Open When Letters ~彼との未来~
Open When Letters をご存じですか?
2年前の結婚式当日、
夫と別々の部屋で身支度をし、ファーストミートをしました。
私が彼の肩をとんとんと叩くと、彼はゆっくりと振り返りました。
お互いに照れくさくて一度目線を外しましたが
再度目が合うと、彼は優しく微笑みながら一つの箱を私に手渡しました。
そこに書かれていたのが Open When Letters。
彼なりのサプライズだったのですが
流行りに疎い私は全く理解できていませんでした。
彼が「開けてみて」と言い、
箱を開くと
12通の手紙が入っていました。
一番上の封筒の表面には
『この手紙を最初に受け取ったとき』と書かれていました。
「幸せって書きすぎだよ」と
私は涙を浮かべながら笑みがこぼれました。
彼のおかげで本当に”幸せ”な結婚式でした。
次に開いたのは、2ヶ月後
『子どもを授かったとき』
彼の小さい頃の夢は、保育士さん。
子どもが大好き。出会った頃は3人娘のパパになりたいと言っていました。
私はステロイド治療をしており不妊のリスクが高かったのですが、
そのことを理解したうえで、彼は私との結婚を選んでくれました。
だからこそ、妊娠した時は涙を流して喜んでくれました。
妊娠できるかどうかわかない状況で、この手紙を書いてくれた彼は
きっと私との未来を信じてくれていたのだなと思いました。
その次に開いたのは『結婚して1年経ったとき』
とても温もりを感じる内容だったけれど
二人だけのものとして胸の中にしまっておきます。
たまに『息抜きがしたいとき』に手を伸ばそうとしたこともありましたが、
きっとどこかに連れて行ってくれる内容だと思うので、
これから先の長い人生のためにとっておくことにしました。
そして10ヶ月後
『パパとママになったとき』
私が仕事仲間とわいわい飲み歩いていた頃、地元の友達は結婚ラッシュ。
私が入籍する頃、地元の友達は出産ラッシュ。
私はずっと皆より遅れていると感じて焦っていました。
そんな私に、彼は”2人らしく”、”2人のペースで”という言葉をよく伝えてくれていました。
そして手紙の最後には必ず「好き」の文字がありました。
その時、その時を
直接言葉で伝えてくれることも素敵ですが、
恥ずかしがり屋の彼が
彼なりの方法で伝えてくれたことがとても嬉しかったです。
他にどんな手紙があるのだろうと、
興味本位で私は12通を一度箱から出してみることにしました。
『ケンカをしたとき』
『マイホームに入居したとき』
『他の手紙を先に読みたくなった時』
『結婚して10年経ったとき』
『子どもが巣立ったとき』
『還暦を迎えたとき』
――――『僕がこの世からいなくなったとき』
この文字を見て、私の顔から笑みが消えました。
そして手紙を読んだわけでもないのに涙が溢れてきたのです。
私が考えたこともない未来を彼は見据えていました。
それからの私は毎日彼の寝顔をみる度に
どうか明日も目覚めてくれますようにと
心のなかでお祈りしていました。
あの一文を見てから、
当たり前の日々が
当たり前じゃなくなる時がくるのだと思うようになりました。
もし彼がいなくなったら
私はどうやって生きていけばいいのだろう。
彼はどんな思いでこの手紙を書いたのだろう。
私も彼のように
小さなことに幸せを感じ
感謝しながら生きていこうと思いました。
素敵な手紙をありがとうございます。
これからも大事にしていきたいと思います。
残り7通、"◯◯のとき"が訪れ、あなたの手紙を読むのが楽しみです。
ただし私は1通だけ手紙を読まないこととします。
どうか私より長生きをしてください。
こちらもお読みいただけると嬉しいです。
乱文失礼しました。
随時修正予定です。