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同じ「海の町」でも全然違う2つの町。発信を通して見えたもの 【おてつびとインタビュー vol.5】

おてつびと_vol5_小川理沙

今回は先日のMeetupでも体験談を発表してくださった小川理沙おがわ りささんへのインタビューです!

現在、大学4年で休学中の小川さんは、noteでも「るんば@ローカルトラベラーとして積極的に発信されています。

そんな小川さんは、7月・8月に2度おてつたびへ。

Meetupでも素敵な体験談を語ってくれた小川さんに、お手伝いをしながら二つの地域で過ごした夏についてお聞きしました。

●おてつたび先データ①●
地域:長崎県・壱岐市(いきし)
期間:2020年07月16日(木)〜28日(火)
おてつたび内容:食器洗い、簡単な盛り付け、簡単調理、 配膳・片付け、 部屋掃除、布団敷き、トイレ掃除、風呂掃除、お客様の荷物運び、フロント業務、電話番、無農薬畑の畑仕事、SNS/FB発信、お客さまの送迎 など
https://otetsutabi.com/plans/54

●おてつたび先データ②●
地域:和歌山県・白浜町しらはまちょう
期間:2020年08月01日(土)〜15日(土)
おてつたび内容:宿泊業務(客室・共用の清掃、フロント業務)、企画広報(SNS投稿、イベント等の企画)
https://otetsutabi.com/plans/46

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◆地域と関わるきっかけは宮城県・気仙沼市。検索で偶然出会った「おてつたび」。

私は神奈川県の出身なのですが、宮城県の|気仙沼市《けせんぬまし》に関わっていたことがあります。高校を卒業したタイミングで地域系の学生団体に所属している先輩から「7年越しの被災地の状況を見てみない?」と声をかけていただいて、行くことになりました。

地域に関わりに行ったのは、気仙沼が最初だったと思います。

初めは「こちらからボランティアをしに行く」という感覚で行った気仙沼でしたが、人生の価値観について話したり、意識していなかったことに気づくきっかけがたくさんありました。

地元の方たちとの会話や、一緒に参加した学生たちとの対話がとても刺激的だったんです。

地元の方が、まるで親戚のおじちゃんが言っているみたいな身近な目線で私たちのことを考えて、話してくれる。そんな風に考えてくれる大人はいないと思っていたので、私にとっては衝撃でした。

それで、だんだんと自分にできることは限られているかもしれないけど役にたちたいなと思い、気仙沼に通うようになりました。そうして”地域”に興味を持つようになった今があります。

とはいえ、今までは気仙沼に一点集中のように関わっていたので、他の地域のことをほとんど見ることができていませんでした。

知らない地域に行きたいけれど行くタイミングを失っていた、他のところに行きたくても行く関わりがなかった、といったところでしょうか。

ただの”旅行”という感じではない、地元の方と関わるようなことがしたいという気持ちはずっとありました。

確かにそういった、お金を払って参加するプログラムは探せばあります。でも、様々なプログラムに参加しまくるとなると、学生としては金銭的なハードルもありますよね。

おてつたびは、今年の3月くらいに検索している時に見つけました。「地域」とか「旅」とか、何のワードで検索したかは忘れてしまいましたが。

色々見ているうちに「あ、私がしたい旅のスタイルってこういうことだな」と感じて、それから機会をみて参加しようと決めていました。

◆自分が「いいな」と思うポイントを知りたくて、二つの地域へおてつたび!

今回行ったおてつたび先は、長崎県壱岐市いきし平山旅館さんと、和歌山県白浜市しらはましゲストリビングMu南紀白浜さんです。

平山旅館では、夜は仲居さんのお仕事もしましたが、基本的には部屋掃除・皿洗い・布団のシーツ敷きがメインでした。

ゲストリビングMu南紀白浜では部屋の掃除がメイン。プラスαで個人的にSNS運用もやらせてもらったり、学生目線、いちゲストとしての意見もお伝えしたり…。

行く前はどちらの地域も全然知らなくて、正直「壱岐」の字も読めなかったですし、白浜は関西の海について調べたことがなかったので知りませんでした

そんな中で壱岐と白浜を選んだ理由の一番は仕事内容かな。それと、海が近い地域に興味があって選びました。

少し前の話になるんですが、私自身、全力になるあまり体調を崩して、去年の11月から半年くらい引きこもって家で過ごしていたんです。

その間、家で地域について色々調べて発信をしているうちに、リアルを知りたい、リアルな地域の雰囲気を発信したいという思いがでてきました。

家で発信すればするほど、もっと深みのある表現をしていきたいと思うようになって…。自分のときめいた瞬間というか、”その地域を好きになったな”と思う瞬間とか、日々感じたこととか、そういうところを発信していきたいな、って。

自分はどういう地域に魅力を感じて、「いいな」と思うのか知りたかったので、2ヵ所行くことに決めました。1ヵ所だけではなく2ヵ所以上見たほうが、自分の大切にしたいポイントがわかるのかなと思ったんです。

◆同じ「海がある町」でも全然違う

こうしておてつたびをした2つの地域ですが、白浜も壱岐もどちらにも海があります。でも、海があるというだけで、町自体は全然違う

壱岐は離島の漁師町

全国にある漁師町のなかでも離島にあるということもあって、コミュニティが深いと感じました

平山旅館さんに最初に行ったとき、壱岐が漁師町ということもあって雰囲気や言葉づかいが少し強い印象で、「大丈夫かな、ここでうまくやっていけるかな…?」と思いました。

でも、毎日一緒にお仕事していくうちに、自分の娘とか孫みたいに可愛がってくれる瞬間なんかもあって、”ツンデレなんだな!第一印象で決めちゃいけないんだな”って気づきもありました。

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一方の白浜は温泉もある観光地

白浜では、町のあちこちにある足湯に入りに行って、たまたまそこで話したおっちゃんと仲良くなって一緒に観光もしました。同じ「海の町」でも、壱岐とは出会う人が違ったなという感じがします。

私にとっては、2つのおてつたびに行ってみて、それぞれの町を「海のある町」という枠で見ることができるようになりました。

もし片方だけに行っていても、気仙沼を思い出して、違いの発見はできたと思います。でも、今回は壱岐と、白浜と二つの地域を訪れることで、「海のある町」というさらに大きい枠でこれらの地域を見られるようになりました。

1つの視点だけでなく、町を見ることができた。それがおもしろかったです。

◆「発信」をテーマに地域を訪ねて

今回、おてつたびに行く時のテーマは「発信」でした。だから、どのくらい発信する、とか目標設定をしてから現地に行きました。

お手伝いも忙しいし、最初は無理かもと思っていたけど、「毎日投稿する」目標があったから続けられました。

実際に続けて発信していたことで、文面のスタイルがつかめたこととか、これがネタになるんだなとか、小さなことにアンテナを張ることにつながったと思います。

自分にプレッシャーをかけるというか、自分と向き合うこともできました。発信という形で残しておくと、後から振り返れるし、自分の思い出にもなります

アウトプットする場を設けたり、こなすべきミッションがあったりするとモチベーションになる。そうすると、より深みのあるおてつたびができると思います。

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おてつたびに行く前の私は”地域の魅力発信をしたい!”という気持ちだけで、どのような方法が自分に合うのかもわからないままやっていました。

今回、実際に現地に行って発信しながら過ごすことで、「私は”地域の魅力を発信したい”と言っていたけど、自分にとっての”地域”ってなんだっけ?」とか、「将来的に移住したいという気持ちがあるのですが、その時のポイントはなんだっけ」とか、自分の”ときめきポイント”が具体的になりました。

◆一緒に働くからこそ得られる視点

おてつたびは一緒に働くからこそ、ふつうの旅とは違う視点で見られるんです。

よそ者の視点と地元の方の視点って全然違うと思っていて、その違いが見えるのは一緒に働くからこそだし、こういうスタイルは私に合っているなと思いました。

おてつたびは、地域好きの人には合うと思います。

今後についてですが、平山旅館さんはいつか親を連れていきたいと思います。Muさんは友達を連れてみんなで行って宿泊するのもいいなと思っています。

どちらもまた行きたいです!

それこそ、本当に好きって思ったからこそ誰かを連れていきたくなると思っていて。自分が好きじゃない場所に、他の人を連れていきたいと思わないじゃないですか。

本当におすすめしたい、って思うのは「本当に好き」になったからだと思います。

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◆編集後記

好きじゃない場所に、他の人を連れていこうとは思わない。迷いなく紡がれた言葉に、思わずハッとしてしまいました。

やっと見つけた軸だという「地域」と「発信」。今回のおてつたびで出会った壱岐と白浜が今後のきっかけになっていたらうれしいです。

小川さん、ありがとうございました!

<インタビュー・構成・執筆:田中沙季(さきっちょ)

⭐おてつたび先地域⭐ 

note_長崎県壱岐市

◆壱岐市公式HP
https://www.city.iki.nagasaki.jp/

◆実りの島、壱岐 壱岐観光ナビ
https://www.ikikankou.com/

◆壱岐UIターンポータルサイト|いきしまぐらし
https://ikishimagurashi.jp/

note_和歌山県西牟婁郡白浜町

◆白浜町公式HP
http://www.town.shirahama.wakayama.jp/

◆白浜観光協会公式サイト | 南紀白浜観光ガイド
http://www.nanki-shirahama.com/index.php

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