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おじいちゃんのサクランボ

私の地元には昔おじいちゃんがやっている八百屋さんがあった。その八百屋さんは自宅から徒歩2分程度の距離にある八百屋さんで、とてもよくしてもらっていた。

ある日曜日、私は家族と一緒に海に行く予定があった。家族と、その八百屋さんに行ってから海に行こうという話になった。

いつものようにお店に入ると優しいおじいちゃんが急にサクランボをくれた。真っ赤でかわいらしいサクランボは、当時の私はもらったサクランボが少しもったいなく感じてしまい、すぐに食べることができず、結局私は海までサクランボを連れていくことにした。

私は手につぶれてしまいそうなサクランボを握りめながら海へ向かった。途中寝てしまったが、起きた時にはもう目的地に到着していた。

寝てしまったので、サクランボがまだあるのか不安になったが、手の中には、少しだけへこんだサクランボがしっかりとそこにあった。

海を見ながら食べるおじいさんのやさしさの詰まったサクランボは、頬が落ちるくらい甘かった。



今、そういう個人のお店とか、商店街とかがどんどん少なくなってきてしまっているのがさみしいばかりです。

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