ロボット(R.U.R) (岩波文庫)
ロボット(R.U.R) (岩波文庫)
「ロボット」という言葉は、本書から生まれました。
その意味では、世界を変えた本です(^^)
ちなみに、「ロボット」の語源は、チェコ語です。著者のカレル・チャペック氏が、チェコの人ですので。
今や、産業用ロボット無しでは、工業は成り立ちませんね。
フィクションの世界でも、ロボットは大活躍です。
「ロボット」という概念を生みだした、本書の功績は、大きいです(^^)
本書は、戯曲【ぎきょく】です。もともと、舞台で、俳優さんが演じることを前提に、書かれた物語です。本書が書かれた当時― 一九二〇年!―には、インターネットどころか、テレビさえ、存在しません。
そのために、いろいろと、制約があります。時代の古さを感じる部分も、多いです。
にもかかわらず、本書の物語には、現在に通じる普遍性があります。
人間が作り出した、人間に似て非なる者―ロボット。そういうものが、この世に現われて、人間のようにおおぜいになり、人間のように働くようになったら、どうなるでしょうか?
ラジオの商業放送すらもない時代に、チャペック氏は、よくぞここまでのものを書いたと思います。
本書の世界では、人間にそっくりなロボットが、量産されて、輸出入までされています。
一大勢力となったロボットたちが、「人間より、自分たちのほうが優れている」と思い立ち、自分たちの処遇に疑問を持ったら?
物語は、悲劇へと転がってゆきます。
でも、本書は、ただの悲劇では終わりません。
思いもよらぬ結末が、待っています。
優れた作家とは、このように、時代を超えた作品を生みだすのだな、と思いました。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
登場人物
序幕
第一幕
第二幕
第三幕
ロボットという言葉はどのように生れたか
あとがき