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花咲ガニを食べれば宿泊無料!?【北海道旅4日目夜】

リトルカブでゆく北海道旅、4日目の宿は根室の「インディアンサマーカンパニー」。日本最東端のライダーハウスだ。

▼前回までのあらすじ

インディアンサマーカンパニーの特徴といえば、併設するノサップ産商で花咲ガニを注文すると無料で宿泊できるということ。正確に言うと、同施設で2,800円以上買い物をすると宿泊できるということなのだが、やっぱり根室なので花咲ガニを注文する人が多いみたい。花咲ガニは1杯2,800円。

施設は1階が受付と売店、2階がライダーハウスになっている。かなり渋くてサイコーだ。

外観
2階のライダーハウス

この日の宿泊客は、私のほかに男性が2人。私は手前のマットレスを、1人は端のソファ、もう1人はテーブル横の床を陣地とした。


花咲ガニは根室の花咲港で採れる蟹で、ごつごつトゲトゲの刺激的な見た目が特徴。タラバガニよりも旨みと甘みが強いと言われていて、日本では釧路と根室でしか採れないことから流通量はあまり多くない。

トゲトゲ花咲ガニ。手書きの紙が嬉しい

18時頃になると1階で花咲ガニが用意されるので、自分の名前が書かれた箱を持って2階へ。ほかの2人はもうすでに食べていたので、仲間に入れてもらって一緒に食べた。普通の蟹に比べて殻が硬くてなかなか捌きにくい。けど、ぷりぷりしていておいしい。蟹味噌の味もすごく濃厚だ。

2人は私と同じ20代で、1人は大学の夏休み、もう1人は仕事を辞めて日本一周中のライダーだった。蟹をほじくりながら、旅あるあるや、北海道ツーリングあるあるを語る。どうやら彼らも北海道に着いてから大声で「うぉー!!!」って叫んだみたい。やっぱみんな叫ぶよね。

蟹食べ終わってチル中

今日初めて会った人たちと、同じテーブルを囲んで、同じ蟹を食べながらだらだら話をして、同じ部屋で眠る。不思議だけど、謎の安心感がある夜。

初めましてなのになぜか緊張しないし、なぜか気を遣わない。みんな好きな時に喋って、好きな時に自分の世界に入る。日記を書いたりカメラをいじったり。ああ、旅の出会いってこういうことだったな。旅人ってそうだったな。肩の力はいつの間にか抜けていた。

拝啓 4日前、渾身の怖い顔をしながら駐車していた私へ。大丈夫だよ、あなたの旅はきっと楽しくなる。安心して人と出会って、話して、たくさん笑って。それはこの北海道旅をもっと面白く、花咲ガニの味噌くらい濃厚な思い出にしてくれるよ。

(↑怖い顔してた時の話)


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