「日本作業療法士協会の基本理念(案)」パブリックコメント募集中
意見は4月11日まで!ぜひ!
2024年3月29日~4月11日の期間にて「日本作業療法士協会の基本理念(案)」についての意見を募集しております。
リンクは こちら から
以下、日本作業療法士協会HPより引用します。
____以下、引用____
日本作業療法士協会の基本理念(案)
「作業で暮らしに彩りを 社会に優しさを」
作業はすべての人にとって大切なものであり、
作業療法は作業を通して健康と幸福に寄与できるという信念が私たちにはあります。
常に質の高い知識と技術を保ち続けます。
常に最善の作業療法を探求し創造し続けます。
常に一人ひとりに寄り添い、必要な人に必要な場所で作業療法を提供し続けます。
そのさきに私たちは小さな喜びも幸せに感じられる
彩りのある暮らしとさまざまな人が自分らしく生きられる
優しい社会の実現に貢献できると考えています
____引用終わり____
この件についての私見を述べたい!
※めちゃくちゃ私見です
※批判はあっても優しくお願いします
※意見はここじゃなくリンク先でお願いします
はい、それではよろしくお願いします。(対ヨロ)
たぶん、多くの人が基本理念?えーなにそれ美味しいの?ってことなんじゃないかと思います。
めっちゃ雑な始まり方なのはお許しください。
私は日本作業療法士協会の一員ではありますが、この基本理念を必要とした背景についてあまり理解できていませんでした。
なんでかなー、どうしてこれを必要としたんだろうと、少し先人たちの考えに近づこうと考えてみました。
基本理念で創りたいのは、作業療法士の未来
どこの職能団体も、自分たちの職種の質が低下することへの危惧、そして会員数が著しく低下していることで、職能団体の組織としての意義が揺れ動いています。
それは、もちろん日本作業療法士協会も例外ではありません。
他の団体では、会員に対して入会に関する強制力を強めたり、入会しないことでのデメリットを強めたりと、外堀を囲うような施策が行われています。
その中で、日本作業療法士協会は、基本理念の作成というアクションを選択しました。
2018年に日本作業療法士協会における作業療法の定義が改訂されたことを覚えていますでしょうか。
あれから6年が経過した今ですが、日本作業療法士協会は作業療法士の外堀を囲うのではなく、一貫して作業療法士の中身を整えようと奮闘していることがわかります。
これは作業療法士という仕事がわかりにくいためではなく、
作業療法士が ” 人間の主体性を扱う仕事 ” であるからに他なりません。
どういうことか。
基本理念を打ち立てることは、職能団体としての組織率向上をさせる施策のうちの一つです。提示できる根拠はありませんが、組織率の数字を単純に改善するためであれば、外堀を埋めた方が早く、改善度も大きいと思います。
作業療法士として働いていると、リハビリなんて嫌だ、何もしたくない、と仰られる方と向き合うこともあると思います(僕はあります)。そんな時、外的な動機付けを使ってリハビリに誘導してしまうと、それがなくなった時に強い反動で意欲が失われます(アンダーマイニング効果)。状況によっては外的な動機付けを用いることもありますが、作業療法士の関心ごとはどのようにして内的な動機付けを引き出せるかです。
そうした作業療法士の性質から、会員の主体性を育てるためにこの選択をされたのかな、と。だから、こうした活動に行き着くんだなあとしみじみと感動しておりました。
そして、基本理念の存在意義は何かというと、僕たちの「誓い」です。
作業療法士として生きることの誓いです。
組織率の量的な改善を考えたら、基本理念を作るだけでは不十分です。
ですが、日本作業療法士協会は基本理念を作ろうとしています。
その意図は、組織率の質的な改善だと僕は考えます。
質的な改善は、おそらく組織率の数字には大きく表れないだろうと思います。成果を知るには難しいですが、このアクションは間違いなく未来を創るためのアクションです。日本作業療法士協会は、僕たち会員の未来を創ろうとしてくれています。
全く違う職種の理念を調べて気づいたこと
多くの人は、作業療法士の基本理念にどのようなものがあるか、アメリカやカナダなどの作業療法士協会のホームページを訪れたのではないでしょうか。
僕も一応調べていましたが、ここでは記述しません。
誰も調べなさそうな視点で、お話ししたいと思います。
僕が調べたのは、とある生命保険会社の基本理念です。
ソニー生命は、自社の保険営業を行う者のことを「ライフプランナー」と称しています。
保険営業マンってあまり良いイメージはなく、多くの方が胡散臭いと思われる方も多いと思います。
僕たちリハビリ職は医師の指示の下で、需要ありきの対人援助職です。
言うなれば保険営業マンは需要はあるけど嫌われているマイナススタートの対人援助職です。かなりハードな環境で結果を出さないといけない世界だと思うと、考えただけで吐きそうですね。単純に尊敬します。
話を戻しますが、ライフプランナーと称する彼らは非常に高いプロフェッショナリズムを持っており、その根底には彼らの理念があります。
それを表しているのが、ライフプランナー憲章です。
____以下、引用____
ライフプランナー憲章
愛と信頼に基づく相互扶助の精神こそ、生命保険の本質である。その本質を深く理解し、顧客に合理的な生命保険と質の高いサービスを提供することが、我々の本分である。そして生命保険の真の価値を、広く世に啓蒙・普及し、顧客の経済的保障と安定を図ることが、我々の使命である。
その使命を果たすために、我々は絶えず必要な知識と技術の習得に励み、謙虚な姿勢をもって、自己の能力と人格の研鑽に、最大限の努力をする事を惜しまない。そして生命保険ビジネスのリーダーとして、世にその範を示したい。
我々は、絶えず顧客のために、的確かつ十分な情報を提供し、いついかなる時にも顧客の利益を優先し、自己の利益のみに偏することを許さない。そして職業倫理にかけて、顧客のプライバシーを守ることを誓う。こうして築いた顧客との信頼関係こそ、我々の最大の喜びであり、また誇りである。そしてそれを維持継続することをもって、社会からの厚い信頼と高い評価を獲得したい。
我々は、自らの力をもって、社会に新風と革新をもたらしたいと思い、又自らの生き方を賭けて、自己実現を果たしたいと願って、このビジネスに参画したのである。その熱い思いと志を同じくする多くの仲間が、ともに夢の実現に向けて、勇気を持ってチャレンジして行く姿勢こそ、我々自身の大いなる誇りである。自覚された責任と自由な精神に富み、個性豊かなプロフェッショナル集団である我々は、いつまでも誇り高き集団であり続けたいと思う。
この憲章の精神を、我々は将来にわたり不断の努力で保持することをここに誓う。
ソニー生命保険株式会社
現在および将来のライフプランナー一同
____引用終わり____
僕たち、作業療法士はどうでしょうか。
目の前の業務に追われて、誇りを捨てていないでしょうか。
未来の患者さんのために、チャレンジしていますか。
全く違う職種の理念を調べて、ハッと気づかされた話でした。
僕が考える基本理念(案)
僕が考える基本理念は、協会案を少し変えたいと思っています。
「作業で暮らしに彩りを」はそれな👉しかない
出ましたね、彩り。
作業療法士なら誰もが知っている「彩り」です。
ミスチルの名曲ですね。
歌詞をみてもらえば、まさしく作業療法士の歌だなあと感じてもらえると思います。
なので、前半の「作業で暮らしに彩りを」には、それな👉しかありません。
社会は「優しくする」よりも「輝かせたい」
で、後半部分のところは僕なりに悩みまして、色々と考えてみました。
社会に対して、作業療法がどんなこと出来るかなあと考えてみたのですが、優しくするというイメージが湧きませんでした。
優しくするには、具体的には法律を変えるとか、文化を変えるとか、なんか大きくなるなあと(社会なので大きいのは当たり前なのですが)思いました。
ちょっとアホな例えをすると、恋愛に置き換えてみてください。
優しくしてくれる相手、輝かせてくれる相手、どっちが魅力的ですか?
はい、絶対に例えないほうがよかった気がしますので、スルーしてください。
あくまで僕個人の考えですが、一人一人の個人レベルに対して「彩り」を提供していく作業療法ですから、その延長線上で社会に対して「輝き」を提供できるのではないかな、って考えました。
個人と社会がつながるストーリー性も出ますし、社会を輝かせることで、そこに住む個人あるいは所属する人々の生活にも彩りを作ることができるように思います。
そんな理由で、僕は個人には「彩り」、社会には「輝き」推しです。
結論
みんなの意見や考えをたくさん聞きたいです!
僕はこんな考えですが、みなさんはどうなんでしょう。
色々あーだこーだ考えながら、作業療法士の未来を一緒に創っていきましょう!
どこかの誰かの、救いになりますように。
suma