。
彼らは
いつでも人に裏切られる
という恐怖と常に戦っています。
子どもをカバーするのに、
頭(理性・知性)がすごく大人なので、
不安が大きくなった時はすごく本能剥き出しなのに、
ものすごく理屈を通します。
(なかなか迫力があります)
一方で、愛に悩むためか、
ものすごく愛情深い。
(操作抜きにして愛情深い)
ちなみに、
知人は現在社会生活ちゃんと送れてます。
「大人」の自分 と「子ども」の自分
を自覚した後は自己コントロールが早くなり、
どんどん落ち着きました。
仮でもいいので安全基地を作り、
ちゃんと「子ども」の部分を成長させてあげたら、「障害」を脱出できる余地はあります。
心が無になってしまう原因
心が無になってしまう原因は、
やはりどこかで大きな出来事があり、
その時の感情を受け止めることが出来なかった
つまり、
感情に蓋をして、
感情をないことにした。
感情を感じるところに、
自分発生の麻酔みたいなものを作り、
感情自体を感じないようにした。
って感じが近いのかなと思っています。
こちらも同様に、
子ども時代にショックを受けて感情に蓋をすると、
その後の発達に遅れが生じるので、
社会人になった後、精神疾患にかかりやすくなります。
こちらは統合失調症と診断がつきやすいようです。
私もほんの一瞬、2度だけ、
統合失調症様の症状が出たことがあります。
1度目は車に盗聴器がつけられているのではないかと探したこと
(同乗者の言葉ですぐ我に返った)
2度目は寝たきりの頃に離人症という症状が出たとき。
これを書くにあたって、統合失調症の体験談の本を読ませていただいてるのですが、
多分、心が無になった時の境地は、
人格障害の方がサバンナなら、
こちらは宇宙。
あー素敵、なんて思わないで下さいね。
仮に今宇宙に、とりあえず宇宙服着せられて、
ステーションもなく1人で置き去りにされたら。
どうします?
宇宙という、定義のない世界。
あなたは誰ですか?
なんのために生きてますか?
いつでも身体がバラバラにされそうな、
得体の知れない恐怖があります。
こちら、もう一段階詳しく、
別記事にしようと思ってます。
なので、今回はここで割愛。
自分が無だと、
人にいろいろ危害を与える事は少ないのですが、
本人は自分に価値がないと思っているので、
1人ですごく抱えます。
こうしたら生きていいって認められるか?
どんな素晴らしい自分なら生きてていいか?
他者から見たら既に素晴らしいのに、
本人の無が何かで埋められない限り、
永遠に問いかけが続きます。
こちらも、
安全基地を作り、感情を知り、成功体験を積み重ねたら(自分という定義を新たに作ることが出来たら)、治る見込みはあります。
なぜ人格障害と統合失調症を合わせて説明したか
統合失調症の方の手記(過去に読んだものなので、タイトル控えていなくてすみません)
を読んだ際に、
「統合失調症と人格障害は同じ座標軸にあるのではないか」的なことを書いてあったので、
興味があり深掘りしました。
いろいろ概念を考えていくにつれ、
あぁ、みんなあるのか。
という感想を持ちました。
それが今回の内容と繋がっています。
(もう一つ、別の角度からも関連性を見ています。後日記事にて。)
大なり小なり、抱えている人が多い悩みなのですが、
困難さや症状が強く出ると、
人格障害や統合失調症という名前がつく。
変わった人と見られてしまいがちな病名ですが、やっぱり同じ地平線にいて、大なり小なり同じ悩みを抱える人はたくさんいるな、と感じました。
だから、人格障害や統合失調症の方の話を聞けば、妄想とかをカットしながら聞けば、困難について絶対理解できるはずで、
逆に言えば、誰しも片鱗を持っている可能性はある。
そういう共有性を示したい意図も、今回の記事には含まれています。
まとめ
✅ 心が「子ども」か「無」だと精神疾患を発症することがある
✅ 幼い頃の出来事とその受け止め方の影響がある
✅「子ども」に関連した疾患に人格障害系がある
✅「無」に関連した疾患に統合失調症がある
✅ 安全基地、感情の自覚整理、他者からの受け止め、自分を成長させて軌跡を作る事、が治療のポイント
✅ 疾患名を持つ人だけが持っている困難ではなく、片鱗を持っている可能性がある人は多い
✅発達課題は人生に割と影響している
かなり長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました🙇🏻♀️
最近いろいろ丁寧にしていて、スキ返しが間に合っていませんが、遡ってスキのお返しや、スキをしてくださった方を知る旅に出ていますので、よろしくお願いします🙇🏻♀️
何かお役に立てていたり、わかりやすかったらスキをして頂けますと頑張れます🙇🏻♀️✨
よろしくお願いします😊
次のお話(宇宙世界の苦しみ)
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