![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136075849/rectangle_large_type_2_44112770919400fe88124777c345e7b7.png?width=1200)
ゲームチェンジを先取りする知財デザインのすすめ
オシンテック代表の小田真人です。こんにちは。
2024年1月31日に、日本弁理士会関西会の主催セミナーでお話しした
「中小企業にこそ聞いてほしい!その技術を羽ばたかせるための世界動向」〜事業の”思わぬ勝ち筋”を把握するための思考のエッセンス〜
というセミナー。その後も評判が良く、「動画ないの?」とか「あの時言ってたのこれだっけ」とか、色々話題に取り上げていただきますので、ちょっとnoteでも要点をご紹介したいと思って纏めてみました。
5〜10年後の飢餓感を予測する
私が提唱する「インテリジェンス経営」。
このポイントはズバリ、中長期の未来の不足感はどうなっているのか。という事です。
国際ルールメイキングは、未来に備えて行われるものでもあります。なので、その動向を見ていると、社会がどのように動くのか、ということのタイミングが分かるため、ビジネスも上手くいくのです。
この講演では、インテリジェンス経営の要諦をお話ししていきます。簡単に言えば、未来が予測できれば、お金を稼げる、ということですね。(そう、そもそもお金を稼ぐのは、誰かのありがとうを集めることですから・・)
いいレポートがあるんです
さて、WEF(通称ダボス会議)で毎年発表される、グローバルリスクレポートというのがありますが、2年後と10年後のリスクが発表されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1712125563749-jLNVtyr2Cq.png?width=1200)
昨年のものは、物価の値上がりが2年の方に来てましたが、今年は誤情報というのがトップになりました。次いで、異常気象。分断。
10年後の方は、異常気象、地球がこのままでいられない、生態系の崩壊、資源枯渇、フェイク、AI・・・という感じですね。
こんな世界になった時に(ならないために)欲しいものを洗い出してみようじゃないか
さて、こういう社会になってしまった・・・もしくは、ならないようにしたい!と考えたときに、どんなものが有効な発明になっているでしょうか。中長期の10年後のリスクから、見てみましょう。
1番目の異常気象。気候変動を+2度以内に留めたいものですよね。
![](https://assets.st-note.com/img/1712126661018-BzHTTth9hw.png?width=1200)
そのためにも、多くの人が住む家の断熱効率を高めることは有効と言われています。その実現に貢献する技術や素材はなんだろう?そんな目で自社技術を見直してみること、大切ですね。
2番目、地球システムの重大な変化、というのも怖いですね。台風が巨大化し、洪水が頻発する未来が見えてきている方も多いのではないでしょうか。
そこを見据えた技術、例えば、分散技術で水を吸わせる技術があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1712126944624-BAH1Sf16Vn.png?width=1200)
つまり、降った雨をとにかく川に集めてコントロールしようとする思想ではなく(これでは、想定を超える水量となり川が決壊してしまう!)各地域地域で少しずつ水を吸わせて蓄えることによって、ピーク流量を一気に上げないようにしよう、とする、みんなの力を合わせるやり方です。
この視点から、洪水を防ぐために我が社の技術は役立てられないか?と考えてみることも大事です。そして、これは行政にも必要な技術かもしれません。行政と民間が力を合わせる分野になっていくでしょうね。
3番目は生物多様性の欠如。実は科学者が、気候変動よりこちらの方がやばい、と言っている領域です。気候変動がこんなにやばいのに・・・
![](https://assets.st-note.com/img/1712127259923-8HWkkfMeZS.png?width=1200)
2030年にネーチャーポジティブにするために、各国はあらゆることを試みるという方向性は一致しています。条約にサインもしています。だから、ここを解決するものは最初は補助金という形から始まるかもしれませんが、産業になっていくのです。
そこで、ネイチャーベースのソリューションが注目されます。例えば、農薬を使わないで害虫を駆除するために天敵を活用する、天敵製剤。放置竹林の竹をパウダーにして撒くことで雑草が生えないようにする、など。
この観点から、自社の技術を再点検してみることも大事です。
●●●
講演スライドからいくつかピックアップしてみましたが、他にも、いろんな観点で、自社技術を再点検できますね!
もちろん、ここで10番目のリスク、として「汚染」が取り上げられていますが、すごい市場規模になることは間違い無いでしょう。広い目で世の中のニーズを予測し、未来のリスクから、自社技術と経営戦略を見直してみましょう。
もう一つのゲームチェンジ:人工知能
社会や環境が、ゲームチェンジャーになるのと同じく、技術の進化自体もゲームチェンジャーになります。
昨日までできなかったことが、今日、急にできるようになっている・・・物事の仕組みは大きく変わります!
![](https://assets.st-note.com/img/1712127924279-bIwlGmYzyU.png?width=1200)
これまでの科学は、数式でモデルと作って検証する、というシミュレーションが主軸でした。ですが、今後の科学に強力な手法が。それが「データ駆動型」というやつです。
データをとにかく放り込んで、AIに任せると、面白い発見をしてくれる、というものですね。生成AIはこの領域でも、すごい影響を発揮しています。実際、自動的に実験を繰り返す機械が素晴らしいパフォーマンスを発揮しています。
次にどんな言葉が来るのが最も自然か?という理屈で生成AIの主要技術のトランスフォーマーは作られていますが、それを遺伝子に適用すると、ゲノムシーケンスの次にどんな遺伝子型が来るのが最も自然か、を予測してくれるゲノムシーケンスGPTという考え方になるわけです。
ここの分野でAIのアルゴリズムをゴリゴリ作って特許を取りに行けるなら、それはそれで素晴らしいことです!が、多くの会社さんは、その主戦場で戦うのは少し辛そうですよね。
Data is King
なのでここは、AIが必要になるものを整備するのが上策ではないでしょうか。そう、データです。データの蓄積と、データの取り扱いが重要になっていくのです。
つまり、いかに自分達しか取れないデータを持っているか、ということは競争力になるし、そのデータの取り方にも特許性が得られてくることになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1712130384876-HGmgO5RyUj.png?width=1200)
新しいデータの集め方、管理の仕方。こういったところにも自社の面白い技術が使えないだろうか。このような観点で、再度自社を評価してみましょう。
最後に、そんな時代に必要な人間は・・・
ここまで、未来の環境や社会からくる欠乏感と、技術が変えていく新しいニーズについてお話ししてきました。
でも、AIはインパクト大きいですね。人間の役割はどうなるんだろう。
そんな中、私たちは探究インテリジェンスプログラムという、ビジネス向けの社会人の探究プログラムを提供しているのですが、こんな風に変わる社会において、AIに代替されない人の要件を、次のようにまとめています。
![](https://assets.st-note.com/img/1712130560200-WixXLrQc1i.png?width=1200)
いよいよ、正解のない世界を私たちは生きていかねばなりません。自分なりの納得解を見つけ、それを他者と合意形成し、進めていくのです。
それができる人は、自分の意見を持てる人。高抽象度の推論ができる人。あなたの会社の人材は、自分で考えられる人になっていますか?
これができる人のための、国際動向インテリジェンスと合意形成。どちらも残念ながら、日本にいたら学校で教えてもらったことはほぼないはずです。これは、私が理想とする「知識だけでなく、自分軸の行動様式をインストールする」楽しさや喜びを中心に据えた教育プログラムでもありました。
学ぶことは、人生の喜び。
皆様のやりたい事業企画を持ち込んでブラッシュアップする探究実践を行うプログラムの提供を開始していますので、タイミングが合う方は、是非半年間ご一緒しましょうね。
加えて、製造業の方へは、企業向け情報サービスの雄であるSPEEDAを提供する、ユーザベースさんと一緒に、Intelligence University というプログラムも開催していきます。インテリジェンス〜地政学の短期集中プログラムになりますが、こちらでもお会いできます!
ゲームチェンジを先取りする知財デザイン、いかがでしたでしょうか。
何かヒントになるnoteになっていれば幸いです。
最後までお読みいただき、有難うございました!
いいなと思ったら応援しよう!
![オシンテック](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50237255/profile_cee42263509f59489445a25f42f2418c.png?width=600&crop=1:1,smart)