ここが日本一の昭和ネオン街【北海道旅8日目】
原付でゆく北海道旅8日目。今朝はエアマットに小さな穴が開いているのを見つける夢を見た。「ここを塞げばいいのか!」と大喜びしたところで目が覚めた。相変わらずエアマットはぺしゃんこになっていて、今日もかったい床の上で朝を迎えた。
▼前回までのあらすじ
廃駅の列車で目覚める朝
昨日は紋別郡湧別町の「計呂地交通公園」の列車に泊まった。初日もこうして廃駅の列車で眠ったが、列車で寝るというのはやけに落ち着く。そして何より、朝は両方向の窓から明かりが入ってくるので目覚めた時とても気持ちいい。
そういえば私のリトルカブは左のミラーがずっと不調で、すぐに緩んでミラーがブラブラになってしまう。同室だった彼らにその話をしたら、見てみてくれるとのこと。ありがたとうございます。
もう壊れたんかなと思ってたけど、彼らの手にかかればあら不思議。キュキュッと固定されました。やっぱ構造分かってる人はちがうや。
そんなこんなで腹が減ってきたので、朝飯を食べに3人仲良くサロマ湖方面へ。お目当ては、北勝水産のホタテバーガー。大きなホタテフライが2粒ゴロッと入って390円。さすが北海道コスパが良い。
彼らとはここでお別れ。私は北海道を反時計回りしているが、彼らは時計回り。きっとこのあと旅が交わることはないけど、「じゃあまた」なんて言って手を振る。ninjaの彼を先に送り出して、その後私が師匠に見送ってもらった。またどこかで会おうね。それまでどうか、お元気で。
1,980円でテントをGET
今日の目的地は紋別。紋別にはライダーハウスがなく、テントを貸し出しているキャンプ場もないので、今日こそテントを手に入れなくてはならない。紋別のホームセンターDCMでテントを見つけたが、お値段なんと2万円超え。ムリでござる。
ダメ元で紋別の小さなリサイクルショップに行ってみる。キャンプ用品コーナーにて、袋に入ってるテントらしきものを開けてみたが、ゴルフの練習用ネットだった。ややこしいんじゃい。
端でホコリを被っている袋を開けてみる。……テントだ。テントだ!!!ルンルンでレジに持っていく。お値段1,980円。ありがたいでござる。
さっそく近くのキャンプ場「紋別市ガリヤ地区港湾緑地」に立てる。説明書が入っていなかったけど、おととい吉高由里子姉さんと一緒に立てた記憶をたどりながら、無事設置成功。さてと、紋別を満喫しに行くか~!!
日本で一番好きな街。魅惑の「紋別」へ
紋別は、私が日本で一番好きな街だ。
理由は3つある。
1.アザラシ天国がある
紋別には「オホーツクとっかりセンター」という、アザラシのみを保護・飼育している施設がある。ちいさな施設には20頭以上のアザラシがいて、水の中をすいーと泳いだり、陸をぼよんぼよん移動したりと思い思いに過ごしている。その光景がなんとも癒されるのだ。
そんなとっかりセンターの公式Instagramのフォロワーは22.5万人!笑っちゃうほど可愛いのでよかったら見てみてください。
とっかりセンターの入場料は大人200円、小人100円、幼児無料。少し歩いたところにシーパラダイスという施設もあって、そこは大人500円、小人300円、幼児無料。シーパラダイスでは時間によって先着順の餌やり体験を実施している。以前体験したが、私の指示で芸をやってくれて、もう本当に頭抱えるほど可愛かった。
2.日本一昭和レトロなネオン街がある
昭和を感じるさびれた街並みが大好きな私だが、ここは日本一と言えるんじゃなかろうか。ネオンの色、看板のひしめき方、建物の古さ、さびれ具合、どこをとってもピカイチ。特に冬なんて雪にネオンが反射して、い~い味を出している。
あ~たまらない。みぞみぞする。この居ても立っても居られないワクワク感は紋別にしかない。一晩だけおじさんと入れ替わって、紋別のスナックを飲み歩きたい。そんで、へべれけになってタクシーに押し込まれて、ウィ~とか言いながら帰りたい。
3.観光地化されておらずリアルな日常を楽しめる
冬は流氷が見れることもあり多少賑わうが、基本的に観光地化されていない紋別。スーパーや飲食店、バスターミナルなどどこを歩いても住民の暮らしが見える。
旅先で人がゴミゴミしていたり、飲食店が観光地価格になっていたりすると萎えてしまうんだけど、紋別は日常に溶け込ませてくれる感じ。スーパーでは住民同士が挨拶しながら食材を選んでいて、バスターミナルでは年配の方々が慣れた様子でバスに乗り込んでいく(紋別には駅がない)。
私が「紋別って本当に素敵な街ですね!」と言うと、紋別の人は決まって「ど~こが~???こんな田舎町(~_~;)」と呆れ顔をする。でも、そんな彼ら彼女らも紋別に住み続けているということは、紋別を愛しているんだろう。心の深いところ、自分でも気付かないくらい深いところで。
そして何より、紋別は「人」が良い。なんか本当にみんな優しいし、ドラマの登場人物みたいにキャラが濃くて、それに見合った波乱万丈の人生を送っている。田舎だからってみんなのほほんと生きているわけではないのか。居酒屋のカウンターで居合わせた陽気な女性は、ここには書けないくらいの修羅の道を歩んでいた。
そんなのも全部乗り越えて、もしくは乗り越えたふりをして、紋別の人たちは今日も酒を飲む。紋別は誰かの人生が少しだけ見える街だ。
そんなこんなで、今年に入って紋別に来るのはもう3回目。すっかり虜になってしまった。お気に入りの店をはしごしていたらあっという間に23時。そうそう、紋別は海鮮もおいしいんです。お腹いっぱい胸いっぱいでキャンプ場へと帰る。
寝袋に入って目を閉じると、大好きな紋別の人たちの笑顔が浮かんだ。ああ、みんながこれからも幸せでありますように。ホカホカした気分で眠りに落ちた。これから起こる悲劇も知らずに……。
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