ボクのゴールデンなコロきゅう
5
コロきゅうが、もうすぐおわるらしい。
カンセンシャのかずがへってきたから、っておかあさんがいっていた。
すこしずつ、みんな、そとにでかけられる。
「よかった。さくちゃんは1年生だから、早く学校にいけそうだよ。これでやっと、クラスのみんなに会えるね」
おかあさんは、うれしそう。
「がっこう、いかなくちゃダメ?」
ぼくがそういうと、そりゃね、とおかあさんはこまった顔になった。
「なんで、行きたくないの? あんなにランドセル背負っていくの、楽しみにしてたじゃん。かんちゃんより先に家を出て、一人で行くんだって」
そんなことをいったんだっけ。
あまりにもムカシのことだ。
「がっこうにいったら、ボク、いそがしくなっちゃうでしょう。そうしたら、カメオツくんが見えなくなっちゃう」
「そうなんだ?」
「カメオツくんが、そういってた」
おかあさんは、ちょっとかんがえるような顔になる。
それからしゃがんで、ボクの顔をまじまじと見つめた。
「でもさ、見えなくなったからって、いなくなったわけじゃないと思うけどな」
おかあさんにいわれて、おもい出す。
ーーずっとそばにいるよ
カメオツくんはそういって、ボクのほっぺたにさわってくれたんだ。
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