じゃがいもで3品作ったのは「点と線」の松本清張先生だった。
最近買ったじゃがいもがホクホクで家族が大変喜んだので、ふたたび購入しました。今日もゆるゆると思いつきで進めます。
昨日からaudibleで松本清張著『点と線』を聴いています。随分前に2回読んだ記憶があるので3回目。言わずと知れた代表作です。賛否はあるようですね。
福岡で起きた心中事件の謎解きに挑む小説です。時代背景が印象に残ります。なぜなら昭和の交通事情が現在と比較すると考えられないおおらかさ。ねずみ色のオーバー(←グレーのコート)、電報(←メールではない)、青函連絡船などの表現が懐古的でまさしく昭和の落ち着き。自然とそちらへ耳が反応して前のめりです。
朝から緊張感ゼロで焦らず騒がず耳読しながら、大きなじゃがいも6個で3品↓
◻️じゃがいもの粗そぼろ煮
じゃがいもはすべて事前に皮つきで丸ごと蒸して加熱しました。なるべく大きく使いたいから火通りの心配をなくすためです。
豚ひき肉はかたまりのまま四面をじっくり焼きつけてから、ざっくりほぐしました。カットした蒸しじゃがいもを加えて焼き目をつけ、調味して炒め煮です。定番の甘辛味にて。
◻️ケチャップ麹入りキャベポテサラダ
具材はいつものメンバーと変わりませんが、きゅうりがないので代打キャベツ。塩もみして絞って加えました。
マヨネーズを通常の1/3〜1/4程度に減らし、ケチャップ麹メインで味つけです。黒こしょうを加えました。麹がじゃがいものデンプンを分解するため、水分があまり出ないうちに食べないと味が落ちるかもしれない。
ケチャップ味が穏やかでじゃがいもへのなじみがよく、マヨネーズがコクを出して大変美味でした。
◻️じゃがいものみそ汁
じゃがいも、玉ねぎ、しめじ、えのき、ニラ、わかめで作りました。じゃがいもを楽しむための汁です。じゃがいもが煮溶けて角が丸くなり、汁に甘味を感じました。
朝から3時間ほど他の料理も作りながら台所に立っていたので、家族が労ってくれました。
しかし、なぜか自分で作った気がしないのです。
「点と線」を聴きながらワクワク気分のまま料理しました。
「電車の時刻は?」「あの人のアリバイを崩せ!」
おそらく脳は料理よりも耳に意識を取られたと思います。その間に手が自動的にじゃがいもった感じ。
わたしは言いました。
「このじゃがいも3品はわたしが作ったのではなく、松本清張先生が作ってくれたのだよ」と。
東京駅15番線ホームを走り、香椎駅で佇み、青函連絡船で函館経由札幌まで行った。トリックを考えた気になった。
一方、現実世界では切ってバラバラのじゃがいもから料理完成へ至りました。めでたい。
「清張先生、点が線になって芋が煮えたよ!」
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?