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大海明日香
2020年3月29日 19:35
四角い窓を這うようにおちていく雨粒を見て、髪を切らなくちゃと思った、ていねいに分別できなかったゴミとか、点滅する歩行者用の青信号とか、そういうちいさなものに心臓のだいじなところをとられそうになってしまうの馬鹿みたいだけど、道にころがるファストフードのゴミに呪われてしまうより、横断歩道の外のワニに食べられてしまうより、恐ろしいことなんてないと思うの。わたし、たとえばもし君がたばこの吸い殻を道に
2020年3月19日 21:50
こころなんてにんげんがけものだってこと、証明するためだけの、思い知らせるための器官でしかない、凡庸なことを嘲笑わないでくれと泣きついてくるおとこが神様だって知ったとき、わたしたちには、自分をころすかそいつをころすか、それとも愛し合うかしか選択肢がなくって、それなら刺し違えたほうがまし、って、言いたがった喉を心臓は嫌っている。 どこまでも続く二重らせんのすきまをぬって化け物は生
2020年3月11日 21:02
丸くなったおなかの中でちゃぷちゃぷと色水はゆれるちいさな水上都市がふたをするようにざわめくからその水の色をおもうひとびとの感情を拾って満ちるたびに変わるだろうその水の色をおもうきみと向き合っておなかをあけてみせあいっこしたかったそうしてぼくの淡さを知っていてほしかったミネラルウォーターのあぶくよりずっとずっと濁っていてずっとずっと光っているぼくのおなかの中の
2020年3月6日 21:29
まっしろい飲み物を飲んでいるとからだとかこころとか、そういうの、なんとなくしろくなったような気がするから、牛乳を飲むことにした、四角い箱のなかでわたしもちゃぷちゃぷ揺蕩っていたい、いらなくなったらびりびりに破いてしまえたり、平たくぎゅうっと潰してしまえるような、そういう、箱のなかで。 からだをくずしていくシリアルを抱きしめてふたりで死を待つようなそんな退廃と愛以外では濁ってしまいたくな