空飛ぶ円盤の真実 (超科学シリーズ)
「空飛ぶ円盤」という呼び名は、一定以上の年齢の方にとっては、懐かしいと思います。
現在の言葉で言えば、UFO(未確認飛行物体)ですね。昔は、UFOという呼び名より、「空飛ぶ円盤」―Flying Saucerの訳語―のほうが、一般的でした。
本書は、UFOが「空飛ぶ円盤」と呼ばれていた頃の、一般向け解説書です。
著者のフランク・エドワーズ氏は、超常現象の研究家として、非常に著名な方です。主に、一九五〇年代から一九六〇年代にかけて、活躍しました。一九六七年に、亡くなっています。
二〇世紀の半ばから後半にかけて、超常現象を研究する人で、フランク・エドワーズの名を知らない人は、いなかったでしょう。
エドワーズ氏は、まさに、超常現象界のチャンピオンでした。空飛ぶ円盤に限らず、さまざまな超常現象の事例を集め、検証し、多くの人々に教示しました。
二十一世紀の現在から見れば、その中には、未熟な検証事例もあります。
エドワーズ氏は、空飛ぶ円盤の正体が、物理的な「未知の飛行機械」だと信じていたようです。いわゆる「ボルトとナットでできた」飛行物体です。
そのために、空飛ぶ円盤の物理性を表わした事例を、多く紹介しているふしがあります。
この考えは、現在では、素朴に過ぎますね(^^;
現在のUFOの研究は、見間違い、勘違いなどの心理的な要素を重視する傾向があります。ヒトは、ごく平凡な物でも、よく未知の物だと勘違いしますから。
とはいえ、エドワーズ氏が集めて、紹介してくれている事例は、どれも、貴重なものです。空飛ぶ円盤(UFO)を検証する上で、大切な材料を、提供してくれています。
一読すれば、一九六〇年代の「空飛ぶ円盤」ブームの熱気を、感じることができるでしょう(^^)
UFOや超常現象がお好きなら、一度は読んでおくべき、基礎文献の一つです。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
1 地球の空を飛ぶもの
2 熱波
3 空中衝突とニアミス
4 破片を集めろ!
5 典型的なケース
6 宇宙の彼方の生命
7 操縦者は誰だ
8 宇宙への競争
9 科学は円盤を模倣する
10 アメリカ人への口枷【くちかせ】
11 闇の中
12 断章・ソ連の奥深くで
13 一九六五年――ダム決壊
解説 並木伸一郎