動物百科 絶滅巨大獣の百科
哺乳類の進化をたどった本です。
題名とは違って、巨大獣=大型哺乳類だけを紹介しているのではありません。小型の哺乳類も、たくさん登場します。
おおむね、時系列順に、さまざまな哺乳類が登場します。
哺乳類の祖先である哺乳類型爬虫類から、始まります。最初の哺乳類は、中生代の三畳紀に現われた、と考えられています。
中生代は、哺乳類にとっては、雌伏の時代でした。恐竜の時代だったからです。新生代に入ると、多様な哺乳類が、爆発的に分化してゆきます。
繁栄を極めた哺乳類が、現代に入って、大絶滅の時代に入ります。なぜでしょう? 答えが、本書に書かれています。
本書は、哺乳類の進化の道筋を、大まかに知るのに、たいへん良い本です。
こういう本は、ありそうで、ありません。
絵や写真が多いことも、理解を助けてくれます。
ただ、この本の学説は、二〇一〇年現在ですと、古いものが多いです。このために、手放しで良いとは言えません。
本当に正確なことを知りたい場合には、他の資料を当たって下さい。
この本は、「大ざっぱな進化の道筋をつかむ」のに、適しています。
以下に、この本の目次を書いておきますね。
第1章 哺乳類の黎明期
獣型爬虫類にルーツを持つ哺乳類
南極は温暖だった、など
ジュラ紀前期のアフリカ
恐竜の足下で世界を広げた小獣たち、など
白亜紀前期のヨーロッパ
イグアノドンとの共存
白亜紀後期の北アメリカ
マイアサウラの卵を盗み食う
白亜紀後期のアジア
プロトケラトプスの卵で腹を満たす
第2章 哺乳類の征服の時代
暁新世【ぎょうしんせい】のヨーロッパ
食肉類の祖先
始新世【ししんせい】前期の北アメリカ
ウマの祖先の登場、など
始新世のカリブ海
海への進出
始新世後期のアジア
肉食になった有蹄類【ゆうているい】、など
始新世の南アメリカ
南アメリカで繁栄した南蹄類【なんているい】
第3章 哺乳類の巨大化の時代
漸新世【ぜんしんせい】前期の北アフリカ
ゾウの祖先型動物
漸新世前期の北アメリカ
空を駆けめぐる雷獣、など
漸新世のアジア
アジアにもいた雷獣、など
漸新世の南アメリカ
偽のマストドン、など
中新世【ちゅうしんせい】の南アジア
史上最大の陸生哺乳類、など
第4章 哺乳類の改良の時代
中新世の北太平洋沿岸
海に棲むカバ的動物、など
中新世前期の南アメリカ
鈍重な肉食性有袋類【ゆうたいるい】、など
中新世前期の北アメリカ
イヌ類の祖先たち、など
中新世中期の北アメリカ
大きな鉤爪【かぎづめ】を持った奇蹄類【きているい】、など
第5章 哺乳類の絶頂の時代
中新世後期の南アメリカ
恐るべき肉食性有袋類【ゆうたいるい】、など
中新世後期のアフリカ
ライオンほどもあったハイエナ
鮮新世【せんしんせい】後期の南アメリカ
ステゴマストドンの進化、など
更新世【こうしんせい】のオーストラリア
最大の肉食性有袋類、など
更新世の南アメリカ
勇猛なサーベルタイガー、など
第6章 哺乳類の絶滅の時代
更新世の南アメリカ
カメ型哺乳類、など
更新世の北アメリカ
腐肉食のオオカミ、など
更新世のヨーロッパ
最大のネコ科動物、など
更新世の日本
最大の角をもったシカ、など
更新世のヨーロッパ
洞窟にあった3万頭のクマの化石
更新世後期の北アメリカなど
巨大な角をもったバイソン、など
完新世【かんしんせい】の北太平洋沿岸
発見後27年で絶滅
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?