海の味―異色の食習慣探訪
海の生き物を食べまくった体験が、書かれた本です。
多くの日本人にとって、海の生き物は、普通の食材でしょう。
けれども、この本に載っているのは、あまり普通には食べられない物が多いです。
特定の地方でだけ食べられる物、あるいは、かつてはよく食べられていたのに、こんにちでは食べられなくなった物も載っています。
特定の地方で食べられる物としては、イソギンチャク、ユムシ、アナジャコ、ヒトデ、ハリセンボン、ウミヘビ、イルカなど。
かつてはよく食べられ、今ではあまり食べられない物としては、タニシ、カワニナ、イガイ、アミ、カジカ、ウミガメなどが、挙げられています。
前記の生物名を見て、「おや?」と思う方もいるでしょう。
本書には、海水に棲むものばかりでなく、淡水に棲むものも載っています。
本書を読むと、日本が、いかに海・川の幸に恵まれた国か、わかります。
「これを普通の食材にしないなんて、もったいない」と感じる生き物が、多いのです。
もっとこれらを利用すれば、日本の食料自給率も上がりますのにね(^^)
生き物を知る方法として、「食べる」というのは、良い方法の一つだと思います。
味覚は、ヒトに備わった、鋭いセンサーですから。何しろ、生存に直結します。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
なお、二〇一一年現在における一般的な生物の分類と、本書の分類とでは、異なる部分があります。本書は、一九九八年の刊行ですので、そこは仕方ありません。
はじめに
腔腸【こうちょう】動物(注:現在の分類では、刺胞【しほう】動物)
クラゲ
イソギンチャク
環形【かんけい】動物
ゴカイ
ユムシ
触手動物(注:現在の分類では、腕足【わんそく】動物)
ミドリシャミセンガイ
貝類(注:貝類は、軟体動物の中に含まれる)
ヒザラガイ
カサガイ
ツブ
タニシ
オオヘビガイ
カワニナ
ナガニシ
イガイ
アコヤガイ
ドブガイ
節足【せっそく】動物
フジツボ
カメノテ
アミ
テッポウエビ
ザリガニ
アナジャコ
ヤドカリ
タカアシガニ
イソガニ・ショウジンガニ・シオマネキ
棘皮【きょくひ】動物
ヒトデ
魚類
ヤツメウナギ(注:現在では、魚類に含めないことも多い)
サメ
ウツボ
メダカ
ハコフグ
ハリセンボン
マンボウ
ゴリ・カジカ・ドンコ
両生類
カエル
サンショウウオ・イモリ
爬虫類
ウミガメ
ウミヘビ
哺乳類
トド
イルカ
おわりに
参考図書・出典文献
方言名索引