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肩こりや頭痛だけじゃない。悪い姿勢が原因で起こる身体の問題。

2020年5月29日~31日のことになりますが、Chiropractic education onlineが提供するNeuroscience in Chiropractic Summit(カイロプラクティックにおける神経科学サミット)というイベント行われました。

世界中からオンラインでつながった総勢22名のカイロプラクター(主にカイロプラクティック神経科学の研究に携わっているドクター達)によるバーチャルサミットです。

3日間で22名ということで各自の持ち時間は1~2時間でしたが、このサミットを基にさらに情報を掘り下げていけそうな興味深いものばかりでとても有意義なものでした。

その中で紹介されたものからいくつか面白いもの・論文・研究をシェアしようと思います。

Saggital cervical and thoracic alignment, sensorimotor control, and the autonomic nervous system.

”矢状面における頚椎・胸椎のアライメント、感覚運動支配と自律神経”といったところでしょうか。

CBPで有名なDr. Deed Harrisonによる講義。

Dr. HarrisonはCBP (Chiropractic BioPhysics)というカイロプラクティックのテクニックの1つの代表者です。CBPはカイロプラクティックテクニックの中でも最も研究された(リサーチされた)ものの1つでもあります。

頭が前に出ている悪い姿勢

近年、デスクワークの増加、テクノロジーの発達(スマホやタブレット)により若い頃から座って下を向いて何かを使うという習慣が身につくようになってしまいました。

デスクワーカーが肩こり・首こりや頭痛に頭を悩ませていることはめずらしくないと思います。

でも、この悪い姿勢、単に肩こりなどの痛みや症状以上に身体に影響を与えています。

姿勢と神経のはたらき

「頭が前に出ている姿勢(Forward head posture=FHP)は自律神経や頚椎の感覚運動支配と関係があるのか?横断研究。」

この研究では80人のFHPをもつ、痛みや症状のない人たちとそうでない80人において神経のはたらきを調べて比べました。
FHPがあるとされるのは耳から頚椎の7番(C7)を結ぶ線と地面との平行線のなす角度が50°以下の場合です。

以下の項目についてテストしました。

◎目と首の動きの連動性(SPNT)、◎首を動かして頭を基の位置に戻せるか調べるテスト、◎交感神経皮膚反応(Sympathetic skin response=SSR)、◎バランス。
結論として、FHPは首の感覚運動支配に良くない影響を与え、自律神経にも良くない影響を与え(過剰に興奮してしまうなど)、首の感覚運動やSSRとも強いつながりがあることがわかりました。

痛みや症状のない人を対象に

この研究で大切なのは、FHPがあるけど痛みや症状のない人達を対象として行ったということです。

カイロプラクティックでは痛みや症状にだけ着目するのではなく、その人の身体全体をみています。

それは痛みや症状がなくても、身体に問題というのは起こりうるからです。

この研究から、姿勢が悪いけど痛みや症状のない人達にも、テストをしてみると神経のはたらきに関してうまくいっていないことがあるということがわかりました。

まとめ

悪い姿勢というのは自分たちが気がつかないうちに思っていた以上に身体に良くない影響を与えているようです。

痛みや症状が出た時というのは、歯でいうと虫歯が出来て大分進行してしまった時です。

症状が出る前に、ひどくなる前に、しっかりと自分の身体に興味をもち、専門家の指導を受けながらケアしていきましょう。

その指標としてあなたの姿勢はなかなか参考になりそうです。

近江顕一, DC


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