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【業務日報】「こうするべき」をぶっ壊せ

2021年7月28日AM8:05。陸前高田では大雨警報が発令され、なんとも不穏な朝を迎えております。昨夜は東京オリンピックでのソフトボール金メダルに喚起する一方、避難所開設の防災無線が流れたり、きょう予定していたスケジュール変更の連絡が相次ぎ、結局家族全員がテレワークとなりました。天気予報を見ると沖縄32℃に対し北海道旭川は37℃とか。各地域のみなさま、どうかご安全に過ごされることを祈っています。

さて今回は、前回の投稿でも触れた「摘果そのものの作業というより、りんごができるまでの作業についていろいろ考えさせられた」理由についてつらつら記したいと思います。

”「こうするべき」をぶっ壊せ”というタイトルで始まりましたが、結論から申し上げますと、「りんごの可能性を広げるために、すべての考え方とそれぞれの選択に敬意を持とう」ということです。でも”ぶっ壊せ”から”敬意を持つ”ってどうゆうこと?

それは、巷に溢れている「昔からこうだったから、こうするしかない」という考えを排除するのではなく、あくまでイチ農家の選択として受け入れるということ。農家とはいえ老いも若きもそれぞれが個人事業主であり経営者なので、考え方が違ったら、別のやり方を選択すればいいだけ。「個」もムチャクチャ大事ですが、「産地」として面白くあった方がぼくは好きです。というか、否定というものがそもそも好きじゃないので。

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ぼくは2017年の6月にりんごの生産に関わるようになりました。最初の1年は先輩農家さんや普及センターさんからの指導を受け、2年目で実践という感じでした。2年目からは販売においても確かな手ごたえを感じ、”1年目に感じた良くわからなかったこと”は調べて学んだり、新人同士で議論することも楽しかったので、恵まれた環境だったんだなあ、と振り返ります。そして上記の考え方に至ったのが、2019年に通った #いわてアグリフロンティアスクール  (岩手大学農学部主催)。県内の農家さんがご自身のヒストリーを語る、という講義が楽しみで、サンファーム(盛岡)の吉田代表が行った講義が本当に面白かったんです。海外と日本のりんごについて「そもそもの考え方の違い」とか、とあるパティシエの「甘味は砂糖を使えばどうにでもなるが、自然界の酸味は調味料では表現できない」という言葉には深く考えさせられたものです。ぼくの「りんご観」といえば、大きめで色よく、食味の良いものがりんごの全てであり、傷物は加工用と決めつけていたのですが、このいわてアグリフロンティアスクールを修了した頃を振り返ると、学びながら叩き壊していった固定観念は結構な数あると思います。

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話を戻します。
りんご王国・青森の #もりやま園 (株)の森山社長が開発した「労働時間管理アプリ」によると、りんご農家は全労働時間の75%を、主に3つの「捨てる作業」に費やしているというのです。内容は、15%は枝の剪定、30%は摘果、そして30%が葉摘み。確かに、すべてが捨てる作業…。とはいえ、おそらくほとんどの農家さんは、これらの有効活用を1度は考えたことがあると思います。だって、畑にあるものはすべてお金に変えたいって思うって普通ですよね。

まずは摘果果。摘果の定義の中に「翌年の花芽形成への影響」がありますが、これは「摘果の時期に収穫」するということになるので全く問題ありません。それより重要なのは、摘果果は農産物として扱うことを想定していなかったため、慣行栽培では農薬が残留する恐れがあるとして、食品には使用できなかったんです。つまり、摘果果を商品にするには「農薬をコントロールできる環境」を作るということです。

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まとめます。

ぼくはこの地にりんごという産業を切り開いた先人と、 #米崎りんご として地域が誇れる農産物に確立させた先輩農家さん、そしてこれからを担う新進気鋭の農業仲間たちに敬意を込め、生鮮も加工も赤肉品種もすべて挑戦し、作業効率や生産性の向上への改善を繰り返しながら運営を続けていきますので、応援いただけたらとってもうれしいです。
次の打ち手についてもまとまってきましたので、いろいろとご報告できると思います!

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どうやら台風も抜けそうですね。
警報が解除されたら畑に行ってみることにしましょう。
それでは素敵な1日をお過ごしください。
イドバダアップル 吉田司でした。





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