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鱧を1本、丸ごと食べ尽くす!

毎年この時期になると、友達をお誘いして鱧を食べ尽くす会を開催しています。

お店で食べると少々お高くつく鱧を、家ならお手頃に食べられるのと、私が鱧を捌く練習にとお付き合い頂いています。

お店と比べてお手頃とは言え、鱧なんぞやはり高級魚。どう頑張っても年に1〜2回しか買えません…
しかし、せっかく習ったのにやらなければ忘れてしまい、それももったいない…

そんな理由で毎年恒例となった5回目の鱧会の様子をご紹介致します。

今回のゲストは…

例年SNSで知り合ったお料理好き、魚好きのメンバーにお声かけしているのですが、今年はコロナのこともあり、去年からリクエストしてくれていた高校の同級生と近所の友達と少人数での開催としました。

※自分で捌いているので調理中の写真が無くてすみません…

お品書

では早速お料理を紹介しますね。

・ぼたん鱧
鱧といえば!の、湯引きして梅肉を添えたものです。「ぼたん鱧」の他「湯引き」「落とし」など呼び方は様々です。片栗粉や葛粉をはたいたものは「葛叩き」と呼んだりもします。

・蓴菜と鱧のお吸い物
鱧のお碗は色がキレイなので緑色のものを合わせる事が多いようです。師匠に習った時は加賀太キュウリを合わせていました。
ちょうどじゅんさいの旬なので用意したのですが、国産が手に入らず…

・有馬煮
有馬温泉で有名な兵庫県の有馬町辺りは山椒の産地でもあるため、山椒を使った煮物を有馬煮といいます。山椒の爽やかな刺激と風味が鱧とよく合います。

・鱧しゃぶ
土鍋に張った鱧出汁でしゃぶしゃぶしてぽん酢で。プリッとした食感が楽しめます。

・鱧鍋
しゃぶしゃぶと同じ鱧出汁に、新玉ねぎと三つ葉をたっぷり入れて骨切りした一口大の鱧を入れてぽん酢で。こちらはそれなりに火を通すので、ほろほろと柔らかい繊細な舌触りです。

・鱧飯
鱧出汁と、骨切りした時の端肉を炊き込みました。新鮮な鱧なので塩だけで。実山椒が良い仕事してくれます。炊き込みご飯ではかなり上位に入る美味しさです。

・鱧雑炊
鱧鍋の後のお楽しみ。鱧飯を残しておいて、雑炊に。贅沢過ぎる雑炊です!

・焼き鱧棒寿司
今回から登場の新メニュー。直前に瓢亭さんの焼き鱧寿司を見てしまい、うわぁぁぁぁ食べたいぃぃ、となり写真だけでなんとなく再現してみました。もちろん瓢亭さんの焼き鱧寿司には足元にも及びませんが、たまには鱧を焼くのもいいなと思いました。

・鱧フライ
鱧の食べ方で1番好きなフライ。サックサクの衣に包まれたふわっふわの鱧の身が最高に美味しいです。

・鱧子の塩辛
・白子ぽん酢
・鱧笛の湯引き
・胃袋の湯引き
・肝刺し

恒例の珍味セットです。骨切り済みの鱧の身を買って来てもいいのですが、自分で捌ければワタも美味しく食べられます。鱧子は魚卵の中でも5本の指に入ります。

・鱧子の煮付け
今回は加熱用に別売りしていた鱧子も購入してあったので、煮付けも作りました。こちらも今回からの新メニューです。

・骨せんべい
・鱧でんぶ

当日は余裕が無くて作れませんでしたが、出汁を煮出した後の頭や中骨の周りの身を丁寧にほぐしてでんぶを作り、残った中骨をパリッパリに揚げて骨せんべいに。
でんぶはお弁当やご飯のお供に最高です!

全17品、良く作り、良く食べ尽くしました!
捨てたのは、エラ、腸、血ワタ、煮出して身をむしった後の頭の骨、だけでした。

「あー、鱧しか食べてないのにお腹いっぱい!」

なんて、鱧好きが聞いたら殴られそうなことをつい言ってしまいました。実際、鱧以外の食材は鍋の新玉ねぎと三つ葉、お碗の蓴菜、米くらいなんです。

…と、これだけたくさん作っていますが、実は調理自体はどれも簡単なものばかりなんです。
使っている素材を捌くのが難しいだけで…

ちょっと大きなお魚屋さんやデパ地下の魚屋さんなら骨切りした鱧を売っているので、もし見かけたらまずはフライを!

お好きな方は落としやお碗も良いですが、ご家族でしたら鱧飯や鱧鍋もおすすめです。

7月に入ると例年京都の祇園祭で鱧需要が暴騰するため価格が跳ね上がるそうなのですが、今年はコロナの影響もあり、そこまででは無いかも知れませんので、関東で鱧を食べるなら今年はチャンスかも!

旬の味覚、ぜひお楽しみ下さい。

※それと、誤解がないように追記しておきますが、私のしているこういった「食べ尽くし」はご家庭ならではのお魚の楽しみ方です。
お店では、技術的にはもちろん簡単ですが、手間がかかったり、採算が合わないためやらないだけですので、お店に無理を言うのはご遠慮下さい。

試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!