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親が知るべき「気持ちを受け入れる」だけでは足りない理由
受け入れるということ
育児書やSNSでよく見かける
「子どもを受け入れる」という言葉。
とても大切な考え方ですが、その意味を誤解している人も少なくありません。
その結果、子どもの言いなりになってしまう親も多いように感じます。
子どものためを思う大きな愛情があるのに、
それが裏目に出てしまうのは、とても残念で悲しいことです。
本当に「受け入れる」とはどういうことなのか
一度考えてみませんか?
子どもの仕事と親の仕事
子どもと親
それぞれには大切な「仕事」があります。
子どもの仕事
感情を表現し、それを相手に伝えること。
子どもが「悲しい」「怒っている」「イヤだ」といった感情を自由に表現することは
健全な成長のために欠かせません。
親の仕事
子どもの感情をしっかり受け止め
その上で行動には適切な境界線を引くこと。
感情を否定せずに認めることで子どもに安心感を与えつつ、
行動に責任を持たせることで、社会性や協調性を育む役割を担っています。
この二つの仕事をバランスよく共存させることが、親子関係を良好に保ちながら子どもを成長させる鍵になります。
「受け入れる」とは、
甘やかすことではない
「受け入れる」とは、子どもの感情を無条件で
認めることですが、
それは「行動を全て許す」という意味では
ありません。
感情は自由であるべきですが、行動にはルールが必要です。
例えば、子どもが「宿題をやりたくない」
と言ったとき、
親が「そう感じるのは自然だよ」と受け止めるのは「受け入れる」ことです。
しかし、
「やりたくないならやらなくていいよ」
と許してしまうのは、
境界線が曖昧な対応です。
こうした対応が続くと、子どもは次第に「どこまでがOKで、どこからがダメなのか」分からなくなり、不安を感じるようになります。
境界線を引くことで
安心感が生まれる
「境界線を引いたら、子どもが自分から離れていってしまうのでは?」と不安になる親もいるかもしれません。
しかし、実はその逆です。
境界線を引くことで、子どもは「親は私を見守ってくれている」と感じ、
安心感を持つことができます。
境界線がないと、子どもは「何が正しいのか分からない」「親は自分を見てくれていない」と
不安に感じ、
親子関係が不安定になる可能性があります。
親がしっかりと境界線を引き、
「ここまではOK」「ここからはダメ」と
教えてあげることで、
子どもは安心して自分の感情を表現しつつ、
行動に責任を持つことができるように
なります。
正しいことを教えることが大切
境界線を引くことは、単に「ダメ」と言うことではありません。
親が「正しいこと」を教えることで、子どもは自信を持って行動できるようになります。
例えば、友達とケンカをして「叩きたい!」と怒りを表現する子どもに対し、
「怒る気持ちは自然だよ」
と感情を受け入れつつ、
「でも、叩くのはダメだよ。どうしたら気持ちを伝えられるかな?」
と行動に境界線を引き、正しい方向に
導いてあげることが重要です。
子どもと親の共存する仕事
子どもの感情を受け入れることと、
行動に境界線を引くこと。
この2つを両立させることが、本当の意味での「受け入れる」子育てです。
子どもが感情を自由に表現できることで、
安心感と自己肯定感を育みます。
そして、
行動にルールを示すことで、
社会性や協調性を学ぶことができます。
「受け入れる」という言葉の本質を
もう一度見直し、
親子でそれぞれの「仕事」を
大切にしていきましょう。
それが、
子どもが健やかに成長するための
方法です。