#64 大阪の生産者数をとことん考える①
前回は農業生産額について考えてきましたが、今回は生産者数です。
生産者数の傾向から、大阪の農業振興の企画提案をする際にどういうことを念頭に置くべきかを考えていきたいと思います。
大阪の生産者の現状を把握する
(1)年齢別
まずは大阪の生産者を年齢別数を年齢別にみていきます。
大阪の特徴としては
・最も多い層は70代
・40代以下は5%(約400経営体)
・30代以下の割合は増えてきている
・全国では40代の割合が微増しているものの大阪では減少
でした。
おそらく平均年齢も全国より高いのでしょう。
40代以下の呼び込みが全国よりも進んでいないようです。
(2)男女別
大阪の特徴としては
・女性は全国と同様に6%程度
・男性よりも年齢の高い経営体が占める割合が大きい
・60代以下の女性経営者は11%で、男性(18%)よりも低い
でした。
特に40~60歳の女性の割合が全国と比較して少ないです。
30歳以下の女性は全国と比較するとまだ伸ばせる余地がありそうです。
(3)法人/非法人
大阪の特徴としては
・法人の割合は1.3%
・全国よりも法人化している割合が少ない
・個人も法人も経営体数が減っている
→特にここ5年で法人経営体数が減っているのは、山梨、長野、大阪、大分、沖縄の5府県のみ
全国的にみて法人化が進んでいるのは米産地が多く、逆に進んでいないのは都市部や果樹産地が多かったです。
まとめ
最後に、企画をする観点から簡単にまとめます。
○全国と比較して40代以下の生産者の増加が少ない
→就農を志す若者に情報が届いていないのではないか。
→そもそも大阪で若くして農業経営が成り立つことが難しいのではないか?
(アイデア)
農業を志す若者に対して、大阪府内の40歳以下のモデルケースの情報を発信してはどうか。例えば活躍している生産者に登壇してもらうとかかと思います。
○女性は年齢の高い経営者が占める割合が男性よりも多い
→若い女性の経営者が悩みを相談・共有する場が持ちにくいのではないか?
(アイデア)
それが事実であるならば、女性経営者同士の情報交換ツールを整備したり、近隣県の女性経営者とのコミュニティーつくりをするのはどうでしょうか。
○法人化が進んでいない
→法人化の事例が少なく、生産者もどのように法人化したらよいのかわからない、どういうメリットがあるか伝わっていないのではないか
→そもそも法人化するメリットが少ない状態なのではないか(雇用をしていない、売上が低い)
(アイデア)
法人化はこちらが進めるものではなくて、生産者がそのような意向があった時にすぐに相談に乗れる体制が重要だと思います。
まずは法人化のメリットや手順を支援者が整理するのが第1歩だと思います。