お菓子屋さん大変! 材料高騰はなぜ?
また値上げ
多くの材料がまた大幅に値上げしました。
昨年末には政府が輸入小麦の製粉会社への販売平均価格を19%値上げしたばかりです。
こちらの記事でも触れましたが、
まだまだパティスリーの経営面において、
販売価格には厳しいものがあり、
それを何らかの形で吸収している面があります。
スタッフやオーナーの人件費や労働面、
レシピや使用材料をコンパクト化して棚を軽く、
材料のランクや仕入れ業者の切り替え、
自社生産材料を仕入れ品に切り替え、
二次再生商品の取り組み、
などのクッションに加え投資的な機械の導入や、
受発注・生産/在庫管理・食品表示システムの導入による人件費の削減など。
多くの苦労が想像できます。
もちろん経営なのでそのような努力はやってしかりといった面はあるとは思いますが、そもそもの水準として厳しいラインにあると個人的に業界の中で回りを見て感じています。
今回の値上げの原因は?
・世界的な気候変動、天候不順
気候変動による原料コストの著しい上昇、とのこと。
穀物価格の高騰、油脂・糖類の価格の上昇、
電気やガス、軽油などのエネルギーコストの上昇。
フルーツピューレにおいては本年の収穫(4月~10月)において果実が壊滅的な被害。
ヨーロッパなどで、
果樹の花の時期である4月に霜が直撃して収穫に影響、
赤いベリーは夏の猛暑の影響、
エキゾチックフルーツは台風の直撃。
・新型コロナウィルスの影響
人手不足、港湾停止による商品供給ストップ。
・物流網の混乱による配送コスト
上記に起因し海上輸送運賃が急騰、とのこと。
コンテナや人手の不足、エネルギーコストの上昇の影響など。
それらに加え、新興国の台頭による需要拡大や投機的な絡みが掛け算になっていることも想像できます。
お客様と対峙する販売者
横を見渡し、価格改正のベタータイミングを見計らっている事業者も多いのではないでしょうか。
価格改正によるお客様のあおりを直で対峙するのはもちろん販売者、お店。
卸業者とはBtoB、卸業者による説明責任は卸先のみです。
今回の値上げの原因は世界規模な動きですが、消費者の認知が少ないといえる気がします。
大きな事象であることゆえ、
「消費者の理解」が「この先」に大きな影響を及ぼしますし、逆にそれが一筋の光にもなるのではないか、と感じます。
よく分からず価格が上がれば、買わない、といったアクションに繋がりますが、
状況理解の機会があって、販売者の努力を知り、
「応援姿勢」や「当事者意識」を持てば消費者の購入意思決定は大きく変わるのではないでしょうか。
趣向品であればあるほど、特にそれが言えると思います。
生活や生死にかかわるものであれば値段の高騰を背景にしても、購入のハードルは特段高くなることは無いはずです。
このような等身大の発信が、
小さなクッションの一助になればと願っています。