Vol.4 マネジメント×クリエイティブ×「マイ・ディナー作戦」
「ディナー作戦」という言葉が気に入っている。
“Dinner Out”という言葉自体は「外食」という意味だが、スパイ用語で「外部から必要なものを取り寄せる」ということ。私の理解はマネジメントにおいて、『信頼する相手が窮地に陥っているときに、自らの最上のものを呈して相手を救うためのクリエイティブな行為提供』を「ディナー作戦」と名づけている。
1)マネジメント/仕事の合間の誕生日プレゼント
CIA作戦会議室での物語。
ネイサン・ミュアー(ロバートレッドフォード)は、誕生日にトム・ビショップ(ブラピ)からウィスキー・スキットルをプレゼントされる。「中東で、どうやって手に入れたのか?」という笑顔のミュアーの質問に、ビショップは「(スパイの)特権を利用してロンドンから手に入れた」と。「ディナー作戦だな、覚えておこう」というこの映画の象徴的な会話がある。
伝説的CIA工作員ミュアーと、かつては師弟関係にあり暗殺者としてスカウトされたビショップ。その彼が中国・蘇州刑務所に投獄された。CIA中国担当部署が極秘にすすめていたロデオ作戦(盗聴作戦)の最中、後輩幹部からは、退職の人に対する扱いを感じながら作戦室に缶詰になるミュアー。ビショップが処刑されるまでの時間は24時間。その缶詰状態の中で、クリエイティブ力を多用し前代未聞の救出作戦遂行に挑む。
2)クリエイティブ/ぶどうの房のように戦術を繰り出す
物語は、ミュアー退職の日の朝に起きたビショップ監禁の知らせから始まる。
ミュアーからの過去の教えに背き、任務ではなく愛する人を助けるために身を挺して行ったビショップの救助作戦。しかし、過去を辿るとビショップが愛した女性をミュアー自身が仕組んだ指示で、その彼女が中国側に収監されたことを思い出す。
ビショップは表に出ない暗殺要員。しかし、人として愛する人との道を貫くべく、身を捨てた単独行動でその女性の救出に向かう。しかし、失敗して、捉えられ拷問を受ける。
ミュアーは、缶詰状態の中で様々なクリエイティブ力=戦術を駆使する。その模様は、ぜひ、映画「スパイ・ゲーム」で体感してください。最後のシーンが泣ける。自分が一生をかけて貯めた余生のためのお金を、志を同じくし、国を護るために生きた仲間を救うために費やす。
CIA作戦室の関係者の面前で、ミュアーが奥さんからの退職を祝う夕食会のふりをして、現地の司令官に「ディナー作戦開始!」と言うシーンは何度観ても心が震える。
3)「マイ・ディナー作戦」/自分なりのクリエイティブ力を養おう!
脳力開発で、戦術を「千術」と書く場合がある。その例えにはエジソンや多くの方々の名言もある。私の場合、脳力開発に出会う前は、このような名言など、知識やスキルとして「知っている」という程度で、それを日常の行動と結びつけることは意識しなかった。つまり、無意識だったということが正直なところで、日常の仕事の中で活かされない。したがって、「失敗」が多くなる。クリエイティブ力を駆使する「ディナー作戦」とは程遠い。
◆自分の戦略と戦術とは?
noteのテーマを、「サステナビリティ経営」人財戦略※としたと、初回に書かせていただいたが、まず、この「戦略」を解かなければならない。
・戦略とは、目的、目標、ゴール、方針、理念、夢、希望、ロマン、志のようなもの。
・戦術は、戦略を達成するための方法、手段、やり方。戦術は千術ある。
脳力開発の生みの親、故・城野 宏先生がまとめた「脳力開発11カ条」と検索すると、様々な方々が解説しているので、それらを読み、まずは概要を理解していただきたい。次に、脳力開発は行動学であるから、行動で学んでいただきたい。私も行動で学ばせていただき、35年程になる。戦略は言わば、玉ねぎの「芯」であり、物事の「本質」と理解している。戦術とは玉ねぎの皮と葉をむく戦術=クリエイティブ力である。
人生において、「マイ・ディナー作戦」を縦横無尽に駆使したいと心している。
※「サステナビリティ経営」人財戦略について