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植物・庭いじり好きの集まりー庭くらぶ論①ー
庭くらぶとは?
植物・庭いじりがちょっと気になる人たちが集まって、植物を植えたり、土を運んだり、雑草をとったり、お茶会したり、するサークルのような集まりです。毎月一回は定期的に開催しています。
〜始めたきっかけ〜
庭くらぶをメインで動かしているメンバーは、
「季節の花や野菜を育てながら、葛藤しながら日々の成長と関わりたいなと思い描いていたことが、この度進み始めました。」
私も最初から関わっており、
つながるベースの隙間を華やかなものにしたいという気軽な気持ちで関わり初めました。
つながるベースとは、
おいしく食べて、たのしく話して、元気にまた来る。
つながるって、豊かで Happyだ。
を合言葉に人と人、人とモノ・場所が交わり地域が元気になる拠点を思い描いて、2022年12月、福井市に立ち上げました。
カフェ、ジム、クリニック、レンタルスペースがある複合施設です。
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初回の庭くらぶは、つながるベースの建物と駐車場の間の殺風景だった隙間を気にかけていただいた方々と一緒にあーだこーだと話し合うことから始まりました。
ここの土は固すぎるんやー
夏になると雑草が生えてくるから防草シートとか引かないと大変なことになるざ
このスペースに植えても駐車した車の排気ガスが直接かかるからどうなんだろう?
![](https://assets.st-note.com/img/1703508452535-gH2ZzzDfAh.jpg?width=1200)
私たちは、庭いじりすらやったことがないど素人なので何もわからない状態でした。そんな中、ちょっと気にかけてくれた地域の方々の、知恵や道具をお借りしながら、活動しています。ご自身の庭に植えてある植物や土もお裾分けしていただいたこともあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1703511776420-wPRIJeQFUz.jpg?width=1200)
庭くらぶ月一回の集まりの日以外でも突然、
「これ家から持ってきたから植えなー」
とクリニックやカフェに顔を出していただいたりすることもあります。そのような感じでゆるく集まって、ゆるく活動しています。
かれこれ立ち上げて1年が経つので、「庭くらぶ」について人類学的に見てみたいと思います!
「ゆるさ」
庭くらぶの特徴の一つである「ゆるさ」について、
植物好き、庭いじり好き、誰かと話すのが好き、好きじゃないけどどこか気にかかる人たちがタイミング合う人数で集まり、植物植えたり、雑草とり、庭の手入れ、雑談しながら一緒に活動しています。
「今日は人が集まらないねーお休みにしようかー」という時もあります。
関わる距離感や関心は人それぞれ。
雨が降れば、中止にし、暑い時は植物の様子を見てカフェでお茶して、気づいたら2時間談笑していたり。
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また、庭くらぶの活動に目的や目標もありません。
次回の集まりで何をしようかという話も、あまりしません。
ある種、先の見通すことのできない、不確実性の中での活動を楽しみながらゆるく続けています。
1ヶ月後の植物・土・天気・季節・人間の気分や状態、予定、出会い
ってわからない。そのわからなさをそのまま受け入れている感じでしょうか。
もしも、「ゆるくない」庭くらぶだったら、
綺麗でインスタ映えする植物と栄養満点の肥料を買ってきて、
庭くらぶの日に人を何人かかき集め、
これをこの順番で植えて、メンバーに水やり当番を割り当てて、来年にはこれを植えるために土壌に肥料を撒いていたでしょう。もちろんそれが悪いとか言いたいわけではありません。
施設の景観としての庭を維持するために、植物をちゃんと育てることが目的であればそれは(人間によって最適化された)最適な手法だと思います。
一方で、庭くらぶの「ゆるさ」とは、
人間によってコントロールできない自然のどうしようもない部分を受け入れ、人間自身の不確実性をも受け入れている「ゆるさ」です。人間と自然が重なっていく感覚に近いでしょうか。
また、関わり方の「ゆるさ」もあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1703511860141-884cEtrxwk.jpg?width=1200)
雑草とりや苗を植えるという作業もしますが、何もしないでそれを見ている人がいたり、散歩ついでにちょこっと顔出してくれたり、発熱外来にちょうどきていた患者さんが私たちが作業している姿を気になってアドバイスをくれたり、いろんな人がいろんなタイミングでいろんな距離感で関わってくるそんな「ゆるさ」です。
どんな関わり方でも居心地の悪くないような雰囲気づくりは心がけています
が、
「あの人のために庭くらぶを企画している私たちが何かしてあげないと」
という発想とは異なります。
関わり方の間口を広げていることで、どんな人も何かのきっかけで顔出してもらって、ゆるくつながり、参加者同士で共通の趣味を見つかったり、そんなつながりが広がっていったらいいなあという思いでいます。回を重ねるごとに、新たに人と出会い、新たな植物が持ち込まれ、庭の景色もこの一年でどんどん変化していきました。
また、初めはクリニックの受診に来ていた方が、庭くらぶに参加するようになり、何もない日にはカフェに訪れるようになり、クリニックの受診の頻度がめっきり減った方もいました。受診をきっかけに出会った方が、クリニックに用がなくてもつながるベースには来るという面白い現象が起き始めています。
そんな人間と植物が開く場、「庭くらぶ」の紹介でした。
次回は「植物というものは生きているのか?」をテーマに考えてみます。