マニ教とゾロアスター教 (世界史リブレット)
日本では、ほとんど知られていないマニ教について、知ることのできる本です。
マニ教と深い関係にあるゾロアスター教についても、書かれています。
薄い冊子ですので、さっと読めます。
そのかわり、説明の量は少ないです。その点が、もの足りない方もいるでしょう。
けれども、前記のとおり、日本語で読めるマニ教の資料として、たいへん貴重です。
本書以外で、気軽に読めるマニ教の日本語資料といえば、白水社の文庫クセジュの『マニ教』と、講談社選書メチエの『マニ教』くらいしかないでしょう。
本書は、マニ教とゾロアスター教の入門書として、良いです。
もっと詳しく知りたい方は、それなりの解説書がいくつか出ていますので、そちらをお読みになるといいです。前記の二冊の『マニ教』などですね。
マニ教は、現在は、消えてしまった宗教です。
ゾロアスター教も、失礼ながら、消えつつある宗教といえます。
しかし、この二つの宗教が、世界史に与えた影響は、大きいです。西アジア、中央アジア、ローマ帝国、中国の隋王朝や唐王朝では、決して無視できない勢力でした。
本書を読めば、世界史の謎のいくつかに気づかされるでしょう。
謎に導かれて、世界史探索をするのは、楽しいことです(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
消えた宗教と生き残った宗教
(1)イラン人の信仰と世界観
(2)マニ教の成立と信仰の特色
(3)サーサーン朝におけるゾロアスター教正統の確立
(4)マニ教の発展と消滅
参考文献