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焔を秘める人

緑の中に
美しいその紫を纏い
清楚に気高く佇むその人は

言葉を愛し
物語を愛し
そして誰かを深く愛したのだろう

ものごとを深く観察し
人の心の移ろい知り

過ぎ去ったのか持っていたのか
愛する人への想いと
その苦悩を筆にのせて
過去と今との狭間に揺れて

恋の移ろいと罪深さと
そこにある変わらぬ人というものを

千年のちの世にまでも
その姿をありありと伝える

ここにまで届くのならば、
本当に届けたかった人にまで
その想いは届いていただろう