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「絹穴糸」で編んだドイリー
こんにちは! 先日2度にわたって「過去の大作」を見ていただきました。これらの編み方は、どちらも同じ本に載っていました。実家にあった古い本で、とても大切にしています。
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昭和39(1964)年4月号付録
『美しいレース編』
状態が良いように見えますが、実はこれはネット古書店を通じて買い直したもの。実家から持ってきた本はもうぼろぼろで、表紙も裏表紙も失われてしまっているのです。買い直して初めて「こんな表紙だったんだ!」と軽く驚きました。
この本からは、ほかにもいろいろ編みました。下の写真は本に載っていたものです。
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これを自分で編んでみたものがこちら。ネット編みは省略して、モティーフの数を増やしてみました。
「原作」ではすべてのモティーフの角にピコットをつけて、ピコット同士をつなぐことになっています。下の作品では、外回りの、ほかのモティーフとつながない部分ではピコットを省きました。そうすることで「途中で編むのをやめた」みたいな感じが消えて、作品に「完結」感が出ると思ったからです。
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この花モティーフ、素直な感じですてきじゃないですか?
上の写真は自分のスマホで撮ったものですが、素材の柔らかさを表現できたところが気に入っています。実はこれ、シルクの糸で編んでいるんですよ。「穴糸」といって、ボタン穴かがりなどに使われる太めの絹糸です。
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レース針8号で編むのにちょうどよい太さでした。正絹だけあって手触りや光沢は最高。ただし、どうしてもお値段はそれなりになってしまいます。
1巻だけ買うならそんなに「高価」と思わないけれど、ごらんのとおり少量(20m)なので。確か1巻で、モティーフ2枚ちょっとくらいしか編めなかったと記憶しています。全部で19枚つないでいますから……。
今回この記事を書くにあたって今の値段を調べてみたら、おぼろげな記憶より明らかに高くなっているので驚きました。まあそういう時代で、仕方がないですよね。
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そんなわけで「絹穴糸」を編むことは、一度きりでやめてしまいました。でもタティングレースだったら、もっと糸の量が少なくて済むからいいかも。
そう思って調べてみたら、実際にタティングに使う方もおられるようです。あと「加賀指ぬき」なんかにも。
小さな作品で、一度お試しください。