親愛なるFoveon様
それは5年前のこと。
カメラを始めようと思っていろいろ調べていました。
はじめは他人様のものを見て、あなたのことをなんとなく良いなぁと思ったのです。
迷いに迷いましたが、僕は決断の最後にその"なんとなく"を信じました。
そして...
公園の彼岸花を撮影し、自宅に帰って見て、「なんだこれは」と目でも脳でもなく心に触れるものを感じたのです。
SIGMA DP 3Merrill
この瞬間、僕は確かに恋に落ちました。
"なんとなく"を信じて正解でした。
デジタルではないかのような、最高のフィルム写真のような"肌触り"を感じました。
それからというもの出掛ける時には必ず、同じFoveon Merrillセンサーを積んだあなた方兄弟DP1 Merrill、DP2 Merrill、DP3 Merrillのいずれかをカバンに忍ばせました。
3兄弟をみな連れ出すことも多々ありました。
レンズを交換できない、ISO感度はあげられない、電池は100枚撮る前に切れる、液晶は見にくい、オートフォーカスも有能ではない。
それでも、いや、だからこそ、あなたたちを愛しました。
一時、K-5やα7Sに浮気したこともあります。
PENTAX K-5
SONY α7S
しかし、あなたたちでなくてはならなかったのです。
撮りたい場面に浮気相手といても、「あなたたちだったらどんな写りをしていたんだろう...」という想いがずっと尾を引いてしまうからです。
反対に、あなたたちで撮れない状況だと「だったら仕方ない」と諦めがつくのでした。
自分が心底惚れていることを知りました。
そして時は流れ、僕はsd Quattro Hを手に入れます。
最新のFoveon Quattroセンサーを積んだレンズ交換式ミラーレス一眼です。
写りはもちろん綺麗です。
SIGMA sd Quattro H
しかし、あの時の"肌触り"を感じることは叶いませんでした。
また、そこまでの時の流れの中で、僕はフィルムカメラも使用していました(これは浮気とは考えていません)。
実家で、OLYMPUS 35DCという50年ほど前のカメラを見つけたのです。
母に聞くと、「20才頃に父親から初めて買ってもらったもの」と言われました。
つまり、母方の祖父が母に贈ったものだということ。
ほとんど使われておらず、カビやチリの混入もなし。
使ってみると、フィルムの質感、そして、40mmの画角になんだか落ち着く自分がいました。
OLYMPUS 35DC + Velvia100
すでにFoveon沼にどっぷりの僕は、なんの気なしに他のFoveon機のカタログや仕様表を眺めます。
と、目に付いたのは、DP2xの画角「41mm」
「あれ?これって...?」
魔が刺した瞬間、時すでに遅し。
しかし、それが悪魔であろうが神であろうが関係ありませんでした。
僕は、あの時抱いた恋心を再び...いや、それ以上の激震だったかもしれません。
SIGMA DP2x
こんなコンパクトな筐体からこんな写りが出てくるとは...
「そりゃFoveonにハマる人がいるわけだ」と、改めてその理由を知ることになりました。
このDP2xは、Merrillセンサーの一世代前のセンサーを積んだコンパクトデジタルカメラです。
薄々感じていたことでしたが、同じFoveonと言ってもMerrill以前とQuattroとの間の差をはっきりと認識しました。
それを感じてしまったために...
僕の手元にはSD1 Merrillまでもが揃うことに。
SD1 Merrillは、Foveon Merrill世代のセンサーを積んだレンズ交換式一眼レフカメラです。
SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSMというセットレンズでの使用でありながら、叩き出されるその描写に
「これだ...これだからやめられない... 」
と、中毒症状のような興奮がふつふつと沸き立ちました。
SD1 Merrill + SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM
このような写りをされた時には、Foveonで良かったと心から思うのでした。
しかし、それと同時に、「こりゃFoveonから離れられないな」という"絶望"にも似た感覚さえ覚えるのでした。
こうやってFoveon沼に落ちていく僕は、さらなる深淵を求め...
MNG
巷でささやかれるこの3文字
マイ・ニュー・ギア
を手に入れたのです。
それが
SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
ISOを100固定で使いたいSD1 Merrill。
室内でもSD1 Merrillを使うためには、明るいF値のレンズがどうしても必要でした。
SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
玉ボケのなんと美しいこと...
Foveon様、僕はあなたへの愛が止みません。
もしかすると、SD15にも手を出してしまうかもしれません...
DP2xを使ってわかったことですが、画素数が少ないことはウェブ上に載せるにはむしろ適していて。
とにかく、僕はあなた方Foveonを愛して止みません。
これからも僕と一緒に居てくれることを切に願っています。
以前、twitterにて「#手紙部」という活動をされている方に、「誰かに手紙を書いてみませんか」と誘われたので、今日はFoveonへの愛と僕の簡単なカメラ遍歴を綴ってみました。
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