『蛙化現象』にひとこと言いたい。
『蛙化現象』という言葉がある。
ある日、王子さまのようにきらめいていた憧れの人が蛙のように残念に見えてしまう、という現象だ。
それには、どうやら相応のきっかけがあるらしい。
最も大きなところは『両思いになった途端に冷める』。気になった方は、検索してみるといいかもしれない。話のネタくらいにはなる。
幸いなことに、僕の彼女に言わせれば「別によくない?」ということだった。
僕も同感だけど、蛙化現象で起こっていること自体はわからなくもない。
つまり憧れに手が届いてしまったら、それは憧れじゃなくなるよね、ってことだと思う。
僕が思うに、人ってもともとそんなにキレイなものではない。
「一糸まとわぬ人間はそもそも獣とさほど変わらない」ってamazarashiの曲でも出てくる。
ということは、蛙化現象を嘆く人たちは、人間はもともと蛙なのにそれを美化して、失望するということが起きているのではないか。
その人のことが本当に好きだというのなら、仮に這いつくばって足で跳ねながら隣を歩いていても、好きな気持は変わらないはずだ。
そればかりか、部屋に入ってきた大きなハエを、舌で捕まえて咀嚼している姿にこそ愛情を覚えるべきかもしれない。
喉が膨らんでも、違和感はない。
目覚めたら庭のガラスに張りついていた、なんてことは些細な日常だ。
夜行性で、夜中にゲコゲコとうるさくても、一緒にやってみるくらいの気概を見せるべきだ。
よく見ると、肌が緑色をしているかもしれない。歯がないことに気づくかもしれないし、子供のころはエラ呼吸をしていた、なんて話を聞くかもしれない。
でもそれはその人の個性である。
それがわかったということは、その人のことをより深く知るためのチャンスなのではないだろうか。
だからその個性は尊重してあげるべきだし、受け入れてあげることが、人を好きになるということなのではないだろうか。
ちなみに言っておくと『個性』とはヒロアカの話ではない。梅雨ちゃんはかわいいけれども。