営業のボケとツッコミを語る王齮
営業の特性は大きくボケとツッコミに分けられます。語彙の違いからツッコミの方が能動的に聞こえますが、あくまでもボケが起点となるので、ツッコミは状況対応型であり、営業活動全体で考えれば受動的な性格と言えます。ボケは能動的で目標志向型。では営業にはボケの方が向いているのでしょうか?
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ところがそうとは言い切れないんですよねェ。営業の3大活動「集客・追客・接客」の内、集客はボケ有利、接客はツッコミ有利だからです。反響自体が少ない商材の場合、集客を能動的に行うボケ型営業が重宝され評価されますが、いざ接客となると様相が変わり、ツッコミ型の方が多くの成果=契約を上げて来ることになりがちです。
なぜか。ボケ型営業の接客は、能動=ボケを「やる気」だと受け止めてくれる寛容なお客様にしか通用しない可能性があるからです。一般的に想像されるツーブロックゴリラ営業がこれです。逆に、相手の性格に合わせて臨機応変に状況対応ができるツッコミ型営業は「相手ありき」で真価を発揮します。ボケが面白くなるかどうかはツッコミ次第。つまりツッコミとは実は「相手を引き立てる」ことなのです。
ではやはりツッコミ型の方が営業に向いているのか?と言えば、そうでもありません。ツッコミ型営業は集客面では斜に構えていて、やる気がないように見える(実際やる気がない者も多い)ことがあるため、実績数字はツッコミ型の方が上がってはいるものの、営業マネジャーが素直に評価しにくい側面があるからです。
マネジメント側からすれば、自分で決め切る力は低いがとにかくお客様を引っ張ってくるボケ型営業の方が、可愛がりやすいし評価してあげたいと思うことでしょう。マネジャーも人間ですから、そう思ってしまうことは仕方がない。一方でマネジャーから見ると、どうしてもツッコミ型に振り切った営業マンは「ボケ型に苦労だけさせて、美味しい所だけ取っている」ように見えてしまう。
もちろん営業組織全体で考えれば、どちらも評価される体制が望ましいのは言うまでもありません。特に不動産業界の場合、今も多くの営業販売会社が契約インセンティブ制度を導入しており、手数料売上という「結果」しか見て来なかったため、ツッコミ型しか評価されて来ませんでした。
しかしこれほど反響が少なくなった昨今、それだけでは立ち行かなくなったことも事実です。反響数や案内数の母数を確保できねば、ツッコミ型の歩留まりが多少良くても数字を賄いきれぬからです。
組織全体の行く末を考えた時、これからの営業マネジャーはボケとツッコミ、どちらのタイプも活かし評価されるよう人事制度や給与体系を変えて行かねばなりません。集客数を重視しすぎれば決定力のあるツッコミ型の離職は免れず、逆に契約実績や売上ばかりを評価する体制では、集客を支えるボケ型人材が早晩持たなくなるからです。
ボケ型が評価されない営業組織は間違いなく尻つぼみになるので、組織の成長は止まります。今、この件で岐路に立たされている営業組織は多いでしょうねェ。営業組織の経営層はボケとツッコミ、どちらのタイプの営業も組織成長に必要な人材だと理解した上で、今の人事給与制度がそぐわぬようなら変えて行くべきです。また制度が変わっても、それを末端の営業まで理解させねば何の意味もありません。
ンフフフフ理解できますかァ?今、多くの営業マネジャーに求められていることは、単に売上を計上することではないということが。今必要なことは、組織の現状を真摯に語り、営業に共に戦うことを求め、納得させ、前を向かせることですよ。どこまで行っても営業マネジャーの仕事は「お客様にしてきた事を部下に出来るかどうか」でしかありませんからねェ…ココココ
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