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メカジキでモシャーメを作った話

以前、マグロの生ハムを手探りで作った話を書きましたら、「note編集部おすすめマガジン」と「#フード 記事まとめ」の両方でご紹介頂き、多くの方に読んで頂けました。
ありがとうございます!

この記事へのコメントに、イタリアの食文化に精通する陶芸家の吾妻珠美さんが、「これはモシャーメですよ」と教えて下さいました。
珠美さん、ありがとうございます!

さらに、塩梅かもめさんからは「スペインではモハマです」と更なる知見が加えられ「note素晴らしい!ブラボー!」となりました。

かもめさん、ありがとうございます!

そんなこんなで、自分で作ったものの正体がわからなかったシロモノが、名前を得ていよいよ輝き出した次第です。

さらに、当時のターブルユニークのメニューリストが出てきまして、お店では「マグロのブレザオーラ」と書かれていました。
ブレザオーラ(ブレザオラ)とは、Wikipediaによると塩漬けした肉製品で、円柱形または平行六面体をした生ハムの一種だそうです。
確かに円柱形でした。

マグロで出来るならカジキでもいけるよね?と、頂いたメカジキのブロックを仕込んだのが昨年末のこと。
では、手順をご覧下さい。

まずは、重さを計る

塩分量や乾燥度合いを判断するため、最初の重さを計ります。

ほぼ1kgですね。

塩漬けする

これを、塩釜か!というくらいの量の塩で塩漬けします。
全体が塩に覆われるのが目安です。

このまま冷蔵庫で1週間〜10日程度塩漬けします。
途中、どんどん水分が出て来るので、溶けきらない塩が残るように水分だけを切って戻す、を繰り返します。

20%くらいの水分が抜けました。

塩抜きする

もうこれ以上水分が出なくなったかな?という頃合いを見計らって、塩を洗い流し、真水に浸けて3〜5日程度塩抜きします。
毎日水を換えます。

4日間の塩抜きで10%水分が戻りました。

乾燥させる

塩抜きが済んだら乾燥です。
常温での屋外乾燥はリスクが高いので(気温の変化や天候、空気中のほこりなど)冷蔵庫の中で乾燥させます。
(写真を撮り忘れました)

3週間ほど乾燥させると、表面に塩吹き出て結晶化し、キラキラし始めます。

68%まで水分が抜けました。
今回はここまでで食べちゃいますが、もっとカッチカチに乾燥させてカラスミみたいにガリガリ削って調味料代わりに使うのもアリですね。

スライスするとこんな感じです。

外側に皮1枚ある状態なのできれいにうすーくスライスするのはなかなか難しいですね。
良く切れる包丁が必要です。

カワハギ会に来てくれた友人にお裾分けしたら、早速柿と合わせたと教えてくれました。

かなり塩気が強いので(塩抜きが甘かったようです)普通の生ハムみたいに果物やフレッシュチーズと合わせるのもいいですね。

パスタやサンドイッチ、タルティーヌにもおすすめです。

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古谷 真知子:家庭料理のコンシェルジュ
試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!