深海のとっても変わった生きもの
深海生物の本です。類書の中でも、群を抜いて素晴らしい、と思います(^^)
その理由は、載っている写真が、すべて、「生態写真」だからです。
生きている姿をとらえた写真ばかりなんですよ!
深海生物がお好きな方なら、この手の本を、何冊か、手に取ったことがおありでしょう。
そこに載っている写真は、ほとんどが、「標本写真」ではありませんでしたか? つまり、死体の写真です。
これは、やむを得ないことなんですよね。
深海は、そこに行くこと自体が、とても大変です。そこに棲む生物の、生きている姿を撮るなんて、もっと大変です。
このために、どうしても、深海生物の写真といえば、「死んで、標本にされたもの」になりがちです。
本書は、その困難を乗り越えて、生態写真をそろえてくれました\(^o^)/
関係者の御苦労に、頭が下がります。
しかも、本書で取り上げられている生物は、深海生物の中でも、あまり知られない種が多いです。二重に素晴らしいですね。
文句なしに、五つ星評価です(^^)
どの写真も、美しく、かつ、不思議です。
同じ地球に生きているとは、思えない生物が多いです。
でも、同じ地球の仲間たちです。地球は広い、と実感できます。
深海生物の神秘性に、酔って下さい(笑)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
まえがき
新 discovery
暗いのに、派手なメイクをしています ●ベニハゼの一種
深海で発見された美しい絞り染め ●ベニシボリの一種
その指先の意味するところは ●ムンナの一種
熱水の噴き出す深海で、新種の巻き貝発見! ●アルビンガイの一種
イッチョマエに小さなアゴでケンカもします ●ウミクワガタの一種
visual 彩りさまざま、スタイルもそれぞれ コシオリエビいろいろ
column クサ~いところで、私たちのご先祖さま発見!? ゲイコツナメクジウオ
幻 vision
小さな小さなクリスマスツリーは、単細胞生物と共生細菌だった! ●ツリガネムシの一種
暗闇のなか、鮮やかな蛍光は何のため? ●イソギンチャクの仲間
美しいものほど、はかなくて ●ウロコムシの一種
赤いひらひらは鮮血の色 ●サツマハオリムシ
64年ぶりの再発見! その名もエンペラー ●コトクラゲ
美貌のハンター ●オオナミカザリダマ
張りつけど、とどまらず ●ユウレイボヤの一種
美しいゴカイの舞 ●サシバゴカイの一種
visual 赤はとっても地味な色 深海の赤色メンバー集合
column 深海生物の生きた姿を撮る! カイコウオトヒメハマグリ
命 life
たくましい女性にかじりつく人生 ●オニアンコウの一種
大きなお母さん、沈木に穴掘る ●メオトキクイガイの一種
お父さん、小さすぎて見えませんけど…… ●ホネクイハナムシ
水槽内でも樽回し ●オオタルマワシ
大きな卵を肌身離さず ●カイアシ類
アシのなかまで卵を入れて ●ウミグモの仲間
visual 小さくてもしたたかな子どもたち かわいい子どもたち大集合!
column 深海魚を飼う ボテちゃんジュニアの飼育日誌 ウラナイカジカの一種
驚 wonder
フテてるワケじゃありません ●ミドリフサアンコウ
熱水域から、ただ今、見参! ●ユノハナガニ
インディアンの羽根飾り? 食事姿は見せられません…… ●イトエラゴカイの一種
小さなハンター ●ヤムシの仲間
背中にスーパーセンサー搭載! ●カイレイツノナシオハラエビ
ネバネバにはワケがある ●ムラサキヌタウナギ
からみつきたい衝動 ●ホシムシの仲間
アシの裏だってあるんです ●アブラキヌタレガイ
巻けてない巻き貝 ●ウミネジガイの仲間
深海には、巨大なダンゴムシがすむ ●ダイオウグソクムシ
visual 乗っかる、乗っかられる 乗っかるのにはワケがある
column 進化のナゾを解くキーマン ヒラノマクラ
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