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アメリカ独立戦争——自由への道を切り拓いた闘い

アメリカ独立戦争の紹介

アメリカ独立戦争は、世界史の中でも極めて重要な出来事の一つです。なぜなら、この戦いが単なる植民地の反乱ではなく、民主主義の台頭を示し、その後のフランス革命にも大きな影響を与えたからです。

17世紀、宗教的迫害を逃れた清教徒たちが、イギリスからアメリカへと渡り、東海岸に植民地を築きました。その数は18世紀には13に増え、それぞれが独自の自治を持つまでに成長しました。しかし、本国イギリスはこれらの植民地を「支配すべき市場」としてしか見ておらず、その後の重税政策が植民地側の怒りを買います。そして、フレンチ=インディアン戦争後、本国への依存を脱した植民地人たちは、自由を求めてイギリスとの戦争に突入しました。

独立をめぐる戦いは、単なる領土の争いではありません。自由とは何か、国家とは何か、人はどのように生きるべきか——アメリカ独立戦争は、これらの問いに挑んだ歴史的な闘いだったのです。

アメリカ独立戦争を学習した教材

今日もユーテラ世界史佐藤幸夫先生のYoutubeを参考に致しました。面白い・ストーリーが分かり易い・細かい、三拍子揃った素晴らしい教材です。興味のある方は是非ご覧ください。


13の植民地の建設

アメリカにおけるイギリスの植民地政策は、17世紀の清教徒(ピューリタン)たちの移住から始まりました。彼らはイギリス国教会の支配に耐えかね、新天地で信仰の自由を求めました。最初に築かれたのが、1620年のプリマス植民地。続いて、バージニア、マサチューセッツ、ペンシルベニアなど、18世紀には13の植民地が形成され、それぞれが自治的な議会を持つようになります。

北部では自作農や商工業、南部では黒人奴隷によるプランテーション農業が発展しました。しかし、イギリス本国は植民地の利益を自国に還元することを重視し、貿易や産業の自由を厳しく制限します。この本国の干渉が、後の反発の火種となっていきます。

18世紀アメリカ独立前の状況

フレンチ=インディアン戦争

18世紀半ば、アメリカ大陸の支配をめぐり、イギリスとフランスが衝突します。フランスはカナダ東部やミシシッピ川流域に植民地を持ち、先住民(インディアン)と同盟を結びながら、イギリスの西進を阻止しようとしました。

この戦いが「フレンチ=インディアン戦争」(1756~1763年)です。イギリス本国は多大な戦費を投じ、最終的にフランスを北アメリカから駆逐することに成功しました。しかし、イギリスの勝利は新たな問題を生みました。本国は莫大な戦費を回収するために、アメリカ植民地への課税を強化したのです。ここから、独立へのカウントダウンが始まります。


アメリカ独立前夜——イギリス本国の重税政策

財政難に陥ったイギリス政府は、アメリカ植民地に対し、砂糖法(1764年)、印紙法(1765年)、タウンゼンド諸法(1767年)など、次々と新たな税を課しました。特に紅茶の販売を独占する東インド会社に特権を与えたことに反発が高まり、ついに「ボストン茶会事件」(1773年)が勃発します。怒り狂った植民地人たちは、東インド会社の紅茶をボストン港に投げ捨て、イギリス本国に対して明確な敵意を示しました。

当時のアメリカ植民地の人々は、やはり紅茶(砂糖入り)を飲む習慣があったことも伺えます。

本国はこれに対しボストン港の封鎖など厳しい制裁を行いました。しかし、植民地側の抵抗は止まらず、ついに武力衝突が起こります。

ボストン茶会事件@世界歴史まっぷ

アメリカ独立戦争

1775年、レキシントン・コンコードの戦いを皮切りに、ついにイギリス軍と植民地軍の武力衝突が始まります。当初、圧倒的な兵力を持つイギリス軍が有利でしたが、植民地側はフランス・スペイン・オランダの支援を受けて戦局を巻き返していきます。

この時、イギリスの同盟国であったロシア/エカチェリーナ2世は、武装中立国としての立場を取ると表明し、イギリスには味方せずに、物資の補給面で植民地側を支援しました。

1776年7月4日、大陸会議において「独立宣言」が発表されました。トマス・ジェファソンが起草したこの宣言は、「すべての人は生まれながらにして平等であり、生命・自由・幸福を追求する権利を持つ」とし、政府がそれを侵害する場合は国民が新たな政府を樹立できると明記しました。

また、トマス・ペイン著の小冊子『コモンセンス』が発表され、『アメリカの将来の発展と自由のためには、完全に独立するしかない』という内容が植民地軍を独立に動かします。

1778年にはフランスが本格的に軍事介入し、イギリス軍は徐々に劣勢に。1781年、ヨークタウンの戦いで決定的な敗北を喫し、1783年のパリ条約でアメリカ合衆国の独立が正式に承認されました。


アメリカ合衆国の成立

独立を果たしたアメリカでしたが、次なる課題は国家の運営でした。各州は独立心が強く、まとまりに欠けていました。この状況を打開するため、1787年に合衆国憲法が制定され、三権分立の下で連邦政府が誕生しました。そして、初代大統領(独立戦争時の総司令官)が選ばれ、新生アメリカ合衆国の歴史が幕を開けました。

合衆国憲法の制定@世界歴史まっぷ

まとめ/終わりに

アメリカ独立戦争を学び直して、改めて感じるのは「自由への渇望」が人々を動かす大きな力になるということです。イギリス人として移住した彼らが、植民地という立場を脱し、自らの国家を築くまでの過程は、まさにドラマそのものです。

また、この独立戦争がフランス革命へと影響を与え、やがて世界中に自由と民主主義の概念が広がっていくことを考えると、この出来事が近代史に与えた影響は計り知れません。

何よりも、独立を勝ち取った13州の人々が「新たな国家を築く」という道を選んだことに、私は深い感動を覚えました。そして、その精神が、今日のアメリカという超大国を形作っていることを思うと、歴史の面白さを改めて実感しました。

次は、この独立戦争の影響を受けたフランス革命について学んでみたくなりましたね。

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