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映画『室井慎次 敗れざる』感想 踊る大捜査線シリーズからの伏線
・何か前半というか、前日譚の印象が強い。実際に捜査が始まるまでに室井の今の生活が重点的に描かれているからだ。踊る大捜査線シリーズの外伝だが、捜査の様子があればなあと。
・室井の息子達は良い子だが、シリーズの重要人物の娘が出てきて引っ掻き回すのが嫌だった。幸せな生活を壊す様子は悲しいし、何がしたいのかが分からない。彼女の動向が大切になるのだろうか?
・室井の無念感が伝わってくるのが痛い。踊る大捜査線では、官僚として警察組織を変えることを目標としていただけに、道が閉ざされた時の絶望感がすごい。ただ、当時の組織からは変わっているとは思う。湾岸署にいた刑事が捜査一課所属になっていたり、青島も出世しているみたいだったからだ。とはいえ、一番キツイのは青島なんじゃないだろうか。頼りの室井が警察庁を退職したからだ。階級を越えた相棒が欠けた。青島はどう思っているのだろうか?
・踊る〜のファンなら、室井のファンなら楽しめる作品だと思います。青島が主役ではなくて、定年退職した室井が主役です。キャリアがなぜ秋田にいるのか?
まあ、室井の気持ちはファンなら分かります。不器用な人で使えるものを駆使して何が何でも自分の夢を叶えるみたいな性格ではないのなあと思います。
開幕のシーンはまさに室井の夢が絶たれた瞬間ですが、室井だからこそ敗れざる者になったんじゃないかと。他のキャリアだと違う道があったはず。不器用さが出ていました。
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