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北海道で一番感動した食べ物は、蟹でもウニでもなくて。

原付でゆく北海道の旅22日目、函館のライダーハウスで目を覚ます。昨日お酒を飲んだので少しだけ頭が痛い。ゆっくりと体を起こして、昨晩の記憶を手繰り寄せる。


朝食はラッピのチャイチキ

今回泊まったミートハウスは、1泊目は1,300円で、2泊目からは800円。周りのどの宿よりも安いので、迷わず延泊を決めた。毎日移動し続けてきた私が函館に2泊する理由は、食べたいものがいっぱいあるから。その一つが函館限定のファストフードチェーン店「ラッキーピエロ」だ。

午前10時、海の近くのラッキーピエロでチャイニーズチキンバーガーを食す。ちなみにラッキーピエロはラッピ、チャイニーズチキンバーガーはチャイチキと略すらしい。甘辛いからあげがふわふわのバンズに挟まれててうまい。

昼食はハセガワストアのやきとり弁当

昼食は約3週間ぶりのハセガワストアへ。ハセガワストアは北海道の最南端・函館にしかないコンビニだ。

ここの名物は"やきとり弁当"。ご飯の上に海苔と豚バラ串が乗った弁当で、注文が入ってからレジ横の厨房で調理するスタイルだ。

味は、タレ、塩、塩だれ、うま辛、みそだれの5種類から選べる。実はこのやきとり弁当、最東端の根室にあるタイエーでも注文可能。根室では一番人気のタレを注文したので、今日は玄人感を出して塩を注文。お値段570円。

イートインスペースに腰掛けて蓋をあける。いただきまーす。う、うぅぅぅぅうううまぁい!!!!!天才的にうまい。味が絶妙。焼き立ての豚バラうまい。海苔の下のご飯にも味がついてて最高。はぁ………うまぁぁぁい!!!!!

本当においしいものに出会った時、「おいしい」じゃなくて「うまい」と言ってしまうのは私の育ち的なアレなんだろうか。「おいしい」なんて言ってられる余裕がなくなるほどにうまい。これ本当にうまい。

北海道旅で一番おいしかったものは…

北海道はとにかくおいしいものが多い。特に海の幸は、新鮮なのはもちろん、東京の3分の1くらいの価格で楽しめるからすごい。蟹もウニもホタテも牡蠣も魚も、この1ヶ月でたくさん食べた。A5ランクの御当地牛を使ったハンバーガーなんかも食べた。おいしいものだらけの日々だった。

では最もおいしかった食べ物は何だろう。私は即答できる。

「 や き と り 弁 当 で す ! ! ! 」

北海道に着いて4日目、根室のタイエーで買ったやきとり弁当を、交差点近くの段差に腰掛け、口に運んだ時の感動は一生忘れないだろう。真っ暗な根室の町で、思わず目を見開き「うま。」と呟いてしまった。

蟹出汁のきいた鉄砲汁も、ぶりんぶりんの生牡蠣も、濃厚なウニ丼も本当においしかった。でも、やきとり弁当と出会った時の感動には敵わない。なんかヤバイ粉でも入っているんじゃないか?そう思うくらいにやきとり弁当はうまいのだ。

夕食はもちろん

というわけで、夕食もハセガワストアへGO。函館に連泊した理由は、食べたいものがいっぱいあるからというより、やきとり弁当をできるだけいっぱい食べたいからだ。やきとり弁当狂。

今回は裏技を使って、ミックスを注文。塩とタレであればミックスにできるので、「あと何回やきとり弁当を食べられるだろう?」な私がこの裏技を使わない手はない。

あまりにもうまいもんだから、店内にあったやきとり弁当トリビアみたいな記事を読み漁った。この神弁当が誕生したのは、酔っぱらいの戯言がきっかけらしい。

1978年のある夜半
当時のハセガワストア会長、長谷川文夫が自らレジを打っているときに、店の酔客が・・・
「お弁当ないの?」とご来店。当時、店内で作っていたおにぎりの「ごはん」「のり」 「お酒のおつまみに」と焼き始めていた「やきとり」この3つを組み合わせてとっさに作ったのが始まりとか。
その後、材料の吟味ややきとりを焼く店舗の改良を重ねて・・・
シンプルかつ他に類をみない「やきとり弁当」が誕生、そしてお客様に育てていただき今日に至るのです。

ハセガワストア公式サイトより引用

酔っ払いサンキュー、会長ナイスセンス。

あゝ塩だれやうま辛、みそだれも食べてみたいのに、タレと塩がうますぎて前に進めないよ……。もっと食べたいけど、胃袋のキャパを考慮するとやっぱり一食にひとつしか食べられない。あふれる気持ちをどこにぶつけたらいいかわからないので、やきとり弁当Tシャツを買った。

ハセガワストア公式サイトより引用

るんるんでハセガワストアを出て、ミートハウスに帰る。まだ8時なのに眠い。長旅の疲れが出たのだろうか。いや、やっぱりやきとり弁当にはヤバイ粉が入っているのだろうか……そんなことを考えていたら、いつの間にか眠りに落ちていた。


―next―


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おさつ
一緒に旅をしている気分で読んでいただけたら、この上なく幸せです。