ドラマsilentは流し見できない、ながら見できない。タイパとチルのZ世代マーケティング
Z世代は2秒のインパクトが命
タイパ この言葉知ってますか?
Z世代なら、何言ってるん?って感じですよね。
コスパはみなさんご存じですよね。コストパフォーマンス。費用対効果。コストに見合ったパフォーマンス、効果。いいことがあったかということです。
タイパ=タイムパフォーマンス。
時間対効果。かけた時間に効果があったかということだそうです。
Z世代は、タイパ至上主義といわれています。
動画は、ながら見やら、倍速視聴やら、興味のないコンテンツを飛ばしながら見る。映画やドラマは、ネタバレ視聴する。これらはZ世代の僕(笑)でもやります。
でも、時間って案外ないものです。
人間の平均寿命は85年として31000日
生まれて立つのは1歳まで365日
就学前まで5歳で2000日程度
高校卒業まで学生としたら18歳 5000日足らず
大学4年間で1500日程度
こどもが22歳で大学を卒業するまでは8000日。
家族が大学まで一緒にいるとしたら
家族がみんな一緒に入れる時間8000日と人生の1/3と限られている。
働き手として65歳まで働くとなると22歳から考えると15500日とちょうど半分の日数を過ごすことになります。
85歳で生涯を閉じるとしたら、あと20年7300日を過ごします。
つまり人生の半分を生産年齢として過ごすことになります。
ね、案外時間って限られているでしょ。
Z世代とは、スマホネイティブ世代といわれていて、一般的には1990年代後半から2012年頃に生まれた世代を指し、2022年時点では20代前半から10歳前後の年齢の人が該当します。
今日はそんなZ世代の時間感覚や、インスタのトレンドで見る求めているものから、これからどんなものが求められるのかを僕の独断と偏見でお伝えしたいと思います。
ちなみにZ世代とひとくくりに今日は言いますが、もちろん、どの世代もそうで、Z世代もひとくくりにできるものではありません。もし、Z世代の君は、あるなとか、これはないなとか、そんな目線で見てください。
またちがう意見があれば、ぜひコメント欄にお寄せください。
今日お伝えしたいのは、
Z世代は2秒でつかみ、そして沼らせる
というのを4つのポイントでお伝えします。
Z世代はなぜタイパ至上主義?
今、ネットでは動画やネットフリックスでも映画が定額で見れたり、また音楽も定額で聞ける。いろんな情報が沢山ある中で、Z世代が共感するためには、時間効率よく見ていくことが求められ、だからタイパ。
というわけだそうです。
動画もTikTokがあり、YouTubeショート動画、切り抜き動画があり、本の要約まである。ぼくもそう、このチャンネルでは出しています。
TikTokはどんな投稿でも300再生くらいは流してくれますが、その中でバズるには、最初の1秒のつかみがないと難しいといわれています。1秒で引き付けて、動画の最後まで引き付けるよう引っ張る。まさにZ世代に便利なSNSだと言えますし、Z世代の僕も大好きです。
何よりも、短時間でたくさんの情報に触れ、好きな情報に当たる可能性もある。これは、サーチしてみるYouTubeとは違う仕組みです。
タイパ至上主義というのは、これにとどまらず、音楽制作でもあります。最近の曲はイントロからサビを持ってくる。そうしないと最後まで聞いてもらえない。またサビしか聞かないといった状況もあるようです。
また、インスタのタブやハッシュタグを基にサーチするなども行い、いち早く好きな情報にたどり着く手立てを持っています。
音楽クリエイターのヒャダインさんは、動画の中で、こうした短い動画やたぶん音楽の意味が強いと思うのですが、記憶に残りにくいのではとおっしゃっています。
また、タイパ至上主義が重視される背景として、すぐにググったら答えが出る時代に、答えが先延ばしになるというのが我慢ならないのではともお話されています。
ショートに慣れ過ぎた、結果主義はもったいない。
例えば遠くの友達に会いに行くなど、愛おしい無駄にはたくさんの気付きがあり、楽しいとお話されています。
つながりを求めてる?
2022年、日本国内のZ世代がインスタグラムでどんなハッシュタグを使ったか、また楽曲などに関するデータが発表されました。
ハッシュタグベスト20の中には、
いいね返し、fff=follow for follow、写真好きな人とつながりたい、お洒落さんとつながりたい。という、つながりたい系のキーワード。
fashion ootd=Out fit of the day=今日の一着、本日のコーデという意味、古着、おしゃれさんとつながりたいといったファッション系のキーワード
などが上がっています。
本当のZ世代に聞くと、つまり、インスタグラムは履歴書みたいなもので、インスタを自分らしく飾れるよう、またそういうつながりを求め目に留まるようキーワードがつけられている。これらのハッシュタグをつけるとそれっぽく見えるというわけです。
Z世代という区切りではなく、10代後半から20代の大人予備軍世代は、おそらくぼくもそうであったように承認要求の塊であり、ひとから自分の存在を認められたい、その気持ちが大きいのかと思います。
僕のことを思い出しても、そうだったな。
何かで他者を圧倒したい。
自分をリスペクトさせたい。
もっというと、マウント取って、みんながひれ伏すような世界を創りたい。そんな時期でした。
そんな僕に、今の僕が声をかけるとすると
マウントを取りたいって、何でマウント取るの?
お金?地位?名誉?仕事?
何か人の役に立てる
なにか人を感動させる何かを持っている
そんな人がマウントを取る資格がある
でもね、そういう人はマウントを取らない
なぜなら、マウントを取ることのバカバカしさを知ってるから
そう、マウントやらレスペクトやらいっても、人の心を動かせる人間になることが、その答えなんだろうと思います。
誰もが自分を発信できる時代になって、発信者ネイティブのZ世代の今を見ても、ファッション、ダンス、メイク、リア充、すべては自分をいかに魅せるか。これは年代を超えても変わらない。
でも、その根本は人の心を動かすことができる自分でいたい。
そうではないでしょうか。
2秒でつかみ、そして沼らせる
人はだれしも自分を探求したい。そんな生き物だと思います。これは世代を超えても変わらない。特に、承認要求が強ければ強いほど、自分のなにが売りになるのか、人のココロを動かせるのは何かを探求したい。
その探求のプロセスの中で、自分が夢中になれるものに触れる。時間を忘れて夢中になれる瞬間は最高に気持ちいいですよね。
例えばダンス。チームとして一丸となって踊る。例えば音楽。音を構成するひとつとなる。例えばサーフィン。波と一体となる。人や自然、空気もそう。いろんなものと自分が調和していく瞬間。これはたまらないものがあります。
そんな時に、人は最高の瞬間を迎えます。
これをフローといいます。
まずフロー状態に持っていくには、目の前のことだけに集中し、自分を信じ、自分で変えられないことは持ち込まないことだそうです。話し言葉もポジティブなワードで、穏やかに過ごし、自信に満ち溢れている状態が必要で、何より心理的エネルギーが必要です。
ところが、個人は生涯を通して、ほんのわずかのものに精通する心理的エネルギーしかもってない。要は、あれこれとフロー状態にはならないということです。
また、フローになるには、複雑化することが大事で、簡単にできることには心理的エネルギーを使いません。
さて、Z世代は、タイパ至上主義とか結果主義とかいろんな勝手なことを言いましたが、フローなんてあり得るのでしょうか。
今、トレンドワードなどのライフサイクルはめちゃくちゃ早くって、それぐらい、Z世代の情報は早いです。
つまり情報に触れる機会は絶妙に速い。なら、それを見極めるのが1秒で決まるのであれば、その1秒でいかにパフォーマンスができるか。そこにかかってくるのかと思います。
また、そのジャンルが簡単に制覇できるようであれば、フローにはなり得ず、奥深く複雑になるものに惹かれるのではないかと思います。
ダンスでいえば、バレエなどは2秒で大きなテクニックをトップで見せる。タップでもジャックナイフなど派手目のテクニックでトップに見せる。これ!というテクニックがあるなら、2秒でビジュアルで見せられるもの。2秒で魅力を見せて、だんだんと深みに引き込む。この作戦ではないかと思います。
また、情報が多い分、唯一性も重宝されるのではと思います。どれだけインパクトがあるのか、そこにも価値が見いだされるのではないでしょうか。
でも、唯一のアイデンティティを持つには、唯一❌唯一を3つくらいあった方がいい
チルな時間が大事
ここからはおまけです。
人間は、脳でイメージしてそれを身体で具現化することで最高の喜びを得ます。そのジャンルを動画などのショート動画で探す。
まさにトライ&エラー&リペアの繰り返しです。
タイパ至上主義 全速力でインプットして、全力でアウトプットをする。
僕はこの考え方は好きで共感します。
でもその一方、いいことや、何かと何かが結びつく瞬間は、そんな時間を離れて、違うときに勝手に脳がひらめいたりします。
僕の場合は3つ
・車の運転中
・風呂
・寝る前
このときに、ふと電流が走ったように思いつくことが多い。
いわゆるまったりとした、チルな時間です
現代の3つの神器って知ってますか?
ゲシュタルト心理学の創始者、ヴォルフガング・ケーラーは、過去の偉大な発見は、3Bの環境でなされたと述べている。
3Bとは、Bath, Bus, Bed の頭文字Bをとったものだそうです。
これは、まさしく、ぼくも以前から言っていた、いいアイデアを思いつくときには、風呂に入っているとき、車を運転しているとき、寝る前の3つだと言っていたんですが、まさしくそのすべてが過去の偉大は発見だったとローカルリポジトリは、ぼくだけじゃなかったんだと思いました。
小森圭太さんの著書「科学的潜在意識の書きかえ方」にも、ぼーっとした状態を作るのがアイデアが生まれやすいと書かれています。こういう時の脳波はα波と呼ばれる状態で、副交感神経が働いているそうです。身体や表情が緊張して硬くなっているのとは逆に、ある種のトランスに入っていて、身体も表情も和らない状態。こういう時に松果体も活性化し、ゼロポイントフィールドにつながりやすい状態で、いろいろ情報を引き出せるそうです。
先日、最終回を迎えたドラマSilent
視聴率は6%から最終回では10%を数えました。
高校から、卒業して20代のラブストーリーを描いていますが、このドラマでは主人公の想君が、高校卒業後耳が聞こえなくなったという出来事が、ドラマの構成をつくってます。
なのでコミュニケーションは、手話が多く取り入れられていて、テレビ的にはテロップで示す。スマホの画面で示す。
いわゆる流し見すると、その場面のプロセスがわかりにくい仕組みになっています。
僕もながらでは見ることが出来なくて、このドラマだけはリビングでじっくり見ました。
これがZ世代のマーケティングの一つではないかとも思います。
つながり、人から認めてもらいたい、やさしさ、そしてチル。
今日お伝えした、タイパ至上主義はそれとして、でも時間をかけることでハートウォームな出来事もいいものだと共有できるドラマだったんじゃないかと思います。
チャンスは逃げない
また別のチャンスが来る時に備えたらいい
もっといいチャンスが来るかもしれません。
Facebookのマークザッカーバーグは、チャンスを逃したわけじゃなく、むしろまだやってないと考えるそうです。だから
焦らない
飛びつかない
恐れない
でも全速力でインプットし、全力でアウトプットしましょう