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「昨日」 アゴタ・クリストフ。


昨日はすべてがもっと美しかった
木々の間に音楽
ぼくの髪に風
そして、君が伸ばした手には
太陽


物語の中へ、吸い込んでくれる本が好きだ。

心を掴み取ってくれる物語が好きだ。

そこには、スラスラと読みやすい文章。

だけども、一筋縄にはいかない難解なテーマ。

おまけに、希望も損失されていると、なおよい。

そんな人にオススメなのが、アゴタ・クリストフの「昨日」。


スラスラと読みやすい文章、母国語ではないフランス語で書かれた文体。

その個性的な文体に酔ってしまう。夢中になってしまう。

社会の中心から外れてしまった人間の「心情」を描く。


上手く人間になりきれない人も、必死で生きている。

私も生きている。

味方をしてくれるのは、自分に似た、作家さんじゃないだろうか。

恋愛小説…、これは、恋愛小説です。

毎日工場で働く、主人公のたった一つの希望は、幼い頃大好きだったあの人。

あの人は、結婚している。

しかし、あの人は、私を愛してくれた。

愛し合った二人、その先に、希望はない。

誰も救われない。

これは、誰も救われないし、誰も幸せにはならない。

絶望しかない本。

なんで、そんな本を読んでるのかって?

それは、
変態だからです(笑)


でも、幸せな本ばかり読むのもなんかしんどくなるし、
たまにはこんな本もね。(ほとんど、暗い本ばかり読んでいるけれど笑)


なんというか、私は、
翻訳の作品が好きなんです。

そう、海外小説の
独特の文体が好きなのです。

中村文則さんの影響で、海外小説にハマった。

どんどん読み進めているうちに、

翻訳された、あのカタコトっぽい日本語が好きになった。

海外にも
自分の考えと似たような作家さんがいる。


それを知れただけでも嬉しい。


たまには、絶望だらけの本もいかがでしょうかね?





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