炎上化したドラマ『その着せ替え人形は恋をする』第2話と、私が見た漫画の実写化ドラマを振り返る
『セクシー田中さん』問題後だろうが繰り返す漫画の実写化ドラマへの非難轟々
テレビドラマ『その着せ替え人形は恋をする』の第2話が炎上していました。以下、主な要点。各リンク先はTwitter/X。
演者の雛人形の扱いが乱暴(第1話)
原作のハチマキ描写がない
総じて原作の読み込み、思い入れを感じられない
というわけで私も実際に見てみましたが、肩の採寸を流れでてきとうに済ませててビビりました。露骨に演技で採寸のマネやってるだけの人やな…。別にその方面のプロというわけでもないんだから、あんな流れ作業で出来る人物像じゃないでしょ…。
それと、第2話予告動画のサムネになっている頭部の測り方がメジャーの0に寄せる気皆無で「なんだこりゃ」という意見も多かったのですが、これはこういう測り方もある、緊張を表現してるだけだから間違ってはいないという意見もありました。ただ、原作を確認すると、この部分はちゃんと0近辺に寄せているような…。
水着に関しては原作をまったく知らない人でもビキニでないと違和感を抱いてしまう話の流れなので、ビキニがNGなら背中だけを映してごまかすとか、そういった方向などに改変できなかったのかなあと思いました。
ギャルメイクはタレントのイメージをテレビで売り出したい事務所からNGが出たのか何なのかよくわかりませんが、確かに金髪にしてるだけの女性にしか見えません。これでは海夢役の人自身も不本意なのではないかと心配になります。
女性タレントの扱いよりも更に謎なのが、五条新菜のハチマキ描写が第2話を見るかぎり存在しないところです。彼の切り替えを視覚的に表現するのに非常に好都合ですし、おそらくタオル(手ぬぐいなのかもしれない)を買ってくるだけなので特に全体を圧迫するような予算もかからないと思うのですが、何故ドラマには出てこないのでしょうか…? まさかそれも事務所からNGが出たのでしょうか…?
あと、撮影風景をごまかすためなのかこれまた何なのかよくわかりませんが、昼間の室内シーンのライトが妙に強いですね。窓からの強い白光で気が散って仕方ありませんでした。
件の『その着せ替え人形は恋をする』の前枠は『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』というノベル原作のドラマでしたが、スタッフは全然違うものの、ドラマのクオリティーとしてはどっこいどっこい程度で、漫画版では印象的に描かれているシーンの数々がドラマ版では「原作に書いてあるから」程度で淡々と消化されていった感じで、やっぱりひどかったです。ちなみに、このドラマは全然炎上しておりません。
以下、漫画の実写ドラマ化を振り返る(私が近年見た範囲内)
こういった話になると、「漫画の実写化を悪者にするな」という声が出てくる昨今のようですので、近年に私が見た、非常に数少ない漫画の実写化テレビドラマを、ぼんやりと振り返ろうと思います。完全に主観で書いていきますので「いや、その評価はおかしい」みたいなところも多々あるでしょうが、あくまで主観なので、てきとうに流してください。なお、最後まで読んでも特にオチはありません。
ゆるキャン△
アイドルアニメ的なのかと思って見たら入浴シーンもちゃんとやっててビックリした記憶。全体的に無難オブ無難。
原作は1度だけさらっと読んだけど、映像化自体に疑問。レビューを見たらドラマ版はアニメに寄せてて見るに耐えないみたいなことが書かれていたけど、映像として表現するにはどうしてもアニメに寄せるしかなかった気がする。
推しが武道館いってくれたら死ぬ
制作発表から音無しが長かったため不安しかなかったが、蓋を開けてみたら深夜ドラマでケチられがちな衣装がけっこうしっかりしていて感心した記憶。(その後、劇場版が発表された。)くまさ役の人が「原作完全再現!」と大絶賛されていた気がするけど、私は「くまさはこんなにキレイじゃない!」とか思った。
原作がけっこう淡々としているため、実写のほうが相性良かったのかもしれない。アニメ版はところどころ演出過剰に感じた。
青春シンデレラ
テレビドラマというものは高校生役を20代が演じる違和感がつきものだけど、主演の人のアラサー時代役のほうが違和感強かった記憶。
出来としてはクオリティーかなり低めで、ザ・深夜ドラマ。原作の修学旅行シーンが安く撮影できる林間学校になっていた。でも私は楽しんで見てた。やっぱり少女漫画だし。
作りたい女と食べたい女
原作からしてデタラメ。1ヶ月未満で過激増量させた件は映像業界の闇として石碑に刻むべき。
シンデレラ・コンプレックス
原作がコメント欄のツッコミ込みという怪作漫画。深夜ドラマとは奇跡的なレベルで相性が良かった。
何気に原作理解度がかなり高かった気がする。原作で盛り上がる部分を的確に残して作品時間に収めたのは見事だと思う。ドラマだけを見た人は最後に「なにこれ? シーズン2に続くの?」という感じで終わってしまうけど、あそこで終えるのが最適解と言えば最適解。浮気夫への制裁が原作からブーストされてたのは笑った。
彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる
原作者の人は明らかに同性愛差別問題への関心がそんなに無いと思うのだけど、妙にアライ感覚が強かったのは疑問だった。予算をケチったのか、原作のウエディングドレスをスーツに替えてしまうぐらいなら、ねえ…。
アライの厄介ムーブや男性の女性蔑視が原作からけっこうナーフされているので、私はあんまり良い実写化だとは思っていない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?