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音声燻製【ショートショートnote】

深夜テレビの通信販売

ぼんやりとテレビを見ていたら、
ウインナーを作る機械が売ってた。

ーー
この機械に、出来上がったタネを詰めていきます。
このとき、できる限り
悲しみと憎しみの言葉を込めましょう。
唱えるといいですね。
ーー


わたしの耳はおかしくなったらしい。
悲しみと憎しみ?

ーー
なんと!!
今だけ、この燻製器もセット。
セットで……19800円!
ーー

思ったより高い。



ーー
美味しくできたのでしょうか?

おぉー!!
燻煙器、便利ですね
見た目はウインナーですよ!

味も確かめましょう。

……

えっ!?
うそ!!
こんなのってありなんですか!?

うそ……

おばぁちゃん……
ーー


アナウンサーが泣き崩れた。

しばらくお待ちください

ちょうどテレビ局では、どえらい騒ぎになっていた。

「ちょっとキミ、どう言うこと。
 早くメイク直して復帰して」
「無理です。無理なんです!
 だって……」
「泣き続けてたら、わからないから!」
「だって……アイが、愛が……」


「あー、すいませんねぇ。
 唱えた悲しみと憎しみが、愛に変換されたようです」


音声燻製、
亡くなった本音を伝える、だだひとつの調理器




はい、ダイソンを思い出しましたわ笑笑

書く側にとっては、変態チックなお題でした。あー、難しい。

楽しんでいただけたら嬉しいです。

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