映画「1秒先の彼女」「1秒先の彼」、この先にあるものは、
「1秒先の彼女」の日本リメイクが「1秒先の彼」
PrimeVideoで両作観る
まず、原作の「1秒先の彼女」
宣伝キャッチは、
人よりワンテンポ早い彼女の消えたバレンタインを巡る物語
...と、ワンテンポ遅い彼のもうひとつの物語
内容は、
郵便局で働く仕事も恋も冴えないアラサー女子
ある日、街で出会ったダンス講師と、デートの約束をするが、ふと目を覚ますと、既にデートの翌日になっている
失くした1日の記憶を取り戻すべく奔走する(2020年台湾)
ぐだぐだの感想です
この緩さ、好きです
アジア系特有のコメディかと思ってたら、章が進むにつれ、どんどんせつなくなる
終盤は、ひとつ間違えばコントなるところを前半のリアルな描写から、ここに至る世界感をゆっくりと作り上げ、この設定まで繋げたことで、その荒唐無稽な安っぽさと不自然さを苦笑しながら受け入れさせられる
これは、いつのまにか制作者側の想いに寄せらているからであろう
途中から、追うべき主体を入れ替え「時間」の伏線を回収し、
その上、その時間まで止めてしまう
脚本の力です、お見事です
台湾というあまり詳しくない場所と生活様式、そこで映し出される叙情的な風景が、我々の現実世界と少し違う『距離感』を作り、その世界がより幻想的なものとして映るからもしれない
子供の頃、ありもしないことを空想して現実逃避してた人が、
気がつけばそのまま結構いい年齢の大人になっていた
そんなヒトたちが、その年齢になっても空想する、いわゆる大人のおとぎ話なのですね
もうひとつは、悪いヒトが出てこないこと(ダンス教師も憎むべき悪人として描いていない)
これもこの世界感を柔らかいものにしている
生きることが不器用なヒトに、しっかり寄り添い、共感を与えてくれる
エンドロールが流れても、この後、この時間が流れるふたりのこの先の物語はどうなるのだろう、
と思わせてくれる
映画はいいですね、お勧めです
日本のリメイクの「1秒先の彼」
人気と実力を持った脚本家、役者による日本のリメイク版
男女を入れ替え、場所は京都、
脚本も役者も抜群であり、周りを固める卓越な役者たち
ただ、個人的にはその世界に入れなかった
リアルな場所で、よくテレビや映画で目にするトレンディな俳優、
設定もすこし若すぎて、原作の年齢による焦燥感が無くなってしまっていたのが残念
空想との距離感がうまく掴めなかった、これはワタシがおっさんだからか、
映画とて利益目的なので、ターゲット選定等々もあり、ワタシとは合わなかった、仕方ないです
空想の世界を描いた好きな作品
「ビッグ・フィッシュ」
現実と空想が見事に入り交じります
ティム・バートンの傑作です
ティム・バートンでは「アリス・イン・ワンダーランド」や「チャーリーとチョコレート工場」がありますが、この世界観は少し苦手でした
邦画では、どうしてもジブリを中心とするアニメに押されてしまいます
なんとなくこの作品が浮かびました
「僕の彼女はサイボーグ」
ダメ男のうだうだ感が好きです
ミツバチのささやき
これは鉄板です、転校生
(封切り時の劇場で観ました、すこし自慢です)リメイクもあります
すこし系統が変わりますが、寓話的な作品では、
パンズ・ラビリンス
シェイプ・オブ・ウォーター
是非、どうぞ