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【書評】『うまく「聞ける人」と「聞けていない人」の習慣』

「会話が途切れて気まずい沈黙が続いてしまう。」
「相手が話してくれず、気づくと一方的に自分が話してしまっていた。」
「仲良くなりたいのに、職場やプライベートで相手との距離が縮まらない。」
「会議や商談での聞き方が下手で、相手の意図をつかめない。」

プライベートでも仕事中でも、人と人のつながりの中で生活している私たちですから、コミュニケーションの悩みは切っても切り離せない問題ですよね。
特に人との距離感で、どこまで話していいのか、聞いていいのか、悩んでいる間に、話しが終わってしまったり、バランスをとるのも難しい世の中になっていることも悩みの種になっていると思います。

今回ご紹介する『うまく「聞ける人」と「聞けていない人」の習慣』は、「聞き方」にフォーカスしたコミュニケーション術で、「誰からも好かれる会話」ができるようになり、人間関係がラクになる方法を学べる一冊です。

「聞き方の基本」から「話しの盛り上げ方」まで55個の項目にまとめられていて、取り入れやすい内容になっていますし、「話し方」の書籍ではないので、口下手で悩んでいる、という人にもとってもおすすめです!

書籍の内容から、特に気になった箇所と感想をまとめましたのでぜひ、最後まで読んでみてください!


本の基本情報

著者:山本 衣奈子
発刊:2025/1/17
出版社:明日香出版社

本書のテーマ

この本はコミュニケーションが上手な人たちが実際に行っている「聞き方」の習慣がまとめられ、よりよい人付き合い、そして、大事な人を、より大切にできるようになる、そんなテーマで書かれた一冊です。

著者の山本 衣奈子さんは、「伝わる表現アドバイザー」の肩書をお持ちで、人間心理や会話を通じたコミュニケーションの向上を支援するE-ComWorks株式会社の代表を務められている方です。

これまで30社以上での勤務経験を持ち、その中で培った「伝える力」と「聞く力」を活かし、全国で年間180回近い研修や講演を行っておられるとのこと。これまでに受講された方は累計5万人以上にも上り、そのリピート率は、なんと業界屈指の8割を誇るそうです。

現在は講演や研修のほか、カウンセラーや相談役としても活躍され、著名人やスポーツ選手との対談も数多く手がけるなど、その「傾聴力」は様々な業界から高く評価されています。

その他の著書には「「言ってしまった」「やってしまった」をリカバリーするコツ」「「気がきく人」と「気がきかない人」の習慣」などがあります。

これだけの実績を持つ著者だからこそ、「聞く力」に基づくコミュニケーション術がどのような内容なのか、とても気になりますね!

どんな人におすすめか

本書は以下のような方に、特におすすめの書籍です。

  • 会話がうまく弾まない、距離が縮まらないと悩む人

  • 職場でのコミュニケーションを改善したい社会人

  • 人と円滑な関係を築きたい人

  • 「聞き上手」になりたいと考える人


それでは次の項目から具体的な内容に入っていきます!

うまく聞ける人は話すより聞く

会話が上手な人、というと、テレビで見る芸人さんのように、「面白い人が面白い話しをする」といった場面を思い浮かべる人も多いかと思います。

たしかに、話し上手な人のエピソードトークは、ぐいぐいと引き込まれて、もっと聞きたいと思ってしまうものですよね。

ですが、私たちが普段行っている会話を振り返ると、どうでしょうか。

「今日は何を話そう」「上手く話せるかな」と自分が何を話そうかと考えて、焦っていると、なかなか良いコミュニケーションに持っていくのは難しくなってしまいますよね。

本書では、「コミュニケーションの鍵は「聞き手」が握っていると言っても過言ではない」と書かれています。

実は、コミュニケーション力が高い人は、話し上手なだけでなく「聞き上手」だったそうです。

確かに、人前で話しをするとき、相手がリラックスして、こちらを向いて話しを聞いてくれている、反応もしてくれる環境であれば、安心して話すことができますし、逆に相手が緊張しているようだったり、集中してもらえていない、別の方向を向いていて反応が返ってこない、そんな環境だと、とたんに話しづらくなってしまうものです。

人は、自分に興味を持って聞いてくれる人に話したいと思うもの、まずは自分が相手の話しを聞く、というスタンスが大切ですね。

うまく聞ける人は全身を使って聞く

頑張って話しかけたのに、相手が、作業の手を止めず、こちらを向かずに、なんとなく相槌だけうたれても、ちゃんと聞いてくれていないな、という印象になってしまいます。

逆に、作業の手をとめて、こちらに向き直って話しを聞いてくれたら、しっかり聞いてくれているな、という印象を持てますよね。

「上手に聞く」には、相槌や、もちろん、身体を使って、興味を表現することで「聞いているよ」というメッセージを相手に伝えることができると、著者は説かれています。

直接声にださなくても、笑顔で聞く、拍手をする、驚いて目を大きくするなど、表現する方法はたくさんありますね。

また、最近はリモートワークや、オンラインでのセミナー、講座なども増え、活用されている方も多いと思います。

オンラインの環境だと、対面しているときよりも相手の状況が分かりづらく、聴いてくれているかどうか、分かってもらえているか、話し手としては、不安になるものです。

パソコンのカメラでは上半身しか映りませんが、いつもよりも大きめにうなづく、手がカメラに見えるように拍手をする、など少し大きめのリアクションをとると、コミュニケーションがとりやすくなりますね。

対面でもオンラインでも、話しを聞くときは興味を持ってきく、それを表現するために、話し手の方を向いて、反応しながら聞くことができれば、相手は、きっとあなたに向かって話しをしてくれるようになるはずです。

うまく聞ける人は沈黙に焦らず待つ

関わりが浅い人との会話、またこれから仲良くなりたい人との会話って緊張しますよね。。

そんなときに、話が急に途切れてしまって、沈黙の時間が流れると「どうしよう、何か次の話題を出した方がいいかな」と焦ってしまったり、「あれ、なにかまずいこと、聞いちゃいけないことだったかな」と考えてしまったり、そしてさらに沈黙が、、と悪循環になってしまうこと、ありますよね(苦笑)

本書の中では「うまく聞ける人は相手の話しを聞くために「考える時間」の必要性を認識し、大切にしている」と書かれています。

本当にうなづきながら読んだのですが、確かに、会話するときに、まだ考えがまとまっていないのに、質問を続けられたりすると、ちょっと待って、と思ってしまうこともあると思います。

そのため、相手が黙っていても、あまり不安になったり、怖いと思う必要はなく、相手から自然に言葉がでてくるのを待つことが大切なんですね。

また、「聞けていない人が恐れているのは、沈黙そのものというより「自分のペースが乱されることや、「自分が悪い印象をもたれること」なのではないでしょうか」とも書かれています。

これはぐさりときてしまいますが(笑)たしかに、焦っているときは、矢印が自分に向かっていて、相手の気持ちを考える余裕を無くしてしまっているとき、なんですよね。

単純に沈黙を恐れるのではなく、相手のこと、そしてお互いを尊重して、適度な沈黙が持てる、沈黙が許される環境の方が、心地のいいものだと、著者は説かれています。

家族や、仲のいい友人であるほど、会話をしていなくても一緒にいる空間だけで心地がいいように、相手の話しをゆっくりと聞いて、関係を構築することも大切なのかもしれませんね。

まとめ

今回は、コミュニケーションの鍵となる「聞く力」に焦点を当て、仕事もプライベートもよりよい人間関係を実現できる、『うまく「聞ける人」と「聞けていない人」の習慣』をご紹介しました。
日常で実践できる具体例が55項目と、とても丁寧にまとめられている一冊で、このnoteで紹介できた内容はほんの一部のみとなります。ぜひ、本書を手に取っていただければと思います。
1つだけでも、取り入れると、きっと人との会話がもっと楽しくなりますよ。

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本書は、「ツナグ図書館」の活動を通じて、著者様よりご恵贈いただきました。
この場でお礼を申し上げます。
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最後まで読んでいただきありがとうございましたmm

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