『のびをした。』
うぅぅ〜ん、ぐぐぐっ〜とのびをした。
のびをしたら あくびがでた。
ふんっと はなからいきならして、
ゆっくりと、まわりをみながら、
たちあがってみる。
すると…、ボクの おはなが、
おいしそうなニオいをかぎつけた。
クンクンクン…、
ひくひくひく…いいニオいだぁ。
クンクン…ひくひく……、
おぉーなんのニオいだぁ。
クンクン…ひくひく…、
スキきなニオいだ。
クンクン…ひくひく…、
おっ!
どうやらコチラのほうから、
ニオってるみたい。
クンクン…ひくひく…こうばしい。
それとアマ〜いニオい。
クンクン…クンクン…、
あっ!
トリニクがクシにささって やかれてる。
やいてるオバちゃんからも、
いいニオい…。
ん? でもちがうかな…。
このニオいじゃないみたい。
クンクンクン…、
ひくひくひく…、
おっ!
こんどはサカナのニオいがする。
サカナのオジさん。
タントンタンと きざんでる。
おじさんからも いいニオい…。
ん? でもこれもちがうね。…。
このニオいじゃないのです。
クンクン…ひくひく…、
このニオいだ。
このニオいは どこからだろう。
キョロキョロ、キョロキョロ、
どこだろう。
おぉーっ!
いいぞいいぞぉ、
さっきよりもちかいのです。
たちどまってマエをみる。
ちょっと むこうの みちのまんなか。
うろうろしてる おなかまが みえます。
おや、シロいのがいる。
あっ、クロいのも。
ちゃいろのシマシマもいる。
そして、みんなが かこむ まんなかに、
いるのは、あの、
いつもやさしい ひとなのです。
うれしくて、
ちょこちょこちょこっとあしばやに…。
とてとてとてと、おおまたに。
とっとっとっとと、
とーちゃくです。
さぁ、しっぽをたてて ごあいさつ。
やさしいひとは、
きづいてくれるでしょうか。
ちかくへね。
よって すりすり。
すこし はなれて くーるくる。
まだかな、まだかな…。
やさしいひとは、
きづいてくれたでしょうか。
すりすり、すりすり、すりよって。
すこし はなれて くーるくる。
すりすり、すりすり。
くーるくる。
すると。
ぽんぽん なでなで…。
ボクのアタマが きもちいーかんじ。
ぐるぐると のどがなってしまいます。
きもちよくて め をほそめ。
その め をあけてね、うえをみる。
よし、じゅんびは おーけー だ。
そしてボクは、こえをあげた。
「にゃぁ〜っっ(やさしい やさしい おねいさん、ボクにもチュルチュルくださいなっ!)」
了