未知の精製方法 『シトラス スウィートネス』とは?
近年、様々な精製方法が日々生まれており
私たちバリスタも情報を得るのに
毎回とても苦労しています笑
さて、私が個人的にも好きな農園のひとつ
Santuario farm
ここで生まれたシトラス スウィートネス
という精製方法。
名前も作り方も未知ですよね。
ぜひ気になる方は読んでみてくださいね!
今回はメキシコのシトラス スウィートネスです。
🇲🇽 Mexico
Region:Veracruz, Ixhuatlan
Farm:Santuario
Producer :Camilo Merizalde
Process:Citrus Sweetness (Double Anaerobic with Mossto & Washed)
Alutitude:1100-1750m
Variety:Red Bourbon
Tasting note:lime,
Roaster:ABOUT US COFFEE -KYOTO-
Citrus Sweetness シトラススウィートネス
コロンビアにも農園を持つ、Santuario農園独自の生産処理プロセスです。
糖度20度以上のチェリーがセレクトピッキングされ、収穫後のチェリーを選別洗浄後に密閉タンクに移し
Mossto(モスト)と呼ばれるコーヒーチェリーのジュースに漬けCarbonic maceration(炭酸ガスを吹き込んで嫌気性発酵)を65時間行います。
その後果肉除去を行い、再度モストジュースと共に20-22時間anaerobic Fermmentation(嫌気性発酵)を行います。
その後タンクから取り出してパーチメント表面を洗浄し14日掛けて乾燥して仕上げます。
Mossto
モストはコーヒーチェリーの果皮と果肉、ミューシレージ(コーヒーの甘みとなる粘液)で作られた特別なジュースのことを言います。
モストジュースには発酵過程で重要な酵素が多く含まれており、通常の化学反応に比べてその作用は非常に高く、独特の風味を齎すと言われています。
複雑なプロセスで作られたこのコーヒーは
とてつもなくジューシーな味わいを演出してくれます。
Santuario project -サントゥアリオ・プロジェクト-
サスティナブルなコーヒー生産を目指し、スペシャルティコーヒーの生産に特化した先駆的な農園であるサントゥアリオ農園。
サントゥアリオプロジェクトは、コロンビア ポパヤンにサントゥアリオ農園を構えるカミーロ氏による高品質なコーヒー生産のプロジェクトです。
その第一歩として、コロンビア カリにインマクラーダ農園を構え、希少な品種の生産・研究を実践してきました。
ブラジルのルイス パウロ氏(サントゥアリオ スル農園/イルマス ペレイラ農園など)をはじめ、現在ではコスタリカ トレス ミラグロス農園やメキシコ グアダルーペ サフ農園/チャンフル農園のパートナーと共に希少な品種やユニークな風味特性を有したコーヒーの生産に取り組んでいます。
2010年、カミーロ氏はコロンビアのカリでサントゥアリオ プロジェクトの前進となるインマクラーダ プロジェクトを開始。
同地の1700-2000mの斜面でインマクラーダ農園、モンセラ農園、ラス ヌベス農園の3つの試験農園を立ち上げ、ゲイシャやラウリーナ、スーダンルメ、ユウゲニオイデスなど希少な品種の生産と共に多くの生産処理の試験を行いました。
その後、2014年にはブラジル Carmo Coffeesのルイス パウロ氏のNew Flavors Projectに関わり、新しいコンセプトの農園としてブラジル サントゥアリオ スル農園を開拓し、カミーロ氏の培ったコーヒー生産のノウハウを伝えてきました。
ちょうどその頃にメキシコのグアダルーペ農園/チャンフル農園やコスタリカのトレス ミラグロス農園で同じ志を持つ生産者と出会い、双方で様々な情報交換や試験結果が共有されてきたと言います。
ブラジル サントゥアリオ スル農園で行われているハニープロセスもこうした関わりから教わったプロセスで、ブラジルの伝統的なパルプドナチュラルと異なり、パルピングや熟度、乾燥方法などコスタリカの生産処理に準じた方法がトレースされています。
そして2017年、本格的にSantuario Projectを発足。
コロンビア、ブラジル、コスタリカ、メキシコの4か国のパートナーたちとユニークで最高のコーヒーを作ろうと動き出しました。
このプロジェクトの為に合同会社を設立し、農園へのアドバイスやサポート、ロジスティクスやファイナンシャルもスムーズに行える体制を整え、消費国にシームレスにサービルを提供できる体制を整えています。
彼らはコーヒーの栽培やミルに一層の付加価値を与えるために、特別な品種、独自の生産処理理論を駆使しています。
メキシコやコスタリカでは、新たにドライミルやウェットミルとラボセンターを建設しており、生産処理プロセスの研究と新しいプロセスの検証を行いながら挑戦が続いています。
将来は世界中でユニークかつエキゾチックなコーヒーを生み出そうと邁進しています。
Gold washed
同じサントゥアリオ農園で行われている「ゴールドウォッシュド」
国内の市場では、珍しいロットとして徐々に人気が出ている為、すでに飲んだことのある方も多いんではないでしょうか?
シトラススウィートネスとゴールドウォッシュド
両方の精製を見た時に、正直何が違うんだろう?と思いました。
この「ゴールドウォッシュド」とは、コーヒーチェリーを1時間きれいな水に浸し洗浄し、1回目の嫌気性発酵を行ってから、チェリーの果皮を取り除きミューシレージが25%残った状態でモスト(コーヒーの果皮と果肉、ミューシレージから作られたジュース)に浸け2回目の嫌気性発酵を行い、その後23日間かけてアフリカンベッドで乾燥させます。
非常に手間をかけた工程が特徴ですが、その手間暇をかけたことで独特のフレーバーを持つコーヒーになりました。
この精製でリリースされたお豆は、ライムフレーバーとスパイス感が豊潤に香り、爽やかなのに癖もなく毎日でも飲みたくなる様なティー感覚のコーヒーだと言われています。
今回入荷したメキシコのお豆と大きな違いはありませんが、ゴールドウォッシュドもモストに漬け込んでいますね。
2つの生産処理の違いをまとめました。
◼︎ Citrus Sweetness
・糖度20度以上のチェリー
・モストに漬け込んでCarbonic maceration(炭酸ガスを吹き込んで嫌気性発酵)を65時間
・その後果肉除去、再度モストジュースと共に20-22時間anaerobic Fermmentation(嫌気性発酵)
・タンクから取り出してパーチメント表面を洗浄し14日かけて乾燥
◼︎ Gold washed
・糖度23%以上のチェリー
・1時間きれいな水に浸し洗浄
1回目のanaerobic Fermmentation(嫌気性発酵)
・チェリーの果皮を取り除きミューシレージが25%残った状態でモストに浸け2回目のanaerobic Fermmentation(嫌気性発酵)
・23日間かけてアフリカンベッドで乾燥
以上、Santuario農園のシトラス スウィートネスについてまとめてみました。
私も理解するのがとても大変でした笑
実際に農園で作業している様子を
見に行ってみたいと思っています。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
せび、他の記事も読んでみてくださいね!
Sara