マチュピチュ カラー版―天空の聖殿 (中公新書 2012)
題名のマチュピチュは、ペルーにある遺跡の名ですね。インカ文明の遺跡です。世界遺産になっており、日本人に、とても人気がある観光地です。
本書は、そのマチュピチュを、三〇回以上も訪れたという著者によって、書かれています。
本業が写真家の方だけあって、写真が多い著書です。眺めるだけで楽しめます(^^)
学術的な解説書というより、エッセイです。学術的に正確な記述を求める方には、もの足りないでしょう。
とはいえ、本書が役に立たないわけではありません。
マチュピチュに行ったことがない方には、現地への旅行気分を味わわせてくれます。これから行こうという方には、良い予習になるでしょう。行ったことがある方には、懐かしさを感じさせてくれると思います。
どうであれ、インカ文明に興味がある方には、充分に楽しめる本です。
実際に現地へ行った方ならではの記述や、写真が載っています。
現地の地図や、インカの神話についても、簡単ですが、載っています。インカ文明への入門書としては、たいへん良いと思います(^^)
初心者は、これ以上の情報を詰め込まれても、混乱してしまうでしょう。
インカ文明について、日本語でやさしく読める解説書は、意外に少ないです。
本書は、インカ文明に興味はあるけれど、あまり詳しくない人に、お勧めです(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに――インカとマチュピチュ
第一章 インカの始祖伝説と岩山カカ
「神々の宿る庭」ビルカバンバ山群/
インカの始祖伝説とタンプ・トッコ/
虹がかかる谷間とは/クスコの建設を命じたアヤル・カチ/
タンプ・トッコとチンカナ区/インカ時代の生者と死者/
岩山カカとマチュピチュ
●マチュピチュとつながる道
第二章 マチュピチュへとつながる道
インカ道の起点/未完成の城サヤク・マルカ/
霧が湧く雲上の大パノラマ/ 数本の道と参道としてのインカ道
●太陽と霧の城
第三章 自然界とつながるテーマパーク
パチャママとアプー/中枢神殿区/都市内の三つの世界/
求めあう「対」としてのヤナンティン/高官女性の墓地/
ワイナピチュ峰とマチュピチュ峰
●「神々の庭」に咲く
第四章 誰がどのようにして生きていたのか
想像される常駐者/何を食べていたのか/濁り酒チチャの量/
かめの容器アリーバロと大コップのケーロ/経済食のかゆ状スープ料理/
霧の森が産む水
●インカの軌跡をたどる
第五章 ロスト・シティとビンガムの発見以前
歴代インカ皇帝の盛衰/最後のインカとビルカバンバ/
太陽の処女アクリャ/ 「支配を委託されていた」地/
ロスト・シティ=失われた都市/ マチュピチュ名と土地売買/
はじめての地図とドイツ人/ビンガムの到着
●大地に生きる
第六章 インカの遺跡と神秘の東方圏
古代からインカへ/アプリマク川を見おろすチョケキラウ/
風や天水利用/インカの墳墓や円形の階段畑/
戦場だったサクサイワマン/ ムユク・マルカの攻防/
大帝国インカの強み/黄金伝説の地方/
不思議な湖とチューニョ/インカがのこした迷路の道
おわりに