手続きまとめ【夫婦別姓】 事実婚夫婦に子供が生まれたら
2021年6月から夫婦別姓事実婚の夫婦として暮らしている私たち…
おかげさまで第一子を授かりまして、2022年6月に誕生しました。
子供が生まれてからも、夫婦別姓を継続しています!!!
このnoteでは「夫婦別姓 事実婚夫婦に子供が生まれたら」という話、および具体的な手続きについて書いていきたいと思います。
もしあなたが
というのなら このnoteは 役に立つのではないかと思います。
子供の前に・・・
について知りたいあなたは、先に こちらのnoteをご覧ください ↓
それでは、いきます!
何もしないとどうなるか
なんの手続きもしなければ、父親は 不明(!)
子は母親の戸籍に入り、姓も母親、親権者も母親、という、シングルマザーに似た状況になります。
母:應武茉里依
子:應武とらきち(仮名)
父:日下秀之 とは あくまで他人。
何もしなければ、父と子の間には、法的な父子関係は発生しません。
なんの手続きが必要? 観点は3つ
以下の3つの観点で、必要な手続きが変わってきます。
①父と子に法的な父子関係を発生させるか
②子の戸籍(≒ 氏)をどうするか
③子の親権をどうするか
①【認知】 法的な父子関係を発生させるか
「認知」とは、「この子の親は自分だ」と認めること。母親は出産するので自動で法的な親認定されますが、未婚の場合、父が誰だかわかりません。何もしないと、子の戸籍上は「父親不明」のままですし、相続権や、扶養・養育の義務も発生しなくなってしまいます。
なので、「認知」の手続きは 迷うことなく行うことをお勧めします。
具体的には父が、妊娠中もしくは出生後に役所に「認知届」を提出。
タイミングはどちらでも構いませんが、個人的には「妊娠中」に行う(=胎児認知)がお勧めです!理由は後述。
受理されると、父親と その子との間に法律上で父子関係が発生します。
(ちなみに、この認知は「DNA鑑定で他人の子どもだと判明した」とかじゃないと取り消しができません)
②【戸籍および氏】 避けられない親子別姓
要は、名字どうするか問題。
子が生まれたら、子供に父/母、どちらの名字を名乗らせるかを決めなければなりません。
つまり「父母のどちらかとは必ず親子別姓になる」ということ。
これは避けられない事実で、夫婦別姓反対派の人がよく取り上げる論点でもあります。(例「家族の絆が〜」や「いじめられるのでは〜」など)
現に 私自身、家族(母 & 姉) の中で唯一、私だけが違う苗字で育ちました。
が、家族の絆が損なわれていると感じたことは一度もありませんし、母と姓が違うことで「いじめられた」という経験もありません。
そういう発想こそが、差別意識の表れなのでは…と個人的には 思ったり。
そもそも、みんな どちらかの祖父母とは確実に苗字が違うわけですし、気にしなくて良いかなぁと私は思っています。あくまで私は、ですが。
③【親権】 事実婚では共同親権を持てない
事実婚では、共同親権を持てません。
法律婚の夫婦の間に生まれた子どもの場合、その子の親権は父母双方が持つことになります。(=共同親権) しかし、事実婚の場合はどちらか一方しか親権を持つことが出来ません。(=単独親権)
離婚の際には「親権争い」等、よく耳にしますが、夫婦別姓の夫婦が相手を信頼している限りは、親権について さほどこだわる必要はないのでは?と、個人的には考えています。
なぜなら 親権を持っていなくても親子は親子。
認知さえすれば互いに扶養・養育の義務はありますし、相続人にもなります。親権がないことで親子の縁が切れる訳でもありません。
単独親権で困ることといえば、「親権者同意書」の欄に片方の親の名前しか書けないとか、「親権者同伴」の時に 片方の親しか対応できない、とかです。
とはいえ、我が子は もうすぐ1歳になりますが 保育園や病院では そんな厳密さが求められることはなく、そもそも「◯◯くんのお母さん」とかでしか呼ばれないので、私の名字について言及するタイミングがありません。
じゃぁ厳密さが求められるときってどんな時?と言うと、、、
・裁判所に何か申請するとき
・パスポートの発行するとき
・銀行口座をつくるとき
などですかね。日常的に、頻繁に あることではありません。
つまり、そのときだけ親権者が対応すれば なんとかなることかなぁと思います。
生まれる子供は、以下の6パターン
以上3つの観点で考えたときに、考えられる選択肢は、以下の6パターン。
②、⑤を選択される方が多い印象です。
軽く解説すると…
①は、先述した「何もしない」パターン。
父:不明
母:應武茉里依
子:應武とらきち(仮名) 親権者:母
戸籍に「父親不明」が残り続けますし、そのあとの手続きや養育のことを考えても①のまま放置するのは お勧めしません…
②は、子の氏も親権も、母にするパターン。
父:日下秀之
母:應武茉里依
子:應武とらきち(仮名) 親権者:母
妊娠中もしくは出生後に「認知届」を出すだけで完了。
夫と子の氏が異なっていてもOK という場合は、このパターンにするのが一番良いかと思います。なんてったって、手続きが楽。
(なお 夫はよくても、義実家がどう思うかはまた別の話。義実家に 伝えるのは ちょっと勇気がいるかも、です。)
③は、子の氏は母に、親権は父におくパターン
父:日下秀之
母:應武茉里依
子:應武とらきち(仮名) 親権者:父
親権届を役所に出すだけで済むので手続きは簡単。
ただ、後述しますが 個人的には「氏」と「親権」は同じ方が良いのでは…と考えています。
④は、子の氏は父に、親権は母のパターン
父:日下秀之
母:應武茉里依
子:日下とらきち(仮名) 親権者:母
私が育ったのは このパターンでした。ただ③と同様、後述しますが 個人的には「氏」と「親権」は同じ方がいいかな…と思っています。
また「親権は母のまま、子の氏を父にしたい」という申請は、家庭裁判所の許可がおりない可能性もあります。
⑤は、子の氏も、親権も父にうつすパターン
父:日下秀之
母:應武茉里依
子:日下とらきち(仮名) 親権者:父
子の氏を父の方にしたい場合は こちらがおすすめ。先に親権届で親権を父にうつします。そうすることで家庭裁判所の「子の氏の変更許可」の申請が通りやすくなります。親権を持たない母が何かしらの手続きを行う際には、委任状必須。代理人が不可の場合は、母は何もできません。父、頑張って。
⑥は、⑤と結果は同じになりますが、手続きの方法が異なるパターン
父:日下秀之
母:應武茉里依
子:日下とらきち(仮名) 親権者:父
「養子」という形で、父の子とみなすパターンです。養子にすると、子供の氏および親権が 自動的に父に移行します。実親ではあるものの、戸籍に「養子」という文言が入ることは避けられません。
結局、どれにした? 日下&應武家の場合
我が家はこのパターンにすることにしました。
理由は、主に以下の5つ
① 自分が「應武」であれば良い
一番最初に思ったのは、私が「應武」であれば 子はどちらでもいいな、ということ。26年間「應武茉里依」として生きてきて、自分の名前は私のアイデンティティにもなっており、今後も大切にしていきたいという気持ちが強くあります。
反面、子供に関しては「應武」であろうと、「日下」であろうと、かわいい我が子であることには変わりないなと思いました。
② 「應武」は、ちょっと めんどい(笑)
「應武」という名字、岡山の武士の子孫でして 全国に30人くらいしかいないレアな苗字なのですが、まぁ 読んでもらえないわけです。笑
いつまで経っても小学校で習わないし、画数もやたら多い。電話でどんなに頑張って「おうたけ」と伝えても「おおたけ」になるし… 印鑑を忘れた時も咄嗟に100均で解決できない。まぁ厄介な苗字なわけです。
その変わりインパクトはあるので、私のように独自性を大切にしたいという人にはおすすめ。笑 しかし目立つので 我が子の性格次第ではイカつすぎるかも?と考えたり。笑
「日下(くさか)」のほうが小学校で漢字 習うし、画数も少ないし、イカつくないし、聞き間違えられることも少ないだろうな、なんてことを思いました。
③ 「日下家」の孫に
夫婦別姓にしたい、という話を最初にした時、義父はこう言いました。
「日下の息子には日下を名乗って生きていってほしい。だから息子が異なる姓を名乗るというのは抵抗がある。けれど お互いの姓を維持する事実婚については あなたたちが望むなら」
それから1年。あらためて話題を振ったわけではないのですが、私は勝手に「息子だけでなく孫も 日下を名乗った方が嬉しいのでは…?」と思いました。
私にこだわりがない以上、喜ぶ人が多い方がいいですし、正直 義両親には「夫婦別姓でありたい」というワガママを認めてもらっている感覚もあります。なので 子どもの姓を夫の「日下」姓にすることで 今後の関係が円滑になるなら…という下心も ありました。
④「夫」と「夫の家族」が好きだから
私が今まで出会った中で 一番素敵だな と思う家族が 日下家でした。(詳しくはnote 私が子供の頃 ほしかった「家族」 で)
我が子も「日下」として生きていくことで、そうなれたらいいな、なんて気持ちもあります。(まぁ姓によって 家族の絆が構築されることはないんですけどね)
自分は「應武」のままでいたいけれど、子どもには 大好きな夫と、憧れている家族の姓を名乗ってもらった方が なんだか 良いなと思ったのです。
たぶん何言ってるかわからないと思います。私も書いててわからなくなりました。笑 また いい表現が浮かんだら追記します。
⑤経験上、「戸籍」と「親権」は同じ方がいい
以上の4つの理由から「戸籍」は日下にしよう、と決めた私たちですが、次に「親権」をどうするかという問題が浮上しました。
私自身、15歳の頃 両親が離婚して
戸籍:父
親権:母
という環境で育ってきました。
こちらのnote 私は10年間、親子別姓で生きてきた で詳しく書いているのですが、「戸籍」と「親権」が別だと 以下のような些細な障害がありました。
「この人との関係性は?」と聞かれるストレス
学校に保護者同意書を出さないといけない時、親権者と姓が違うと たまに「この人との関係性は?」と聞かれることがありました。その度に説明しなければならないのが少し面倒でしたし、尋ねられるたびに「他の人と違う」ということを実感しました。
幸い15歳ということもあって 事情を説明できたので強くマイナスな影響を受けることはありませんでした。(そもそも「戸籍を父に残す」ということも、私が望んだことでした)が、うまく説明できない幼少期であれば不必要な「後ろめたさ」のようなものを感じていても おかしくなかったのでは…と思ったりします。
手続きにかかる時間とお金が 他の人より多い
未成年でパスポート申請をした時、親権者の同意が必要で母に署名をしてもらったのですが、姓が異なるため「この人との関係性を証明する書類を追加で提出してください」と言われ、泣く泣く出直すハメになりました。パスポートセンターへの往復と戸籍謄本の請求に、時間とお金が余分にかかることになりました。インターネットで検索して出てくる情報よりも余分に書類が必要になることが よくありました。(事前確認の習慣がつきます。笑)
以上の理由から「戸籍」と「親権」は一緒にした方がいいな という感覚があり、私たちは「戸籍」と「親権」のどちらも 夫にすることにしました。
2023年6月現在、子どもが生まれて1年たちましたが、母である私が「戸籍」と「親権」のどちらもを持っていないことで、困ったことは 今のところ一度もありません。(前述したように、保育園や病院では「◯◯くんのお母さん」としか 呼ばれません。笑)
というわけで、お待たせしました。
ここまでが「どうなるの?編」。
次の章からは「手続き編」。
妊娠から出産後の手続きまで、時系列で紹介していきたいと思います。
先にまとめると
・戸籍・親権が「母」の場合は、認知届と病院確認くらいなので比較的シンプル。
・戸籍・親権が「父」の場合は、以下のようにやることが増えます。
とはいえ、法律婚の場合に片方がやらねばならない、銀行口座や免許証、パスポート、クレジットカード等の名義変更に比べたら全然楽だと思います…!
では、早速説明していきます。
00_不妊治療の保険適用は 事実婚でもOK!
2022年4月から、不妊治療が保険適用されることになりました! しかも、事実婚も対象!
ちょっと前までは「不妊治療の助成金のためには 入籍せざるを得ない」という状況でしたが、今は事実婚のまま治療をすることが可能です。
01_母子手帳をもらいにいこう
妊娠したら心拍が確認できたくらいのタイミング(8週とか)で、母子手帳をもらいにいきます。私は大阪市北区役所にもらいにいきました。
その際、紙に諸々記載していくのですが、[ 結婚/未婚 ] [ 入籍予定あり(いつ頃)/なし ] を記載する項目が ありました。
私たちは [ 未婚 ]で、[ 入籍予定なし ] に◯をしたわけですが、保健師さんに 案の定 事情を聞かれました。
「夫婦別姓 事実婚です」と伝えると『そうなんですね〜』と、それ以上 聞かれることなくスムーズに終わりました。
自治体によって対応は異なるかと思いますが、胸張っていきましょう…!
02_胎児のうちに「認知」しよう
先述した、父が「この子の親は自分です」と認めることで法的な父子関係を発生させるための手続きです。
[ 妊娠中/出生後 ] どちらのタイミングでも可能ですが、「妊娠中」に認知することをおすすめします。
理由は
① 出産までの間に万が一 夫が亡くなった場合、子の戸籍は一生「父親不明」のまま
② 出産までの間に万が一 夫が亡くなった場合、遺産相続権が発生しない
③ 出生届の父親の欄に、夫の名前を書けない
詳細は 以下URLがわかりやすいかと思います。
https://best-legal.jp/illegitimate-child-apperception-5792/
胎児認知の場合、届出先は、母の本籍地。
手続きについて問い合わせしたところ以下のように返ってきました。
実際に提出した書類は以下(日付と宛名はこの後追記しています)
そのほか必要な書類については 自治体に事前にご確認ください。
郵送して1週間足らずで、以下のような書類が届きました。これは 自治体によるのかな、と思います。
_
03_病院選びは、ちょっと注意
分娩先について、私たちは「立ち会い出産ができること」を前提に探していたのですが、病院によっては「立ち会いは戸籍上の御主人のみ」と制限してるところもありました。
立ち会いのほか、緊急手術の同意や医師からの説明などが 事実婚の夫でも可能かどうか、病院によってスタンスが分かれるので、事前に確認することをおすすめします。
04_手続きスムーズにするために分籍届 (任意)
出生後の手続きについて 教えてもらいに、私たちは大阪市北区役所に2回ほど足を運びました。(とっても親切に教えてくださいました、感謝!)
その中で「子の出生地」と「母の本籍」と「父の本籍」の3つが同じ自治体にあった方が手続きがスムーズ、という情報をもらいました。
どういうことかというと… 同じなら、そのまま そこで処理できるけれど、異なる場合は自治体と自治体との間で郵送でやりとりすることになるので、その分 遅くなる、とのこと。
「親権」と「戸籍」の変更手続きが終わった後は、健康保険証の申請だったり、乳幼児医療費助成だったり、銀行口座の開設などが待っています。
・これらが早くできるに越したことはない
・今後、戸籍を取るときも同じところにできた方がスムーズ
という理由から、私たちは このタイミングで私の本籍を、夫の本籍と同じ住所に移すことにしました。
(ちなみに 法律婚であれば、婚姻届の提出と同時に夫婦の本籍地は同じになります。しかし事実婚の場合は何もしなければ実親の戸籍に入ったまま。結婚当時は 特に必要性を感じていなかったので、私たちは放置していました)
手続きとしては、「分籍届」を提出。提出先について問い合わせたところ、元本籍地、新本籍地、住民登録地、どこでもOKらしいです。
記載内容はこんな感じ。
胎児認知が置いてけぼりになるのを防ぐため、備考欄にその旨 記載しておくと安心です。
これによって夫の実家の住所に
① 義父(筆頭者)、義母、夫、義弟
② 私(筆頭者)
という2つの戸籍が作成されたことになります。
↓ 新しくできた戸籍はこんな感じ
戸籍には胎児認知についての記載はされないので、出生届の提出をする前に新本籍地の役所の窓口で「胎児認知について、旧本籍地から新本籍地に伝達されていますか?」と確認しておくと スムーズです。
05_生まれたら出生届
04までは妊娠中の時間のあるタイミングに行えば良いので余裕がありますが、出生からは 手続きラッシュ。
以下のカレンダーは、「戸籍」と「親権」を夫にうつす場合で、仮に6月1日に誕生、すぐに出生届を提出して、かつ 全てがスムーズにいった場合のスケジュール目安です。
諸々の手続きが終わるまでには 最低1ヶ月はかかります。(この期間、妻は産後で動く体力が全然ないので、夫の協力が必要不可欠!)
なお、「本籍」と「住民票」と「手続きの場所」が同じ市町村であればこのように行きますが、里帰り等で異なる場合は、市町村間の郵送手続きが増えるので、もうちょっと時間がかかります。
※「戸籍」と「親権」を妻に残す場合は、妊娠中の胎児認知届だけで、産後に必要な手続きは法律婚の方と同じなので、この半分くらいの期間で終わるかと思います。
出生届で注意が必要なのはこのあたり
・「非嫡出子」になるということ
・胎児認知をしていなければ、父の欄は空欄
・本籍は母の住所
・届出人は「母」ただし窓口に行く人は誰でもOK
・提出時、口頭で胎児認知をしていることを伝える
「非嫡出子」になるということ
婚姻関係にある夫婦の間に生まれる子は「嫡出子」、そうではない子は「非嫡出子」と呼ばれます。どうしても非嫡出子というと、愛人の子とか、隠し子とかそんなイメージで、昔は遺産相続も不利だったのですが、2013年に民法が改正され不利益を被ることはなくなりました。今はもう「嫡出子」「非嫡出子」は言葉だけの問題なので、あまり気にしなくて良いかなと思います。
胎児認知をしていなければ、父の欄は空欄
先述した「胎児認知」が済んでいなければ 父の欄は空欄にしなければ出生届を受理してもらえません。個人的には父の名前をかけるかどうかって気持ちの面では大きい気がしています。ぜひ、胎児のうちに認知を!
本籍は母の住所
出生後すぐは母の戸籍に入ることになり、現在の戸籍の筆頭者が誰かによって記載内容が異なります。
<すでに母が筆頭者の場合>
・母の本籍と自分の名前を記入
<母が筆頭者ではない場合>
・母の現在の本籍と筆頭者の氏名(多くは父か母)を記入
・「その他欄」に、新しい本籍(母子が入る戸籍)を記入 ※異なる市区町村に新本籍をつくる場合は、戸籍謄本が1通必要
届出人は「母」ただし窓口に行く人は誰でもOK
届出人の欄の記載は、母の住所、本籍、署名、生年月日が必要です。
非嫡出子の場合は胎児認知を行っていたとしても「父」を届出人として記載することはできないとのこと。(どうしても父にしたい場合は、父としてではなく「同居者」としてなら提出可能。だが面倒とのこと)
え、産後のふらふらの体で役所行かないとダメなの!?と一瞬私も驚きましたが、母が書類を記載してさえいれば、窓口に行くのは夫でも両親でもOKとのこと。ただし、不備があった場合、その場で修正ができないので出直しになります。
提出時、口頭で 胎児認知をしていることを伝える
提出時に口頭で「胎児認知をしています」と伝えると 役所の人も手続きがスムーズになるそう。事実確認をしたのち、「その他」欄に職員が その旨記載するとのことです。
それ以外についてはこちらのURLが詳しいです
https://www.city.kuwana.lg.jp/kosekijyumin/kurashi/todokede/shussei-kakikata.html
↓ 以下、実際に提出した出生届
06_親権(管理権)届で「親権」を母から父に
出生届と同時に出します。親権を母のままにする場合は不要。親権を母から父に移動する場合は以下のように記載します。
07_児童手当は 申請後に変更
自治体および所得によりますが月額1.5万円もらえる制度です。出生から15日以内に申請しなければなりません。期限を過ぎてしまうと、1ヶ月分 損することになるので、これだけは 諸々の変更が終わるのを待たずに ひとまず申請し、後日 氏名等の変更手続きをするのが良いかと思います。
住民票があるところに申請をするので、私たちの場合は大阪市。基本的には窓口か郵送での手続きになるかと思いますが、なんと大阪市は マイナンバーがあればWEBで手続きが可能…!(こちらから)
ちなみに… ひとり親家庭に支給される「児童扶養手当」は夫婦別姓事実婚夫婦の場合は対象外。一見、戸籍だけみると ひとり親のように見えるのですが、住民票上は同一世帯なので、生計を共にしていると みなされ、ひとり親の扱いはしてもらえません。
08_父と子の戸籍謄本を請求
次の「09_子の氏の変更許可申立書」で使うことになる戸籍謄本の請求です。
必要なのは
①父の戸籍全部事項証明書(筆頭者は、本人じゃなくてもOK)
②子の戸籍全部事項証明書(母と子の戸籍になります)
「①父の戸籍」は出生前でも取得可能ですが、「②子の戸籍」は出生届および親権届を提出してから、早くても1〜3営業日ほど経たなければ請求することができません。(出生届の提出先、母の本籍、父の本籍が異なる場合は、もう少しかかるかもしれません)
自治体によってはマイナンバーでコンビニで請求できるところもあります(残念ながら 当時 札幌市は窓口もしくは郵送のみでした)
また、事実婚関係にある夫婦が、配偶者(未届)の戸籍謄本を請求する場合は、委任状が必要です。
09_裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立て
裁判所に対して「子どもの名字変更したい」と申請して、許可の紙(=氏変更許可審判書)をもらうための手続きです。
申請から許可の紙が届くまでは、1週間から10日ほど かかります。
10_入籍届で「戸籍」を母から父に
「09_子の氏の変更許可申立書」が無事に済むと、裁判所から「氏変更許可審判書」という紙が自宅に郵送されてくるので、今度はそれを持って役所へGO!
受理された後、早ければ1〜3営業日で以下のように変わります。
ただし、「手続きした場所」と「本籍」と「住民票」の場所が異なる場合は、市町村間の郵送やりとりが追加になるので、1週間から10日ほどかかります。
↓ 戸籍上の表記はこんな感じになります
11_ようやく、子の健康保険証の発行
ここまできて、ようやく子の健康保険証の発行!
もちろん 出生後すぐに申請し、「子の氏の変更」が完了した時点で、氏名変更の手続きを行っても良いのですが、二度手間になるので 私たちは ここまで終わってから申請しました。
ただ注意点として、子の健康保険証の発行が完了し「12_乳幼児医療費助成の申請」が終わるまでは、子どもの医療費は 10割全額 立て替えになります。なので、できるだけ立替を減らしたい場合は、出生後すぐに申請し、後から変更申請をする方が良いかと思います。
発行された子の健康保険証は、このあとの「12_乳幼児医療費助成」で使用します。
12_乳幼児医療費助成の申請
各自治体がやっている「子供の病院費用の一部を助成しますよ」という制度です。各自治体で条件や必要書類等が異なるため事前に確認の上、申請してください。
大阪市の場合は、こちらからWEBで申請が可能です。
自治体によっては期限の目安として「生後1ヶ月以内」と記載があることもあります。ただそれは1ヶ月検診の時に助成を使えるように そう案内しているだけで、児童手当と違い、過ぎたとしても 後から払い戻しが可能です。
【まとめ】結婚だけなら事実婚の方が手続きは楽、子が生まれたら大変
以上!お疲れ様でした。
とても多く感じますが、このうち半分くらいは事実婚関係なく法律婚の場合でも必要な手続きです。
また「戸籍」と「親権」を母のままにするのであれば、必要な手続きは「認知」だけになるので、そこまで負担は大きくないかと思います。
「戸籍」と「親権」を父に移す場合でも 手続きは 役所と裁判所だけで済むので、法律婚の場合の片方に強いられるマイナンバーや免許証、銀行口座、カード等の名義変更に比べると 断然 楽だと思います。
以上、まとめると、、、
結婚の場合は、事実婚の方が楽。
事実婚なら
・住民票を同世帯にする
・事実婚契約書を作成する(任意)
法律婚なら
・婚姻届の提出
・住民票を同世帯にする
・片方が、マイナンバーや免許証、銀行口座、クレジットカードの名義変更
子の出生後の手続きに関しては、
「戸籍」と「親権」を
「母」にする場合、割と楽。
「父」にする場合:ちょっと大変。(法律婚の名義変更より全然マシ)
という結果になるかな、と思います。
とりあえず、委任状を作っておくのが吉
今回私たちは、「戸籍」および「親権」を父に変更、出生後の手続きも父が主に担当を予定しているので、委任状は比較的少なく済みましたが いつどこで必要になるか分かりません。とりあえず たくさん委任状を作っておくと安心かなと思います。
役所で使う委任状サンプル
子供の出生関連の手続きで使う委任状サンプル
最後までご覧いただき、ありがとうございました
このnoteを書き始めたのが、2022年5月28日。
その後、2023年6月6日に加筆修正を行いました。
このnoteでは 自分で調べたり 役所に足を運んで質問した結果をまとめています。が、あくまで私たちの場合、であり、自治体によって対応が違うこともあるかと思います。詳しい手続きについては 本籍地やお住まいの自治体への確認をお願いいたします。
わからんことある、聞きたいことある、ちょっと相談したい
ということがあれば
・Twitter:@mary_trip_trip
・facebook:應武茉里依 outake.mary
までご連絡ください。
困ったことなくても、役にたったら「役に立った!」ってコメントください。私が喜びます。
ただし相談については、素人なので 絶対あってるという保証はないです。
わからんことは わからんって言います。
あと忙しかったら レス忘れちゃうこともあります。
それでもよければ ぜひ...!!!
ps.
現在、2023年11月の行政書士試験に向けて勉強しているので、合格したら 行政書士として もっともっと 他の方をサポートして行けたらと思っております。がんばるぞー!!!
2024年1月31日 追記
令和5年度の行政書士試験に合格しました。事実婚や契約書作成に関する相談があれば お気軽にご連絡ください〜〜〜
https://lit.link/outakemary
2024年9月27日追記
マイナンバーカードの申請前に、住民票の旧姓表記の手続きをすることで、
日下[應武]とらきち
という表記のカードをつくることができます。だからといって何か起きるわけではありませんが、もしご希望あれば ぜひ!私は先にマイナンバーを作ってしまったので切り替えのタイミングを心待ちにしています!
あなたが「あなたの大切にしたいもの」を 大切にできる人生を送れますように。