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憧れの高山、名古屋めしの旅 1日目
12月22日日曜日。高山の天気予報は雪。前日までは小雪の予報だったけど、夜にはしっかりと降るようだ。雪景色の高山。旅行においての雪はワクワクを倍増させる。乗車する特急ひだ号も雪には強いらしいので問題なしだ。自宅で高山のライブカメラを覗いてみる。小雪がぱらつくお天気なのが見て取れる。
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大盛りの朝食と少し早いクリスマスケーキで楽しい旅への燃料をチャージをし、新横浜駅まで妻に送ってもらう。
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9時7分発のぞみ63号に乗車。新幹線に乗る場合、座席番号は決ってEだ。車窓から富士山が見たいからだ。飛行機を使った旅も同様。車窓が大好きだ。
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乗り過ごしに注意しなきゃね
大和市あたりを過ぎ、見えてきた神奈川県側からの富士山には少し雲がかかっている。
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あっという間に小田原駅熱海駅を過ぎ三島駅からは愛鷹山の向こうに美しい富士山が姿を現した。この時期にしては雪は少なめか。そして富士市からは裾野まで見える雄大な姿。慌てて撮った写真は水平ではないし、電柱など邪魔な物が写ってしまう残念なものばかり。
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でもここはしっかり動画撮影しておけば大丈夫。動画からの写真への切り出し、傾き調整、トリミング、そして消しゴムマジックと。美しい富士山を記録に残す、そんな作業も楽しい。
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静岡市、茶畑、浜松市、浜名湖と車窓を楽しめば、あっという間に名古屋駅に到着だ。
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名古屋駅にて、翌日まで必要のない荷物をコインロッカーに預けようとするも、どこも一杯。空き待ちの行列も出来ているほど。ここはすんなり諦め、特急ひだ号の出発する11番線に向かう。
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10時48分に出発する特急ひだ7号。岐阜駅までの短い区間は、進行方向に対して逆向きに座席の設定がされている。そしてスイッチバックし走行すると、ちゃんと前向きとなるため予めの措置だ。後ろ向きの走行に少し違和感を感じる。そういえば修学旅行の時、友達同士向かい合わせにするために座席を回転させた。後ろ向きの座席に座るのがちょっと苦手だった。自分の座席が進行方向に対して向いているのなら良いのだけれど、後ろ向きになることで酔いを感じた。そして決して足が長い訳ではないが、足も伸ばせなかった。そんなことをふと思い出だした。
関ヶ原方面の山々には雪が積もっているのが見て取れる。雲もかかっているので京都方面へ向かう新幹線の中からも、きっも雪景色が見れたことだろう。そんな事を考えていたらあっという間に岐阜駅に到着だ。ここで乗り込む友達。再会の握手、そして旅に同行してくれたことへの感謝を伝える。
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すぐに岐阜駅を出発し、左手車窓からは岐阜城が見える。そしてまもなく右手には犬山城が。
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車内では、こういった車窓の案内をしてくれるので、シャッターチャンスを逃さない。でもそんな車内アナウンスよりも早く岐阜の友達が説明してくれた。流石だ。見どころの方向、景観の説明を細やかに入れてくれる嬉しさ。2つのアナウンス。旅好きの私にはたまらなく嬉しい。
木曽川の流れを右手に見て、美濃太田駅を過ぎると、木曽川の支流、飛騨川沿いに進む。現れるは飛水峡。濁流により岩肌を削り取られた甌穴が見られる。
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飛騨川に沿って線路は右へ左へと交錯し、ダムにより貯められたエメラルドグリーンの水面が美しい。
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下呂温泉が右手に見えてきた。車窓から見る温泉街。いつかここへも来てみたいと新たな夢を見つけた。
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下呂温泉周辺には雪は全くなく、空は快晴だ。これから向かう高山は雪。一体どのあたりから雪景色となるのだろう。やがて見えてくる山々の木々にはうっすら雪が見て取れる。
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飛騨小坂駅あたりからは地表にもほんの少し積もった雪が表れ始め、久々野(くぐの)辺りまでくると銀世界が広がる。ここから通り抜けるトンネルで分水嶺(降る雨が川となり、その方向が太平洋側と日本海側分かれる境目)を越えると更に真っ白な世界となった。
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と、まるで川端康成の雪国の世界
高山市の平野部は私が思い描いていたよりもかなり広く、とても山奥の街とは感じられない。程なく高山駅に到着すると、後ろ寄り4両は切り離され、前寄り4両のみが富山駅へと向かう。
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近代的な高山駅の駅舎から、まずはホテルへ向かう。
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徒歩3分の道のりの途中には、清水ミチコさんのご実家の喫茶店「if珈琲店」がある。
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宿泊するスーパーホテル高山に到着。
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一旦ホテルに荷物を預け、小さいけれど役に立つ傘を借り、高山の観光のスタートだ。
まずは腹ごしらえ。高山ラーメンを食べたいとリクエストしていた私を案内してくれたのは、まさごそば。高山ラーメンの元祖と呼ばれているお店だ。
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時期、お天気、時間帯。ラッキーな行列なし
昼過ぎであったが幸運なことに行列なしですぐに入店。メニューは少な目普通大盛りの3種のみ。
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寒さと雪中のこの日の観光、街歩きが少な目になりそうで、予約した居酒屋へも早目に行くことになりそうだ。なので大盛りはガマン。運ばれて来たラーメンから立ち上る湯気には鰹節をはじめとする節系の香りがプンと。濃口で少し甘めの汁にほんの少しウェーブのあるストレート麺の独特の食感。予めだし汁とかえしを寸胴で一緒にしてあるので、早い営業時間に訪れるとあっさりで、時間が進むと濃口に変化した味を楽しむことが出来るらしい。私たちは14時少し前なので濃口なのかも知れない。
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雪の降る中、高山の古い町並と呼ばれる道を歩く。造り酒屋や飲食店、郷土品を販売するお店が立ち並び、殆どが観光客向けのお店だ。道行く人々の多くは外国人であり、食べ歩きをしたり、お酒の試飲をしたりして楽しんでいる。
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宮川沿いの桜並木も春にはとても美しいことだろう。
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陣屋(かつての行政を司ったお屋敷)近くには雪吊りをした松の木があり、この日降った雪のお陰でこれまた美しい眺めを楽しむことが出来た。前日ならこれほど松の木に雪は積もっていなかったのだから。
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酒蔵を覗き、味噌蔵では味噌汁の試飲を。赤味噌から絞った四年醤油が美味しかったので自分へのお買い物。
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飛騨牛の握りを食べ歩きするお店には行列も。宮川に架かる鍛冶橋では、手長足長像を楽しむ。
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次に行きたかったのは、飛騨高山地方と言ったら「さるぼぼ」。醫王山飛騨国分寺には「なでさるぼぼ」と言う像があり、自分の身体の悪いところを、さるぼぼのその部分を撫でると良くなると言われる。今年は右膝を痛めたし、あちこち年々ガタが来始めているので、欲張りな私は、さるぼぼの全身を撫でた。
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ホテルに戻り15時30分。チェックインを済ませ17時まで一旦解散。私は大浴場・天然温泉「陣屋の湯」にて、前日までの仕事の疲労を癒し、凍えた身体を温めた。洗い場3つ、5人くらい入れば一杯になる小さめの湯船も私一人貸し切りで広々。宿泊する海外からの観光客は大浴場を楽しむことはしないようだ。
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(ホームページより)
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(ホームページより)
18時に予約した居酒屋へ連絡し、17時に変更してもらう。
訪れたお店は広々とし、郷土品を飾る民芸調な造りだ。まずは生ビールでスタート。
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メニューを見ると観光客向きか少しお高めの値段設定。そこはまあ仕方がないのだが、食べてみたかった郷土料理と言うかソウルフードと言うか「漬物ステーキ」と「鶏ちゃん」はなかなかのお値段で驚いた。
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まあ旅なのでお財布の紐は緩めないと。オーダーした漬物ステーキはバターを塗ったステーキ皿に白菜のお漬物と溶き卵を焼き最後に切り海苔を。鶏ちゃんはステーキ皿の上に朴葉を乗せ、その上に炒めた鶏ちゃんが乗るスタイル。ちょっと辛口に言うと、「あれ?ステーキ皿も朴葉もいらないんじゃない?」と。どちらも盛り付けに使用しているだけで、ステーキ皿で炒めた訳ではないし、朴葉の上で炒めた訳でもない。いやいや、否定的なことを書いてしまったが、どちらもとても美味しい。でも食べたかった飛騨牛は割愛。高すぎる。そして私たち芋焼酎をこよなく愛する者にとって芋焼酎のないお店と言うのは辛い。なので生ビール2杯で退店することにした。
声を大にして言いたい。このお店は全く悪くない。お料理はとても美味しいし。ただ私たちの価値観に合わなかっただけ。好き勝手書かせてもらったので店名は伏せておくことにする。
知らない街の飲食店をグーグルマップやネット検索だけに頼り、チョイスするのは、とても難しいことを実感する。
高山駅駅前に移動する。ここには大手チェーン店の居酒屋が立ち並ぶ。魚民に入る。岐阜から私の店に訪れる友達の酒量は良く知っている。恐らく2人で900mlの黒霧島を飲み切れるだろう。凍えた身体にお湯割りが沁みる。
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よくある一般的なおつまみをオーダーして食べる、飲む。お互いに料理人だからこそ分かり合える話や、お金に対しての価値観、将来に向けたライフスタイルなど大いに語った。
駅前のファミリーマートに入る。ファミマの制服をイメージしたさるぼぼもかわいい。
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夜食のおにぎりとおつまみ、炭酸水を購入しホテルへ戻る。翌日朝食の時間の待ち合わせをしてそれぞれの部屋へ。私はもう一度大浴場へ。お酒を飲んでいるので入浴は短めに。部屋に戻り持参したウイスキーでハイボールを仕上げに。心地よく夢の中へと旅立った。
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2日目へ続く