メソポタミア文明の光芒―楔形文字が語る王と神々の世界 (MUSAEA JAPONICA 11)
メソポタミア文明の光芒―楔形文字が語る王と神々の世界 (MUSAEA JAPONICA 11)
メソポタミア文明は、人類最古の文明といわれますね。必ず、世界史の教科書に載っています。
けれども、それについて詳しい日本人は、少ないでしょう。
本書は、馴染みの薄いメソポタミア文明を、わかりやすく紹介しています(^^)
写真や図版が多いのが、理解を助けてくれます。文章も、難しくありません。
本書には、粘土板文書、円筒印章、スタンプ印章、神像、動物像、人物像、装身具、馬具、土器、ガラス製品、青銅器などの写真があります。どれも、古代メソポタミアの人々が、使った物です。
こういった実物を見ながら、説明文を読みますと、古代メソポタミアの人々に親しみを感じてきます(^^) 時代も、地域も、はるかに隔たっていますのに。
むろん、古代メソポタミアの社会と、現代日本の社会とは、まるで違います。
例えば、古代メソポタミアには、合法的な奴隷が存在しました。このような存在は、現代の日本人には、受け入れがたいでしょう。
とはいえ、親しみを感じさせる要素があるのも、事実です。
例えば、古代メソポタミアには、祖先崇拝が存在しました。アブの月と呼ばれる季節には、祖先(の霊体)が、あの世から帰ってくるとされました。ですから、その季節には、食べ物や飲み物を供えて、祖先を供養する祭りが行なわれました。
アブの月は、現在の暦では、七月と八月に当たります。
日本のお盆の風習と、そっくりですね。
現代日本との相違点や、類似点を探しながら、楽しく読めると思います(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに
メソポタミアの旅の思い出
第1章 メソポタミア文明への道
●農耕と牧畜のはじまり・麦と羊との暮らし
●経済活動と封泥 ●護符
第2章 都市文明の成立
●都市文明の成立 ●文字の登場
●メソポタミアは契約社会―契約文書―
●書簡 ●医術文書
●占い文書 ●文書と印章
●円筒印章 ●スタンプ印章の再登場
第3章 神々の確立
●神々の世界
●定礎石、建築碑文
●アッシリアの王宮と装飾
第4章 都市の暮らし
●都市の暮らし ●戦い
●武具 ●馬具
●運ぶ・動物土偶 ●運ぶ・車両
●動物 ●動物装飾の器
●人の姿 ●メソポタミアの音楽
●装い ●さまざまな器
●メソポタミアのガラス ●石製容器
終章 アルファベットへの移行
●楔形文書からアルファベットへ