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日本怪談集 (幽霊篇上)


日本怪談集 (幽霊篇上)

 これは、題名どおり、日本の怪談集です。主に、幽霊の登場する話を集めています。
 日本の幽霊に興味がある方は、必読でしょう。基本文献の一つだと思います。

 ただし、幽霊というよりは、「妖怪」と呼ぶほうがふさわしいものも、取り上げられています。日本の妖怪に興味がある方も、基本文献の一つとして、必読です。

 妖怪のほうが好きな方は、同じ著者の『日本怪談集 妖怪篇(上・下)』も、ぜひ、お読み下さい。

 この本に集められているのは、みな「実話」です。
 実話といいつつ、創作が含まれている可能性は、否定できません。

 けれども、少なくとも、ある時代には、その時代の人々によって、「実話」と信じられた話ばかりです。
 「ある時代の日本では、それだけの信憑性があった話」ということです。

 単に、「怖い話」が読みたいだけの人も、この本は、楽しめるでしょう。
 でも、「日本人が、幽霊というものを、どのようにとらえてきたか」を知りたい人は、もっと楽しめると思います。

 以下に、この本の目次を書いておきますね。

はじめに

第一章 すがたなきマボロシ
〔解説〕 気になる影の濃淡 首のない影
一 黒いモノがスーッと
二 誰かがのぞいている
三 動きまわる音
四 宙を行く人の気配
五 ナワスジの怪
六 足音だけの訪問者
七 片チンバの足音
八 姿なき挨拶
九 棟梁の老妻
一〇 皆が聞いた三味線の音

第二章 人魂考
〔解説〕 疑問の発光体 人魂の新古 川を越す人魂
一 恐山に向かうタマシ
二 数百個の人魂を追う
三 人魂の落ちた跡
四 挨拶まわり
五 人魂を観察
六 古靫太夫の体験
七 首の後から離脱
八 沖縄の人魂
九 ジャンジャン火
一〇 魂火の会合

第三章 生霊の遊離
〔解説〕 ふたりのひとり 魂だけの単独行動
一 影の病い三代
二 霊媒のふしぎな脱魂
三 魂の経験
四 立ち小便して帰った生霊
五 群馬=北京往復
六 本物と区別つかぬオマク
七 寺へ行ってきた生霊
八 同じ幽霊が二度
九 自殺死寸前の幻
一〇 死ぬ前の動静
一一 夫を取り殺した青衣の女
一二 生霊が息子を救う

第四章 たましいの別れ
〔解説〕 死目にあう 死人坊
一 愛孫への別れ
二 生まれた孫との対面
三 弟恋し
四 幻の唐桟の羽織
五 みやげの葬式団子
六 「延松が死にました」
七 夢で知った夫の秘密
八 しくしく泣いた母
九 二十年昔の師匠
一〇 刑場鈴ヶ森後日譚
一一 夢枕に変死の母
一二 母鯨の哀願

第五章 魂の寄集地
〔解説〕 死霊の森 幽霊屋敷
一 精霊田の群集
二 龍ノ森に死んだ女たち
三 山中のマヨイガ
四 くしゃみの後の呪言
五 もとの家主
六 メレ夫人のすすり泣く声
七 旧宅にいついた亡母
八 幽霊の引越し?
九 魔の一八号室
一〇 開かずの間

第六章 浮かばれざる霊
〔解説〕 史実と芸能と牛込の皿屋敷 お菊虫
一 番町皿屋敷異聞
二 菊女ガ松由来
三 「ありがとうございました」
四 暗闇から白い手
五 残した艶書で浮かばれぬ
六 踊への執念
七 恋のもつれ
八 骨壷の乱れ
九 手まりをつく少女
一〇 壁の中の声
一一 米軍に焼き殺されて
一二 員数外のもう一人
一三 長靴をはいた濡れ男
一四 亡霊のおかげで事件解決
一五 自首させた亡霊
一六 墓中にも階級制度
一七 猫の顔の女
一八 死霊の誘い

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