男子宝石【ショートショート】
「なぁ、こんなところで何してんの?」
「えぇーっと、同じセリフを返してもよろしいでしょうか?」
公園でやけ酒のわたし。
大好きだった先輩の結婚が決まった。
告白する勇気もないわたしが
泣くのはおかしいんだけど。
泣きたいほどに悲しかったのだ。
乾き物と、カップの日本酒。
おっさんか!と
自分にツッコミながら、もう2杯目に差し掛かる。
そんなとき声をかけられたのだ。
土に埋まったフィギュアに。
顔と片腕だけが見えていて、あとは土に埋まってる。
微妙に手が動いてるようだが
「わたしもお酒に弱くなったなぁ」
なんてぼんやり思ってた。
「動けねぇんだよ。発掘してくんね?」
「スコップというものを持ち合わせてませんでして、その願いは、いささかハードルが高いかと」
「カップ酒の蓋でいけるだろ」
仕方ない。
さっき、パカッとあけたアルミの蓋で
周りの土を削ってあげた。
「なぁ、パンツ見えてる」
「掘り出して欲しいなら我慢してください」
「羞恥心ないのかよ」
「失恋と共に、どっかに忘れてきたので」
彼は男子宝石。
失恋×カップ酒×公園という条件で召喚できる生物だった。
しらんし!
というツッコミを含めて笑笑
小さいメンズ
拾ったら、わたしならどうしよう。
と、仕事の休憩時間に、
アホなことを考えてました 笑笑
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