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沖縄の「辺野古」県民投票 新聞社説を一覧にしてみた

▼沖縄で行われた県民投票について。2019年2月25日付の琉球新報から。

〈辺野古埋め立て反対が72% 沖縄県民投票、52%投じる〉

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る県民投票は24日投開票の結果、辺野古沿岸部の埋め立てに「反対」が72・2%となった。投票率は、住民投票の有効性を測る一つの目安とされる50%を超えて52・48%だった。玉城デニー知事は近く安倍晋三首相とトランプ米大統領に結果を伝達する。県側は民意を踏まえ、改めて移設を断念するよう迫るが、県民投票結果に法的拘束力はなく、政府は推進方針を堅持する見通しだ。「賛成」は19・1%、「どちらでもない」は8・8%。

 反対票は投票資格者の4分の1に達した。投票条例に基づき、玉城氏には結果を尊重する義務が生じた。〉

▼こういう大きなニュースの場合、全国の各紙が社説や論説で取り上げる。その見出しを並べてみよう。

まず県民投票の翌日、2月25日付。琉球新報の2月26日付に、25日付の各紙見出し一覧が載っていた。

朝日新聞 沖縄県民投票 結果に真摯に向きあえ

毎日新聞 「辺野古」反対が多数 もはや埋め立てはやめよ

日本経済新聞 辺野古打開へ国と沖縄は対話の糸口探れ

産経新聞 沖縄県民投票 国は移設を粘り強く説け

東京新聞 辺野古反対 沖縄の思い受け止めよ

北海道新聞 沖縄県民投票 辺野古反対の民意重い

山形新聞 辺野古移設、反対過半数 一度立ち止まるべきだ

信濃毎日新聞 辺野古「反対」 民意の黙殺は許されない

中日新聞 辺野古反対 沖縄の思い受け止めよ

茨城新聞 沖縄県民投票 一度、立ち止まるべきだ

京都新聞 沖縄県民投票 「新基地ノー」が民意だ

中国新聞 沖縄県民投票 民意は明確に示された

徳島新聞 沖縄県民投票 辺野古の工事中断が先決

西日本新聞 沖縄県民投票 示された揺るぎない民意

佐賀新聞 沖縄県民投票で反対過半数 一度、立ち止まるべきだ

宮崎日日新聞 沖縄の県民投票 意識問われるのは「本土」だ

▼そして沖縄の2紙。

琉球新報 県民投票で反対多数 埋め立て直ちに中止せよ

沖縄タイムス [辺野古「反対」7割超]計画断念し代替策探れ

▼次に、翌2月26日付。1日遅れのこの日に論じた新聞も多かった。25日、26日と連日取り上げる新聞もあった。

読売新聞 沖縄県民投票 着実な負担軽減へ混乱回避を

朝日新聞 政権と沖縄 これが民主主義の国か

琉球新報 県民投票無視の政府 民意を矮小化するな

沖縄タイムス [県民投票の後で]「辺野古唯一」を見直せ

河北新報 沖縄県民投票/深まる混迷 国が打開策示せ

岩手日報 辺野古反対の民意 わが事として考えたい

東奥日報 民意の重み 受け止めよ/「辺野古」に反対多数

秋田魁新報 沖縄の県民投票 移設ありき許されない

新潟日報 辺野古反対7割 政府は工事強行をやめよ

神奈川新聞  辺野古「反対」7割 私たちが試されている

北國新聞 沖縄県民投票/国、県それぞれに重い意味

福井新聞 辺野古「反対」7割超沖縄の民意を受け止めよ

山陽新聞 沖縄県民投票 移設ありきでなく対話を

高知新聞 【沖縄「基地ノー」】政府は米国と仕切り直せ

愛媛新聞 沖縄県民投票 辺野古反対の民意 十分伝わった

宮崎日日新聞 辺野古「反対」7割超 民意厳粛に受け止め再考を

熊本日日新聞 「辺野古」県民投票 立ち止まり再考すべきだ

南日本新聞 [沖縄県民投票] 次は国が行動する番だ

▼すべてのブロック紙、県紙をみたわけではない。そのうえで、こうやって並べてみると、おおよその傾向がわかる。

それは、読売新聞と産経新聞が政府側を擁護し、日本経済新聞と北國新聞が「中立」。それ以外が沖縄県側を擁護する論調だ、ということ。

▼大きなニュースの際に、何度か社説を並べてみると、一定のパターンに気づく。読売と産経だけが政府の意向を支持して、それ以外の大多数の新聞が反対し、現実は読売と産経が書いたとおりになる、という傾向だ。

▼今回もその傾向に似ている。しかし、今までと同じ結果になるとは限らない。はたして日本の地方自治体に「自己決定権」はあるのか、という大問題が提起されているからだ。

▼北國新聞は、たいてい読売、産経と似た論調なのだが、今回は「中立」の立場をとった。

(2019年3月1日)














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