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発見! タティングレースを「リヴァース(裏返し)」せずに編む方法
こんにちは! レース編みが好きで、マクラメもタティングもやりたい欲張りな owarimao です。
3週間ほど前、下のような記事を書いたところ、意外なほど多くの反応がありました。
「タティングレースに興味はあるけど、難しそう」「シャトルで挫折した」という方は少なくないようです。「ニードルタティング」はそんな方におすすめできます。シャトルよりは明らかに習得しやすいからです。
私自身もニードルタティングを始めて日が浅いですが、先週は、マクラメとニードルタティングを組み合わせたドイリーをなんとか作り上げました。
そして下の写真で右端に写っている、菱形の小さなモティーフ。前にご紹介したニードルタティングの本を見て編みました。
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ニードルタティングレース』より
(今泉煕美著、日本ヴォーグ社、2024)
今回は、このモティーフを並べてドイリーにしようという計画です。まずは試作……
小さくてシンプルで一見簡単そうだけど、実際に作るとなるとなかなかきれいにできません。本番に入る前に、3つくらい編んで練習しました。
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この菱形を隙間なく並べると、五角形の星型ができます。でもそれだけだと、ばらばらの物を寄せ集めた感じになりそう。そうじゃなくて、全体の「まとまり感」が欲しいんです。
モティーフを5枚ではなく6枚並べ、中心の空いたところに、放射状の線を作ることにします。外側にも短い突起をつけて、直線がモティーフを貫いている感じを狙います。
試作した現物を方眼紙の上に置いて型取り、コンパスで製図の真似事をして、6枚並べた場合をシミュレーションします。
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一部だけ描いてから鏡を当てて、全体のバランスをチェック。華やかさを増すために、外回りにピコットを追加してみます。モティーフとモティーフの間に隙間ができるので、長さの違うピコットで3箇所ずつつなぐことになります。このピコットをちょうどいい長さに作れるかどうかが、一つのカギになりそうです。
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ところで今回のタイトル
「発見! タティングレースを一度も 『裏返さず』 に編む方法」
を見て、多くの方は「 ? 」と思われたことでしょう。
前回の記事にも書いたとおり、マクラメの結び方の一つに「タティング結び」というのがあります。下の絵のように、右向きと左向きの区別があります。
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これらは左右が反転しているだけで、実質的には同じ結び方だと言えます。結び糸を引きしめると、芯糸の上に下の絵のような結び目がきれいに並びます。
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芯糸を引っ張ると、下の絵のように湾曲します。芯糸を輪っかにしておけば「リング」ができます。タティングレースの優美な曲線はこうして作られているわけです。
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ところでマクラメの本には「右タティング」と「左タティング」の両方が載っています。でもタティングの本には、「左」に相当する結び方しか載っていません。どの本を見てもそうなのです。
なぜ? なぜタティングの世界には「右タティング」がないの?
「左タティング」をすると、左にふくらんだ曲線ができます。下の絵では赤で描いた部分がそうです。リングとリングをつなぐ曲線は「ブリッジ」とか「チェイン(チェーン)」とか呼ばれます。
下の絵ではブリッジは、リングとは逆向きのカーブになりますよね。右にふくらんだカーブを、どうやって左タティングで作るのでしょう?
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本に書いてある指示はこうです。「編地を裏返す」
この指示に従うなら、リングとブリッジを交互に作る場合、そのつど編地をひっくり返すことになります。
これはわずらわしい!
問題① 長い糸がついた編地を何度もひっくり返していると、どうしても絡まりがち。
問題② いまどこを編んでいるのかわかりにくくなる。
問題③ 表と裏は似ているので、間違えているのではないかと心配になる。
問題④ 裏側から編むときは裏目から編む必要がある(表から見ると表目に見えるように)。
さてここまで来れば、私の言いたいことはもうおわかりですね。
タティングの世界でも「右タティング」をすればいいんじゃない?
実際にやってみました。左利きになったつもりで、左右を反転させてみます。一般とは逆に「左手に針、右手に糸」を持ち、イラストをよく見て、右タティングと同じになるように糸をねじればいいのです。
なんだ、できるじゃない!
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もちろん最初のうちはまごつきます。でも少し練習すれば、何の問題もなく「右タティング」ができることがわかりました。
これでブリッジを編むときも、編地を裏返す必要がありません。ずっと表だけ見て編めばいいので、だいぶラクになります。下の写真でいえば、水色になっているところは「右タティング」で編みました。
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だいぶはかどって、完成間近です。このドイリーではもう一つ、マクラメの手法を取り入れた部分があります。それはこの先端の部分。
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これについてはまた来週書きたいと思います。